Hiroyuki Saito

IRL CHAMPIONSHIP CELEBRATION

カリフォルニアもサマータイムが終わり、午後5時を過ぎると太陽は西の地平線から姿を消してしまいます。日中は外出してもまだTシャツ一枚で過ごせますが、朝夕は結構冷え込むようになり秋も深まってきたなと実感してきた11月5日、ラス・ベガスで行われたインディカー年間表彰式に行ってきました。

ロサンゼルスからだと車で約4時間。片道約250マイルを給油休憩のみでドライブして到着したのは今日の宿となるルクソール。ラス・ベガスに来たことのある方なら分かると思いますが、あのピラミッドの形をしたホテルです。まぁ、せっかくだからこれまで泊まったところのない変わったホテルにしようと予約したわけです。

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意外と時間的にぎりぎりだったので早速スーツに着替え、表彰式の会場となるパームス・ホテルに向かいました。ラス・ベガスの中心地からちょっと離れているこのホテルですが、アンドレッティ・グリーン・レーシングのスポンサーもしている関係から、なんとマイケル・アンドレッティと昨年のチャンピオン、ダリオ・フランキッティの顔が描かれているコインがありました。

フランキッティに関してはさすがにもう使われていないようですが、マイケルのコインはまだまだ現役のようでカジノでは5ドルコインとして扱われていましたよ。そう簡単には使えませんな。まぁ、そんなことはさておき、会場に時間通りに到着すると多くのゲストが入り口に集まっていました。

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開場するとまずはドリンク・タイムです。表彰式が行われる部屋の外にバーが設置され、そこでチームオーナー、ドライバーはもちろん、クルーや関係者の軽快なトークが始まり、徐々にテンションを高めていました。

やっとステージがある部屋に入場となり、決められたシートに続々と関係者が移動を始めました。僕もIRLのオフィシャルカメラマンと共にステージの近くに場所を陣取り、式が始まるのを待ちました。インディカーの年間授賞式に取材に来るのは今回で2回目ですが、なんかいつもと感じが違うのでちょっと落ち着かない自分がいるのが分かります。

今年はラス・ベガスということもあり、授賞式の前にマジック・ショーが行われました。アメリカでは有名なマジシャンなんでしょう、“Penn & Teller”というコンビがマジックを披露します。これは撮影をしてはいけないと念を押されていたため、心置きなく観賞しましたよ。マジックの内容といえば、トークを中心に場を和ませ、マジックの種明かしをしたり、ゲストが宙に浮くような凄いマジックも披露する驚きと笑いが絶えないマジックでとても楽しめましたね。

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いよいよ式がスタートし、今シーズン活躍したドライバーが一人ひとり紹介されていきました。今回、A1GPの中国ラウンドに参加するためマルコ・アンドレッティが欠席していましたが、それ以外ではほぼ全戦出場していたマーティン・ロスが来ていませんでしたね。

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いろいろ複雑な事情があったのだろうと思いつつも紹介が終わると、いきなりルーキー・オブ・ザ・イヤーの受賞が始まりました。そう、武藤英紀選手の授賞式ですよ。最終戦までこの賞を競い合ったジャスティン・ウイルソンに見送られ、華やかなステージに立った武藤選手。にこやかな笑顔でトロフィを受け取ると、ちょっと顔が強張った感じに変わりました。スピーチをしなければならないのです。開場前にあった武藤選手が「スピーチ緊張するなぁ。内容手書きで紙に書いてきましたよ」って言っていましたからね。

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緊張のスピーチでしたが武藤選手、無事話しきることができ、言いたかったことが着ていた人々に伝わったのではないでしょうか? 最後にまたトロフィを持ち上げたときはの笑顔は晴れやかなものでした。

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その後、インディ・ライツも含めさまざまな受賞が行われていきます。なにも受賞されるのはドライバーだけとは限りません。今シーズン、すべてのマシンにエンジンを供給したホンダに対し、IRLからマニュファクチャラー・レコグニション・アワード(功労賞)のトロフィが贈呈され、今シーズンからHPD社長に就任したエリック・バークマン氏がトロフィを受け取りました。

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ダニカ・パトリックに続けと今年インディ・ライツに参戦していたもう一人の華、ブラジル人のアナ・ビートリズです。ナッシュビルで優勝し、ランキング3位と大活躍だったアナちゃん。授賞式のときはとても素敵なドレスを着ていたのですが、ちょっと慣れないせいか、ステージに上がる階段でドレスの裾を踏んで転びそうになっていたのはご愛嬌でした。

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また、武藤選手、ファイアストン・インディカー・シリーズ・ライジング・スターも受賞しました。今シーズンの結果から来年は更に活躍することが期待されるドライバーに与えられる賞ですね。ルーキー・オブ・ザ・イヤーだけだと思っていた本人もこれにはビックリしていました。来年は僕らがビックリするくらいの活躍に期待です。

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惜しくもチャンピオンを逃し、ランキング2位のトロフィを受賞した何かと話題の多いエリオ・カストロネベス。なんか体調が良くなかったようで声がガラガラの凄いハスキーボイスでスピーチができず、チームメイトのブリスコーに助けを求め、「僕のしゃべったことを通訳してみんなに話してくれ」と頼んでいました。スピーチの内容とその光景は漫才コンビのようで楽しかったですね。声が出ないことを逆に利用してエンターテイメントするところはさすがエリオだなって思いました。

最後はやはり今年のチャンピオン、スコット・ディクソンです。チャンピオンはさすがに受賞数が多いですね。
・Herff Jones Championship Driver Award (ring valued at $5