INDY CAR

2005年開幕戦でダン・ウェルドンが優勝 トニー・カナーンも3位でフィニッシュ

<Honda>
3月6日(日) ・決勝
サーキット:ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ 天候:晴れ 気温:23℃
2005年のIRL IndyCarシリーズの開幕戦「インディ300」がフロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催され、Honda Indy V-8を使うダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が200周=300マイルに渡った激戦を制した。終盤のウェルドンはライバル勢を突き放すスピードを誇り、2位に3秒6936という大差をつけて今シーズン最初のチェッカードフラッグを受けた。3、4位でゴールしたのもHonda Indy V-8搭載のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)とヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)で、マニュファクチャラーズ・タイトル防衛を目標とするHondaは幸先良いスタートダッシュを切った。午後2時20分、フロリダらしい好天の下、やや風の強いコンディションで今シーズン最初のレースにグリーンフラッグは振り下ろされた。22台のインディカーは集団を形成したまま周回を重ねた。200周のレースが終盤を迎えた残り50周を切り、いよいよ最後の戦いが始まった時、リスタート直後のターン1で多重クラッシュが発生。8台がリタイアすることとなった。参戦2年目を迎える松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/パノス)は、6位から5位へとさらにポジションアップをしようとしていたが、ここでクラッシュ。予選15位から序盤にして3位まで浮上し、その後もトップグループで走り続けていたが開幕戦は12位でのリタイアとなった。
1年ぶりのフルシーズン・エントリーを行なうロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/ダラーラ)も、このアクシデントに巻き込まれた。予選10位からトップグループで戦っていた彼は、アクシデント直前にピットロードから飛び出したためにポジションを落としたが、再びトップグループへと巻き返せるだけの走りを見せていた。しかし、安川の目の前でアクシデントが発生、行き場を失ってコンクリートウォールにヒット。結果は17位となった。
結局、ゴールまで走り切ったマシンは出場22台中の10台だけと、開幕戦は波乱のレースとなった。Honda Indy V-8勢も完走となったのは3台だけだった。しかし、その3台全てがトップ5フィニッシュを果たした。
■ダン・ウェルドン(優勝)
「厳しいレースだったが、素晴らしい結果を手にすることができた。チームのハードワークが実った。開幕戦を戦ってみて、今シーズンも本当に激しいバトルが続くことになるとわかった。凄い戦いだっただろう? 優勝できて本当に嬉しい。17戦のシーズンを最高の形でスタートできた」

■トニー・カナーン(3位)
「最後の2位争いで、サム・ホーニッシュJr.は僕を追い詰めていた。あの状況ではこちらは動きが取れない。しかし、それもレースだ。彼のマシンの方が僅かだが速かった。相手がちょっと躊躇した隙をついて一端はパスできたが、抜き返された。僕らはもっと速いマシンとすべく、セッティングを良くしなければならない」

■ヴィットール・メイラ(4位)
「ワイルドなレース、そして終盤はワイルドな2位争いになった。最終ラップのバトルでは、2位まで上がれると思ったが、数インチの差で4位となった。インディカーならではのバトル、そしてゴールになった。終盤の多重アクシデントは、僕の目の前で起こった。しかし、なんとか切り抜けることができた。今日はトップ5に入れるだけのマシンに仕上げられなかったが、そうした状況下としては最高の結果を手にすることができたと思う」

■松浦孝亮(12位)
「ダウンフォースを多めにつけたマシンは、ドラフティングの中でとても安定していました。終盤の本当のバトルになる時を待って走っていました。トップに出て優勝できる、というレベルではなかったかもしれないですが、トップ3までは行けると考えていました。チームも頑張ってくれ、ピットストップも本当に良かった。アクシデントでリタイアとなったのは残念ですが、あそこは勝負どころだったので、仕方がないと思います。結果は残念なものになりましたが、シーズンのスタートとしては、とても良い感触を掴めたレースでした」

■ロジャー安川(17位)
「昨日の最終プラクティスで試したセッティングから、また金曜日のセッティングに戻して、ダウンフォースをすこし強めにしてレースに臨みました。ハンドリングはとても良く、燃費もいい数字を出せていながら、トップグループについて行くことができていました。トップ5を狙えるマシンとして走り続けたことで、自分たちの存在感をライバル勢に見せることができました。最後は目の前でアクシデントが起こり、避けることができずにクラッシュに巻き込まれてしまいましたが、これからのシーズンを戦って行くためのモチベーションを自分も、チームも高めることのできたレースになりました」

■和田康裕:HPD社長
「開幕戦で勝つことができ、ホッとしています。ダン・ウェルドンは本当に強いドライバーになりましたね。最後は単独で2位以下を大きく突き放しながら、非常に燃費も良いものでした。ライバル勢とのパワーや燃費の比較は、今年初めてのレースをしたことで、完全にとまでは行きませんが、明らかになりました。今回は終盤に多重アクシデントがあり、その中に我々のチームのマシンが5台も含まれてしまったのが痛かったですね。その他にも、2台のマシンにエンジントラブルが発生しました。第2戦以降、そしてIndy500に向け、トラブルは解消し、さらに性能を上げるべく開発を続けて行きます」