Hiroyuki Saito

ゴールドメダリスト

100周年記念となったインディ500が終わり、一息ついたかと思ったら、今週末のテキサスから3連戦です。まあ、すべてオーバルのレースですから2日間のイベントなのでね、移動もそれほど慌しくはないかと思ってはいるのですが、どうなることやら。
 
インディ500ではレースデー前夜に風邪をこじらせてレース取材史上、最悪のコンディションで決勝日の撮影を行ったのですが、その前日、詳しくはパレードの取材が終わってメディアセンターに戻るまではぜんぜん元気でした。
 
土曜日の午前中に行われたサイン会、そして公開ドライバーミーティングの取材をちゃっちゃとこなし、それじゃあ、パレードにいくかとひとりクルマに乗り込んでコースをあとにしました。この時点ではまだまだ元気ですよ。
 
ばたばたしていたこともあり、少し出遅れていました。パレードが行われているインディアナポリスのダウンタウンに到着後、さて、どこにクルマを駐車すっかなってうろうろとしていたのですが、やはり、路上にある駐車スペースはほとんど空いていません。
 
それでもなんとかパレードを行っている道路から2ブロックほど離れた場所の、奥まった路上にやっと空いていた路上駐車スペースを発見。クルマを停めてカメラを両肩からぶら下げ、いそいそと人垣の方へと向かったのでした。
 
パレードも盛り上がり始めた頃で、タイミングよく撮影もできました。終わるまで居ると道が混んでしまうなと思ったので、早めに帰るかと、なんとなく覚えていた道を戻る途中のことです。パレードが行われている道から1ブロック離れたところにある小さなバーで、今日はフェスティバル・パレードだからといって、昼間から外でビール片手に盛り上がっている若者たちがいました。
 
お店の前にテーブルと椅子のセットが2、3はあるのですが、もうね、みんな良い感じに酔っていてお構いなしに路上とかに座り込んじゃっています。そんなインディアナな人たちの前を、両肩から大きなカメラをぶら下げて通ったもんだから「写真撮ってくれ!!」ってなもんで騒ぎ出してね。
 

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まあ、楽しげだったので「はいはい」ってな感じでその集団を撮っていたら「俺も撮ってやる!」ってほろ酔いの男性がコンパクトカメラを持ってきてね。そして「それじゃ、お互い同時に撮るべ!」って彼が言い出して「ワンツースリーって日本語でなんていうんだ?」って聞いてきたので「イチ、ニ、サンだよ」って言うと、「オーケー、それじゃイチ、ニ、サンで撮るぞ!!」って。
 

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「イチ、ニ、サン! パシャ」ってなんでこんな流れになったのか良く分からないまま、お互いに写真撮りあいましたよ。そしたらその彼、さらにご機嫌がよくなったのか「ユーアー・ベスト・オブ・フォトグラファー!!」とか言ってきて、どこで手に入れたのか小さなプラスチックでできた、おもちゃの金メダルをくれてね。
 
しょうがないから首から下げようとしたら、頭に引っかかっちゃった。もうそのままでいいかって思いながら、これもなんかの縁だし、せっかく金メダルもらったから記念写真撮ろうってことになって、撮ってもらった写真がこちら↓
 

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「ありがとうー」といってその場を去ろうとすると、次に若者達はそのバーの前を通ろうとしたベビーカーを引いている若いカップルの赤ちゃんに「オー! ベイビー、ベイビー!」って呼びかけるし、もう訳がわからず騒いでいましたよ。
 
インディ500の週末っていうか、なんか祭りごとがあるときのアメリカ人はとても開放的というか、陽気というかフレンドリーというか。一体なんだったんだろうなって思いながら、まあ、女の子に囲まれて写真撮れたからいいかと。
 
スピードウェイに戻り、冷房の効きすぎたメディアセンターで仕事していたら(実はちょっとうたた寝もしました。それが原因か?)ホテルに帰る頃には体が急変、夕食のころには頭が痛くて寒気がしてね。ホテルに戻って寝込んだのですが、翌日までしっかり引きずってしまったわけです。
 
今後はね、アメリカ人のノリには乗っても、冷房の効きすぎたメディアセンターには気をつけようと思ったインディナアポリスでした。