<Honda>
■開催日:3月5日(土)
■開催地:フロリダ州ホームステッド
■サーキット:ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ・オーバルコース(全長1.5マイル)
■天候:快晴
■気温:25度
待望のIRL IndyCarシリーズが、フロリダ州マイアミ郊外のホームステッド-マイアミ・スピードウェイで開幕を迎えた。金曜日の悪天候とは一点、予選日は朝から雲ひとつない快晴の空が広がった。
出場22台の中からHonda Indy V-8を搭載するパノスを駆るヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング)が24秒9443、平均時速214.317マイルを記録し、予選2位を獲得。明日のレースをフロントロー外側からスタートすることとなった。
Honda Indy V-8勢は、昨年度Indy500ウィナーのバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)が4位、ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が5位、スコット・シャープ(フェルナンデス・レーシング/パノス)が6位のタイムをマークし、女性ルーキー・ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)が9位、ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/ダラーラ)も10位と、トップ10に6人が食い込んだ。ポールポジションはシボレー・ダラーラのトーマス・シェクターが24秒8515、平均時速215.115マイルで獲得した。
午前11時45分にスタートした予選は、くじ引きによって決められた順番に従って、ひとりひとりのドライバーが2周ずつのアタックを行なうシングル・カー方式で行なわれた。気温が摂氏25度、路面温度が摂氏37.2度まで上昇したため、シャシー・セッティングをどれだけコンディションにマッチしていたものに調整できるかが勝負となった。出場台数は22台。予選では、そのうちの16人がポールからコンマ5秒以内に収まる接戦となった。
今年のHonda Indy V-8勢には、ふたりの日本人ドライバーが含まれる。1年ぶりのフルシーズン・エントリーをドレイヤー&レインボールド・レーシングから行なうロジャー安川は、新たにコンビを組むチームでの初めての予選で10位に入った。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングから参戦2年目を迎える昨年度ボンバーディア・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの松浦孝亮は、予選15位と狙っていたポジションよりも後方のグリッドと決まったが、レース用セッティングの仕上がり具合については満足しており、どちらのドライバーもシーズン緒戦で上位フィニッシュを目指すことのできるパフォーマンスを見せている。
明日、3月6日(日)午後2時15分(日本時間7日午前4時15分)にスタートする決勝は、200周=300マイルで争われる。予選で明らかになった通り、全チーム、ドライバーの実力は拮抗しており、見応えのある激しい戦いが繰り広げられることとなりそうだ。
●ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング) 予選2位(24秒9443)
Hondaをフロントローにつけることができ、とても嬉しい。自分の走る前に出されていたラップ・タイムは非常に速いもので、それに対抗できるという自信を持っていたわけではなかった。しかし、走る前から諦めることはしなかった。自分自身、チーム、マシンを信じて走った。タイムを気にするのではなく、最高の走りを実現することだけに集中した。マシンの仕上がりは、予選だけでなく、レースに向けても非常に良いものになっている。オフ・シーズンの間もチームが頑張って来てくれたおかげだ。Hondaエンジンのパワーもアップしており、明日のレースが楽しみだ。
●バディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング) 予選4位(24秒9806)
朝のプラクティスで出していたタイムとほぼ同じものを予選アタックでも出すことができた。自分たちの設定した目標である24秒台に入ることはできたので、予選の成績にはとても満足している。予選で今週の自己ベストを出せたことが、ここまでの僕らがとても順調に来ていることを証明している。僕らはレース用のセッティングも良いものにできている。予選でトップになれたら嬉しいが、それよりも大切なのはレースで良い成績を得ること。我々はレースでの勝利を目指している。
●ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 予選5位(24秒9931)
大局的に見て、5番手グリッドからのスタートは、レースを戦う上で一切マイナス要素とはならない。僕らの予選アタック自体も決して悪くはなかった。もちろん、予選でポールポジションか、それに近いグリッドを獲得できれば最高だけれど、一番大事なのは明日の成績だ。レースで僕らのクルマが最高の力を発揮できるよう、できる限りのことをやる。アンドレッティ・グリーン・レーシングには4台のマシンがある。全員が力を合わせることでベストのレース用セッティングが発見できるはずだ。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 予選10位(25秒1177)
新しく加わったチームでの初めての予選としては上出来ですね。正直言って15位以内に入ることができれば、自分たちが持っている力を発揮し切ったと評価できると考えていました。10位は満足の行く結果と言っていいと思います。朝のプラクティスで初めて予選のシミュレーションをした時には、ハンドリングがかなりのオーバーステアでした。しかし、それは多くの周回をすでにしていたタイヤだったことも影響してのことでした。予選は新品タイヤをつけて走り、ハンドリングはとても良いものになっていました。自分たちは決勝用セッティングにより力を入れて来たので、そちらも高いレベルのものにできていると思います。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 予選15位(25秒2313)
今週はレース用のセットアップばかりやっていたので、予選はこれぐらいの順位になるだろうと考えていました。予選アタック中のハンドリングは決して悪くはなかったんですが、どこかでドラッグ(抵抗)が発生しているのか、スピードが伸びませんでしたね。もうちょっと上のグリッドに行きたかったのは確かですけど、レースになったら20周でポジションはガラッと変わってしまいます。ショート・オーバルだったらグリッドは重要ですが、1.5マイルのホームステッドでは、これぐらいのポジションでも全然問題はありません。
●和田康裕:HPD 社長
Honda Indy V-8勢からはレイホール・レターマン・レーシングの2台が2位と4位を獲得しました。アンドレッティ・グリーン・レーシングは予選用セッティングをあまりやっていなかったので、レースで力を発揮してくれることを期待しています。明日のレースに向け、エンジンは非常に良いものにできていると考えています。我々は総合力を去年より高いレベルに持って来ることもできています。今日から気温が高くなっていて、明日のレースも今日と同じようなコンディションになりそうですから、この暑さの中で自分たち、そしてライバル勢のエンジンがどのようなパフォーマンスを発揮するのか、燃費や耐久性はどうなのか、それらのことは明日のレースでハッキリすると思います。Honda Indy V-8は、昨シーズンから今年にかけて、パワーも上がっていますし、より広い回転域を使ってのドライビングのし易さも実現しています。トラクション・コントロール、イエロー・コーション中のプログラムなど、その他にも多くの面で性能を向上させていますので、レースでは安定した力を出してくれるものと期待しています。