Hiroyuki Saito

RACER Magazine presents…The First Annual LAT USA Barbecue

今年のインディ500取材は先週の金曜日から現地入り。雨に翻弄されたポールデイ、バンプデイの取材を無事終えてからちょこちょことイベント取材をしていたらいつの間にかインディアナポリス滞在6日目を迎えました。
実は5月の上旬から中旬にかけて日本に一時帰国していたので、インディに入ってからの2日間ほどは時差ぼけでなかなか寝付けませんでした。そんな夜はテレビでも見るしかねぇかと電源を入れると今年はインディアナポリス・モーター・スピードウェイの生誕100周年記念だからかESPN CLASSICというスポーツTVチャンネルで過去のインディ500のレースが年代別に放送されていました。
放送される年は順を追っているような感じでもなくランダムに放送されているようです。2000年のモントーヤが初参戦初優勝したときや(インディ500取材2年目。モントーヤも俺も若かった)2002年のエリオの2年連続2度目の優勝(結局2009年にも優勝したんだからさ、2002年はやはりポール・トレイシーの優勝でよかったんじゃないかと改めて思うレース)なんかを懐かしいなぁなんて観ているわけです。
くるくると一定の排気音を鳴らしながらオーバルを周回するマシンを観ているのですが不思議なもんでね、これが羊の数を数えるのよりも簡単にすっと眠りに入ることができてしまい(おかげで時差ぼけは解消)、レースが終わるまで起きていることができず(職種てきに良いのか悪いのかは分かりませんが)、フィニッシュやミルク飲みのシーンを逃している日が続いていますよ。
さて、そんなインディアナポリスでインディ取材を過ごしているとそれだけで十分アメリカンなのに、さらにどっぷりアメリカを感じる行事に参加してきましたよ。RACER Magazineというアメリカのレース雑誌が協賛、LAT USAというフォト・エージェンシーが主催したバーベキュー・パーティに行ってきたのでした。

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今回はそのエージェント会社と契約しているインディアナポリス在住カメラマン、W・クーン宅が会場となり、普段は現場で一緒に撮影しているカメラマンやジャーナリスト、ライターが続々と集まってきました。

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レースのスタート前に早めに撮影場所に行って葉巻を嗜むのを楽しみとしているカメラマンをP・アボットは、この日のためにわざわざバーベキュー・セットをトレーラーに積んで自家用車でカンザスから引っ張ってきたとのこと。今回のバーベキューにかける彼の意気込みには並々ならぬ思いが伝わります。

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そんなP・アボットが庭で調理したポーク・リブをキッチンに運び、手際よく切り分けているとなんともいえないこうばしい香りとバーベキューソースの匂いをかぎつけて次からつぎへとお腹を空かせた肉好きが集まってきてね、ポーク・リブを奪っていきます。もちろん僕も。

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早速食べてみると時間をかけてローストされたポーク・リブはとっても柔らかくてね。骨回りについたお肉も取れやすく、とてもおいしかったのです。バーベキューソースも好きな方だし、口の周りや手が汚れているのも気にせずにぱくつきましたよ。

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早く次が来ないかと待っていると焼きに専念することになったP・アボットの代わりに今度は家主のW・クーンが出来上がったばかりのポーク・リブを持ってきてね、キッチンで解体、供給を始めました。ちなみに上の写真でリブ待ちをしている白髪のめがねをかけたおじいさんがロングビーチで僕とランディ・ジョンソンがインディカーを撮影しているところのツーショットを撮影してくれた大ベテラン・カメラマン、D・ボイドです。

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2度目のポーク・リブを頂いたときを先輩カメラマンに撮影していただきました。写真を見て僕の右となりにいるのがS・スウォープという冗談が好きなインディアナポリス在住のこれまたベテラン・カメラマンです。D・ボイドもS・スウォープも60代(中頃)ですがまだまだ現役でね、バリバリとは言いませんが、がんばって撮影していますよ。
ホームパーティもぼちぼちと盛り上がりポーク・リブ以外にもね、いろいろとおつまみをつまみながらも今度は追加でチキンが焼かれ(これもおいしかった!)、次々と平らげているうちにおなかも胸も十分満たされました。

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今回の会場となったW・クーンの家はアメリカでも立派な感じの家でして、クルマが4台は入るガレージだけでも日本だったら家族4人で十分住めそうなスペースがあり、庭も飼っている犬3匹と子供たちが飛び跳ねながら1周も走っちゃうと疲れちゃうくらい広くてね。日本では場所が場所なら何億円もしそうな物件だけど、インディアナポリスだからとてもお手ごろなプライスなんだろうなと思いながらお宅拝見しましたよ。

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基本的にはあまりアメリカのホームパーティ的なものはね、個人的には人見知りするタイプでおしゃべりでもないし苦手なのですが、今回、お呼ばれして集まった人たちがほとんど顔見知りの人たちだったので珍しくとても楽しく和やかな時間を過ごせました。
今年、インディアナポリス・モータースピード・ウェイが生誕100周年を迎えましたが、実はこの僕のコラムもおかげさまで今回200回目の掲載となりましたよ(切りが良いということだけが共通点です)。
2006年の1月から調子がよくて話題があれば週一ペース、忙しくなると不定期になるという勝手気ままにいろいろとアメリカでの出来事や旅で経験したことをお伝えしてきました。そして200回目にしてやっとほぼリアルタイム、そうブログなみに(それでも昨日の出来事)庭でバーベキューをするホームパーティに行ってきましたというとてもアメリカ的なことをお伝えすることができました。
なかなか長続きしない性格なので良くこれだけ書いてきたなと自分でも感心し、感慨深くなりましたが今後もね、US RACINGが続く限りはアメリカを中心に各地での取材で気づく些細なことから大ごとまで僕なりに消化してね、このコラムで皆さんにお伝えしていきたいと思うインディアナポリスでの夜でした。
それではぼちぼち夜も深まってきたのでESPN CLASSICで過去のインディ500を観たいと思いますよ。今晩こそはフィニッシュ、そしてミルクのがぶ飲みシーンを見届けてから就寝したいと思ってはいますが、もう、眠いです……。