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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第3戦 ミルウォーキー【決勝】フォト&レポート

<US-RACING>
Photo & Report by Hiroyuki Saito

 レースも残りラスト2周となったとき、ラビンがターン4でクラッシュ。イエロー・コーションとなり、トップを走行していたハンター‐レイがイエロー・コーションのままチェッカー・フラッグを受け、見事ポール・トゥ・ウインを飾った。オーバルでは珍しく全ラップをトップで走行し続け、チャンプ・カーでは1レースにおける最多リードラップを記録し完璧なレースを展開。参戦2年目のヤング・アメリカンが並みいるベテラン・ドライバーを退け、レースを支配した。インディ500でもバディ・ライスが優勝を飾ったが、今年のアメリカン・ドライバーのオーバルにおける活躍は、目覚しいものがある。

 昨年に引き続き、連続表彰台を獲得したカーパンティエ。トップのハンター‐レイには追いつくことができなかったが、堂々の2位フィニッシュ。今シーズン初の表彰台でもありランキングでは、トップのジュンケイラと1ポイント差となる2番手にポジションアップした。3位となったのは、昨年のミルウォーキーウイナー、ジョルダインJr.。初優勝を挙げたコースで再び表彰台に上がることになった。今シーズンからチャンプ・カーにステップ・アップしたルー・スポーツにとっては僅か3戦目にしての初表彰台となった。

 3番手を走行していたトレイシーは、2回目のイエロー・コーションあけのリスタート後、ターン2に差し掛かるときに、前を走るカーパンティエを外側から追い越そうと試みたが、タイヤのカスに乗ってしまうとそのまま外側のウォールに接触。無念のリタイアとなった。このリタイアでトレイシーはランキング6番手まで後退。一方、10番手からスタートしたジュンケイラは周回遅れになりながらも、確実に走りきり6位でフィニッシュ。ランキング・トップへと浮上した。2人のポイント差が23ポイント開くことになった。

 ランキング・トップのボウデイは2番手からスタートするも出遅れてしまう。2周目から5、6番手をキープして周回を重ねていくも、50周目にターン4で外側のウォールに接触。その際にフロントサスペンションに大きなダメージを負い、マシン下部を引きずりながらピットへと戻った。修復が不可能と判断され、ボウデイはやむなくリタイア。ランキングで一気に4番手まで後退してしまった。

 オーバルで初のレースを行うことになったウイルソン。初めての経験するスタート時のタービュランスでコントロールを失い、ターン1でスピン。フロントウイングにダメージを負ってしまった。ピットに戻りウイングの交換を行うが、1マイル・オーバルだけにコースに戻るころには周回遅れとなってしまう。この程度のダメージで済んだのは、不幸中の幸いかもしれない。5位でフィニッシュし、ルーキー勢のトップとなったのはオールメンディンガー。やはり元アトランティック・チャンピオンという肩書きは伊達ではなく、新チームながらもベテラン・ドライバー勢を抑えてトップ5に入賞した。

 ミルウォーキーでは、この数年何度か雨でプラクティスやクオリファイが中止になったり、レースが順延したことがあった。しかし今年は珍しく3日間を通して快晴となり天候に恵まれた。また、昨年は気温7度と厚手のジャケットが必要なくらい決勝日当日は寒くなったが、今年は気温16度とトレーナー一枚で十分過ごせるほどだった。観客も3日間の観客動員数が昨年34