INDY CAR

松浦孝亮、15番手グリッドから決勝レースに臨む! 決勝セッティングを重視し、マシンは安定感のある仕上がりに

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第2戦「XMサテライト・ラジオ・インディ200・プレゼンテッド・バイ・アージェント・モーゲイジ」
■■■3月18日予選■■■
天候:曇り 気温:19℃ 時間:15:30〜16:35(日本時間19日7:30〜8:35)
<天候と日程を考慮し、決勝用セッティングを重視>———————
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの松浦孝亮は、IRLインディカー・シリーズ第2戦の決勝を15番グリッドからスタートする。フェニックス・インターナショナル・レースウェイはオーバーテイクが難しい全長1マイルのショートオーバル。ここでは上位グリッドからの決勝スタートには大きなメリットがあるが、今週末は2デイイベントで走行時間も短く、天候も不安定なことから、予選順位より決勝を重視してパナソニックARTA/パノス・Hondaのセッティングを進めることにした。
<異例の肌寒さとなった今年のフェニックス>—————————
昨年のフェニックス戦は30℃以上を記録する暑さの中での戦いとなり、今年も真夏のような暑さになると考えられていた。しかし、今年のアメリカは異常気象が続いており、砂漠地帯のフェニックスにも冬の間に多くの雨が降った。サーキット南側の山々も、薄茶色の乾燥したものではなく、青々とした緑色を帯びており、いつもとは違ったフェニックス・インターナショナル・スピードウェイの景色が広がっている。午前中のプラクティス開始時の気温は17℃。日中は21℃まで上がったが、予選時には再び雲が厚くなって気温は19℃に下がった。空気は湿気を含んでおり、雨が心配される状況下での予選となった。
<プラクティスでは順調にメニューを消化>——————————
プラクティス1回目、松浦孝亮は35ラップを走行。ベストタイムは21秒0001で、ポジションは13番手だった。2回目のプラクティスでは、46周と最多に近いラップ数を消化。20秒6567へと大幅にタイムを短縮し、順位は10位。2回のプラクティス総合で12位につけていた。プラクティス中にはハーフタンク以上の燃料を搭載し、タイヤも周回を重ねたものでフィーリングを確認した。そして、2回目のプラクティス終盤に新品タイヤを装着して予選シミュレーションを行い、予選へと挑んだ。
<予選はコンマ3秒に15台がひしめく激戦に>—————————-
午後3時半に始まった予選、松浦は7番手でアタックを敢行した。2周目にマークしたタイムは、20秒6646。これはプラクティス2回目に出した自己ベストとほぼ同じもので、予選パフォーマンスとしては決して悪いものではなかった。しかし、トップ15台がコンマ3秒以内にひしめく激戦で、松浦のスターティンググリッドは15番手と決まった。明日のレースは、午後1時(日本時間3月20日午前5時)から全長1マイルのコースを200周して争われる。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
マシンのフィーリングは良く、ポジションアップは可能です
「今日のプラクティスは、とても順調に進みました。ハーフタンク以上で走り続け、セッション終盤に燃料が軽くなったところでニュータイヤをつけて走りましたが、ハンドリングが良くなっていることを感じました。予選では、あと0.15秒ぐらい速く走り、8位ぐらいを獲得できると考えていました。しかし、ドラッグが大き過ぎたみたいですね。今日は余裕を持って全開で走れていましたから、ダウンフォースをもう少し削っても問題はなかったと思います。レース用のマシンはとてもフィーリングがいいし、ピット作業のスピードも向上しているので、レース中のポジションアップは十分可能だと考えています。ショートオーバルでのレースは周回遅れにならないことがポイントです。今年はエンジンが3リッターになっているので、パワーバンドが狭い分、オーバーテイクは難しい。その中でどうやってポジションアップをしていくかが決勝の決め手になります。また、タイヤのグリップはレース中に大きく変化するので、セッティングの良し悪しが大きく影響するはずです。マシンは仕上がっているので、レースに期待しています」
<鈴木亜久里/チーム代表>
予選は少しダウンフォースを付けすぎたが、明日はいい戦いができると思う
「15番手は想定していたよりも後方のグリッド。最初のプラクティスからクルマはとても調子が良く、エンジンがリミッターに当たっていても良いタイムを記録していた。予選ではギヤを換えたので、さらに良いタイムが出ると思っていた。予選ではコース1周を全開で走ることができたが、少しダウンフォースをつけ過ぎたのかもしれない。リミッターに当たらなくなったので、その分タイムが縮められても不思議はなかったが、そのとおりにならなかった。インディカー・シリーズの予選は、本当に小さな差でグリッドが大きく変わってしまう。マシンは仕上がっているので、明日はいい戦いを見せることができると思う」
<サイモン・ホジソン/チームマネージャー>
今年のマシンは挙動がつかみやすく、ショートオーバルでも戦闘力を発揮できる
「今日の成果に大変満足している。フェニックスはコウスケが好きなコースであり、2月の合同テストでもまずまず良かったが、我々はテスト時以上に良いマシンを持ち込んでいる。コウスケは燃料を多めに積んだ状態でプラクティスを走り、レースを想定したマシンでのハンドリングの確認作業を行った。予選は少しばかりドラッグが大き過ぎたようだが、マシンは安定感があり、コウスケが自信を持ってレースを戦えるものとなっている。我々は、コウスケが思う存分戦えるよう、レースで高い戦闘力を発揮できるマシンを用意することに集中している。去年の彼はショートオーバルで思うような成績を残すことができなかったが、それは、マシンが非常にセンシティブで、常に限界が近かったからだ。今年のクルマは動きを感じ取りやすくなっている。ルーズになる直前に彼がその情報を得られるマシンになっているのだ。明日のレースでコウスケは、素晴らしい走りを見せてくれるだろう。マシンはそう確信できるまでに仕上がった」