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松浦孝亮、初めての夜間走行で4番手に食い込む!


シリーズ第5戦は今年初のナイトレースである「ボンバーディア500」だ。開催されるテキサス・モータースピードウェイは、開幕戦のホームステッド・マイアミ・スピードウェイ、第3戦の舞台となったツインリンクもてぎと同じ全長1.5マイルのオーバルだが、24度というシリーズ中最大のバンクを誇っている。テキサスのレースは、ハイバンクを利用して繰り広げられるスリリングなサイド・バイ・サイドでのバトルで人気が高く、98年からは6月と10月の年に2戦が開催されている。
松浦孝亮、初めての夜間走行で4番手に食い込む!
▽2004年6月12日
■日時:6月10日(予選)
■開催地:テキサス州フォートワース
■サーキット:テキサス・モータースピードウェイ
■天候/気温:曇り時々晴れ/28〜31℃
シリーズ第5戦は今年初のナイトレースである「ボンバーディア500」だ。開催されるテキサス・モータースピードウェイは、開幕戦のホームステッド・マイアミ・スピードウェイ、第3戦の舞台となったツインリンクもてぎと同じ全長1.5マイルのオーバルだが、24度というシリーズ中最大のバンクを誇っている。テキサスのレースは、ハイバンクを利用して繰り広げられるスリリングなサイド・バイ・サイドでのバトルで人気が高く、98年からは6月と10月の年に2戦が開催されている。
ナイトレースは予選も夜間に行われる。通常のレースウイークエンドでは予選は土曜日、決勝は日曜日だが、ナイトレースでは土曜日が決勝となる。テキサスの場合、金曜の夜はサポートレースを行うため、インディカーの予選は走行初日の木曜日に行なわれた。
パナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaに乗る松浦孝亮にとって、テキサス・モータースピードウェイを走るのは今回が初めて。インディカーでの夜間走行も、もちろん初めてのことである。走行初日に予選が行われることは経験のない松浦にとってマイナス要素で、ドラッグの多いパノスGフォースシャシーはダラーラに比べて不利という予想もあって、実際に松浦がプラクティス1回目、2回目でマークしたのは11番手のタイムだった。
予選は午後8時45分にスタート。すでにあたりは完全に暗くなっており、コースはナイター照明によって照らし出されていた。2回目のプラクティスが終わった後には風も幾分強くなり、気温こそ大きく下がることはなかったが、体感温度は確実に低下しているという状況での予選となった。
ポールポジションはダリオ・フランキッティ(ダラーラ・Honda)が24秒9894=平均時速209.609mph(337.332km/h)で獲得。松浦は最後のアタッカーとして9時26分にコースインした。3周のウォームアップラン後の計測1周目に25秒176を記録し、カーナンバー55を電光掲示板の上から4番目に点灯させた。続く2周目にはフロントロウ、そして大逆転でのポールポジション獲得も期待されたが、松浦のタイムは1周目より良かったものの25秒1392=平均時速208.360mph(335.251km/h)となり、4位のポジションは変わらなかった。
インディ500に続いてHonda勢は予選上位を独占、トップ5をHondaユーザーが占めている。その中で松浦は予選4位に食い込み、第3戦もてぎで記録した予選自己ベストに並ぶ結果を手に入れた。第3戦から3戦連続での予選トップ10入りを果たしたことで、松浦は平均予選順位を9位まで上げてきている。
●松浦孝亮
「2列目からのスタートは本当に嬉しい。コーナーでの走り方を研究した結果だと思 います」
「夜の走行は今回が初めてだったので、ウォームアップ中の2周は違和感を覚えましたね。アタックを終えた時に電光掲示板を見たら、自分の車番が見当たらないんですよ。まさかと思って上を見たら4番手じゃないですか。それを見たときは嬉しかったですね。プラクティスではクルマの調子が良くなかったので、4位に入れるとは予想してなかったんです。Hondaエンジンがすごく良かったということだと思います。プラクティス中のタイムはドラフティングの影響があるので、タイムの良し悪しがそのままマシンの仕上がり具合と比例してなかったんだと思います。それに、アタック順が最後だったので他のドライバーたちの走りを観察して、どうやったらタイムが出せるのか、どんな走り出し方がベストなのか、アタックに入る前の周はどういう走り方がいいのかなどを自分なりに研究していました。