Hiroyuki Saito

カナダの日本食レストランにおける和食進化論 −エドモントン前編−

カナダのトロントにおける和食進化論を最後に約4ヵ月もの月日が経過し、気がつけば師走となっていた。シーズン中に取材先の各地で日本食レストランに何度か足を運んだものの、なかなか発表する機会をもてなかったが、オフシーズンになってやっと時間も確保できるようになったいま、再び海外での和食進化論について皆さんにお伝えしたいと思う。
 
再開の地はカナダのアルバータ州エドモントン。日本ではあまり馴染みのない都市名だと思うが、人口は約75万人と同州内でカルガリーに続き第2位の規模をもち(国内第5位)、州都としてはトロントに続き第2位の人口規模となるカナダでは比較的大都市ではある(ウィキペディア参照)。
 
このエドモントンの空の玄関となっているのがエドモントン国際空港。毎年、この空港の近くにあるホテルに滞在しているのだが、今年は空港から2〜3キロ南にあるルドゥークというこぢんまりとした街に、リーズナブルなホテルをオンラインで見つけ予約した。
 
デイズ・インと呼ばれるこのホテルは北米に点在し、太陽が輝くシンボルマークの看板が目印となっている。アメリカのフリーウエイを走行していれば、たまに見かけることができるはずだ。ロサンゼルスからデンバーを経由してエドモントンに着き、そのホテルに到着したのは午後11時ごろだった。
 
ホテルに入り、向かって右奥にある受付でチェックインをしたときに、この時間でも食事ができるレストランがこの辺にあるのか、アジア系の感じのいい受付の女性に聞いてみた。「ファスト・フードくらいしかないわね。このホテルにもレストランはあるけどもう閉まっているから」と受付の正面にある通路を指差して教えてくれた。
 
荷物を部屋に運んだあと、ファスト・フードへ行く前に一応そのレストランがどんな感じなのか確認したかったので、言われた通路を進むと正面奥に軽い朝食を食べることができるカフェのようなつくりをした部屋があり、その右側にそれらしきレストランはあった。
 
店内の照明はすべて消えていたが、入り口にはスタンド式の移動できる看板があり、それには“CAJAVI RESTAURANT”という店名と、その下に“VIETNAMESE JAPANESE CANADIAN”と表記されていた。まず、名前に関してなんと発音していいのか少し悩んだが、もっと重要なことは3ヵ国の表記がされていることだった。
 
たぶん、というよりは確実にそれぞれの国の料理がこのレストランで食べれるはず。こんなに国際色豊かな料理がひとつのレストランで味わうことができるなんて、アメリカはもちろん、ベトナム、日本、そしてこのカナダでもそう多くはないだろう。
 
アジア系の料理によるコンビネーション・レストランかもしれないが(それでもあまり見たことはない)、まさかカナダ料理(カナダ料理の定義がいまひとつわからない)まで用意しているとは、正直驚きを隠せなかった。
 
あるいはこのようなこぢんまりとした街だからこそ、ひとつのレストランで何ヵ国かの料理が楽しめるのかもしれないとも思いはしたが、真相を知るためにはオープンしている時に行ってみるしかないと考えをまとめた。
 
そしてとりあえずは今の空腹を満たすことが先決と、ここはカナダだが、アメリカ料理の代表となるハンバーガーをファスト・フードで購入するためにホテルをあとにした。
 
エドモントンに滞在する予定の3日間を有効に使えば、このレストランで3ヵ国の料理を日替わりで楽しむこともできる。飽きることはなさそうだが、まさかその国々の出身者が料理を担当して調理しているとは思えないので、味に関して期待するのはいささか厳しいかもしれない。
 
幸いなのかどうかはまだわからないが、予想外の3ヵ国同盟レストランが、宿泊するホテルにあった。まずは明日、この“CAJAVI RESTAURANT”で夕食を頂くことにし、三日三晩通うことにするのか、その判断を下したい。もし、通えそうにない場合、毎年一度は訪れていた日本食レストランに行けばいいだろうと、ファスト・フードのお店を探しながら思った。
 

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翌日、取材を終え、ホテルに戻ってシャワーを浴び、すっきりしてからいよいよ“CAJAVI RESTAURANT”へと向かった。店の入り口にあった看板はホテルの受付ロビーまで移動しており、国際色豊かなレストランはこちらですよと、誘っていた。期待と不安を抱えた私は、通路の右奥に見えるカラフルな“OPEN”のネオンサインを確認し、さらに奥へと歩いていった。
 
次回はその料理内容についてお伝えしたいと思う。