Kazuki Saito

今年はアトランティックがおもしろい

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長年アトランティック・シリーズにエンジンを供給してきたトヨタに換わって、今年から3年契約でマツダが参入することになりました。ヨコハマ・タイヤは継続し、これで正式なシリーズ名が“ヨコハマ・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・アトランティック・チャンピオンシップ・パワード・バイ・マツダ”(!)となります。シャシーはヒロ松下がオーナーのスイフトと、マシンのほとんどが日系なんですけど、肝心の日本人ドライバーがいない・・・・・・。

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(Photo by Champ Car)    ジミー・バッサーのドライブで新車登場
チャンプ・カーはバレンタインの午後7時30分、ロサンゼルスのピーターセン・ミュージアムで今年のアトランティック・シリーズの概要を発表しました。会場に集まったのはなんと600人と大盛況。すでに26人のドライバーが決まっており、その中にはグラハム・レイホールもいて、現在はIRLのチームオーナーである父親のボビーも来ていました。ポール・ニューマンの新チームや、フォーサイスが4台も投入するなど話題も多く、今年のアトランティックは相当面白くなりそうです。

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(Photo by Champ Car)
マツダはアメリカでロータリー・エンジンを使った“スター・マツダ”というフォーミュラ・シリーズを運営していたり、ミアータ(ロードスター)のワンメイクを主催しています。かつてチャンプ・カーの舞台だった西海岸屈指のロード・コース、ラグナ・セカのタイトル・スポンサーにもなるなど、アメリカでモータースポーツに積極的です。使用されるエンジンは広島とメキシコで作られている市販ベースのMZRで2.3リッター、コスワースがモデファイすることによって300馬力を発生します。
メイド・インUSAの新しいスイフト・シャシーもかなり洗練され、マシンは3月8日に各チームへ同時にデリバリー。4月9日のロング・ビーチにむけて、ここから急ピッチでマシンを仕上げなければなりません。4台体制のフォーサイスはかなり大変でしょうね。チャンプ・カーのチャンピオンはこのアトランティック出身が多く、トレイシー、バッサー、レイホール、サリバン、アンドレッティ、ビルヌーブといった懐かしい名前も並びます。オールメンディンガーは2003年のアトランティック・チャンプで、タグリアーニやレンジャーらもこのシリーズの出身です。
そうそう、今回は昨年アトランティックを走っていたキャサリン・レッグが、チャンプ・カーへのステップ・アップも同時に発表されました。彼女の経歴や人柄に関しては、もうすでに中嶋さんが書いているので詳しいことは省きますが、アグレッシブな走りとは反対にすごく性格が良く、ぜひ応援したいですね。今回の発表会の模様は、http://www.champcaratlantic.com/FrontPage.asp で映像が配信されてますので、ぜひご覧ください。冒頭のチャンプ・カーのプロモーション映像は、今年のバージョンでなかなかいいできですよ。
次世代ドライバーの育成に力を注ぐチャンプ・カーは、このアトランティックのチャンピオンに2ミリオンのボーナスを用意しています。33年目のシーズンを迎える伝統のシリーズに、ぜひ日本のドライバーも参戦していただき、来年はチャンプ・カーにステップ・アップして小樽を走ってもらいたいですね。

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(All photos by Champ Car)
チャンプ・カーのメディア・サイトにあった写真を紹介しましょう。この3つは発表会に向かう前、スイフトで撮られたものですが、スタッフの記念撮影の下には、オーナーのヒロ松下さんが写ってます。ファクトリーの裏で試乗したようで、久しぶりのアトランティック、しかも自分の会社で作った新車ですからね。喜びもひとしおってやつでしょうか。松下さんもかつてはアトランティックを2年走って、1989年のウエスタン地区のチャンピオンだったのです。