それを活かすことができたので、タイムを稼げたんじゃないかなと思っています。エイドリアン(・フェルナンデス)が先に走っていたので情報をもらうこともできました。そのフィードバックはすごく良かったんですが、その時点で自分のマシンは車検を終えていたので、何も変更をすることはできませんでしたね。その中で何ができるかを自分たちで考え、作戦を練りました。ポイントはコーナーでした。コーナーで白線まで40、50cm空けるのと、10、20cmまで詰めるのとでは大きく違うのに気づいたんです。白線に触れてまずいかな?と感じるぐらいまでいくと、クルマが自然に向きを変え出して、ハンドルを切らずに曲がれるようになったんです。1周目から速かったでしょ?みんなはタイヤのおいしいところを使いたいので2周目に良いタイムを出そうと考えていたんだと思いますが、自分はとにかくコースに出たら全開で行った方が速いと考えてました。4番手、2列目からスタートできるというのは、本当に嬉しいです」

●鈴木亜久里 チーム代表
「孝亮は誰にも負けないほど攻めている。決勝はレースの組み立てが重要になるだろう」
「プラクティス1回目に比べたら予選はずいぶんと良かった。エイドリアン(・フェルナンデス)よりもダウンフォースを少し減らしたのが良かったのだろう。基本的には同じセットだがスプリングの硬さを少し変えて臨んだのだ。他チームがプラクティスに比べてタイム落ちが大きかったのに対して、うちはエイドリアンも孝亮も昼間と変わらないタイムを出すことができた。このコースでは、予選の段階でダウンフォースを限界まで削っているので、これ以上に減らすことはできない。それに、ここは全開で走るコースなので、タイムを出すのにエンジニア任せのところがある。孝亮とエンジニアのコミュニケーションでクルマをどのように作っていくかがポイントのひとつになるだろう。2列目のグリッドなら視界の良いところからスタートができる。レースの流れの作り方が変わってくるのでこの違いは大きい。孝亮の走りはトップドライバーたちにまったく負けていないし、しっかり攻めている。あとはピット作業やレース全体の組み立てが重要となってくるはずだ。また、テキサスはどのポジションにクルマを置くかというタイミングの取り方が難しい。だが、孝亮はレースそのものの経験は長いし、カンがいいのでその点においては心配していない。全開で走るオーバルの経験は開幕戦のマイアミだけなので、今回は新たな経験を積むことになる。まだ、前半の4戦しか終わっていないので、経験値を増やしてシーズン途中から後半にかけて、勝負すべき時にいけるようになればいい」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「我々が想定していたタイムをコウスケは出してくれた。決勝に向け、タービュランス内でのハンドリングを良くしたい」
「走ったことがないコースであることを考えれば、予選4位はとても素晴らしい結果だ。Hondaはまたしても予選で上位を独占した。我々は非常に戦闘力の高いエンジンを手にしているのだ。彼らの努力に感謝をしたい。また、コウスケの才能も高く評価されるべきだ。彼は今後のレースでさらに才能を発揮し、目指す結果を実現してくれるだろう。2回あったプラクティスではともに11番手のタイムを出すにとどまったが、他のチームがどれだけの燃料を積んでいたかはわからない。我々は他のチームに比べて搭載量が多かったのではないかと考えている。予選に向けて車高を調整し、空力のバランスを取ればどれだけのタイムを出せるかは予想がついていた。そして、その通りのタイムをコウスケは出してくれた。今年に入ってからタイヤテストでテキサスを走ったチームもあったが、我々はそのテストに招かれていない。Honda以外のエンジンメーカーの中にはここで事前テストを行ったところもあった。テストを行ったチームはその時のデータが助けになったはずだ。それに対して我々はテキサスでのテストを一度もせずに今週末を迎えたが、エンジニアリングスタッフの仕事ぶりも良かったために予選4位という結果をつかむことができた。明日のプラクティスでは、できる限りトラフィックを探しながら走り、タービュランス内でのマシンのハンドリングを良くするつもりだ。テキサスにおける超高速での接近戦は、コウスケが今まで経験してきたどのレースとも異なるので多くのことを学ぶはずだ。とはいえ、コウスケはこれまでのレースで多くのことをマスターしてきたので、良い結果が出せるものと期待している」
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