Hiroyuki Saito

The Beer Storeで購入したANBLとGSPL

前回、ご紹介した“The Beer Store”で購入した地ビールのひとつ、“Toronto Amsterdam Brewing”(実際の社名は“The Amsterdam Brewing Company”でした)についてね、早速、その名前の由来と味についてお伝えしたいと思います。
 
まあ、察した方も多かったとは思いますが、単純に創業者のRoel Bramer氏がオランダ人でね、その出身地がアムステルダムだったんです。もともとは1985年にレストランからスタートしようとしたのですが、なにやらレストランでも地ビールを製造して販売して良いよっていう許可がオンタリオ州から出たんですね。
 
それじゃあ、トロントで最初の地ビールをつくっぺと、盛り上がったのかどうかはしりませんが、ともあれ、1986年の9月には“The Amsterdam Brasserie and Brew pub”を開業。アムステルダムという名の居酒屋&ビールパブですね。
 
その後、店が繁盛したようで1988年には、このときで世界最大のビールパブとなる2店舗目をオープン。その名もオランダ第二の都市名となる“The Rotterdam”。こういうシンプルなネーミングのつけ方、いいですね。アムステルダムの次はロッテルダムに決まってるだろ? というひねりのない発想が好きです。
 
ともあれ、法律の問題で紆余曲折したようで、結局この“The Rotterdam”は地ビールの醸造所に利用してもらって、新しいベンチャーを始めるためにね、“The Amsterdam Brasserie and Brew pub”は1993年に売ることになったのです。
 
心機一転、翌年の春には“The Amsterdam Brewing Company”という名で新たに地ビール醸造所をスタートし、今に至るようです。そんな社歴など購入当時は露知らず、同社のフラッグシップとなるラガービール“Amsterdam Natural Blonde Lager(ANBL)”を買っていましたよ(他にも種類はあったのですが、なんとなくこれって感じで選びました)。
 

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前置きが長くなりましが、味についてはね、なんというかライトな口あたりのあと、ふんわりとした苦味が広がり、喉越しもよく、あと味もすっきりとしたとても飲みやすいビールです。なんか毎回似たようなこと書いているような気がしないでもないですが(ビールの味を表現する僕のボキャブラリーに限界を感じつつあります)。
 
まあ、フラッグシップというだけあって、飲みやすさの中にアムステルダムにしかない風味は確かにあったような気がします(フラッグシップだからそんな気がしたのかもしれない)。ごくごく飲むのも良し、味わって飲むのも良しといった感じのビールで僕は好きですね。
 
それともうひとつ。翌日に飲んだこちらの地ビールは、また一風変わった味のビールでした。その名はちょっと長めですが、“CREEMORE SPRINGS PREMIUM LAGER(GSPL)”です。
 

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クリーム色をベースにライトブルーのカラーリングがされたところが、ビールにしては珍しい色合いで、いったいどんな味なんだろう? と思わせたところが選んだ理由でした。それと、オンタリオ州の地ビールっていうのも決め手になっていますよ。
 
CREEMORE SPRINGS BREWERY LIMITED”という醸造所で製造されているこのビール、缶に表記されている説明には、「世界中でラガービールが製造されていますが、このビールは他に類を見ません」と謳っています。しかもね、「旅をしていて、一度でもこのようなビールを見つけたことがない」とまで言っています。
 
そこまで読んだら四の五の言わず、飲んでみねぇとなって、ごくっといきましたよ。するとビールなのにとてもまろやかな甘みがあって、そのあと思い出したかのように苦味があとをついてくるという感じの不思議な地ビールだったんですね。
 
この甘みはなんだ? と、改めて表記の続きを読んでみると、「スウィートなカラメルモルトと、魅力的なバランスの取れたフローラルホップが特徴」ってな感じのことが書いてありました。
 
なるほど、この甘みはカラメルモルトなるものが原料だからだなと妙に納得し、またぐびぐびと飲むわけですが、飲んでいくうちにね、甘いビールっつうのは、こう、なんかちょっと飽きてきちゃうなって正直思ったりもして。
 
確かにこれまで僕も飲んだことがないような味のビールでしたが、これはね、何本も飲み続けるよりは、そうですね、ビールなのに食後酒てきな感覚で飲むのがよろしいかなって思いましたよ。一缶(473ml)全部は多いけど。
 
もちろん、一度飲んでみる価値はありますので、もし、カナダを訪れる機会があって偶然にもリカー・ストアで発見することができればね、ここであったのもの何かの縁と、ぜひ、買ってみてもいいかとは思います。
 
ただ、真夏に屋外での仕事が終わってね、その汗をシャワーで流したあと、今日がんばった自分に「おつかれさん」なんて言ってから、ごくごくーと飲むビールにしては個人的にスウィートすぎるような気がするので、その辺は各自の好みで判断してくださいね。
 
それではまた、機会があれば各地の地ビール情報をお伝えしたいと思いますよ。