Hiroyuki Saito

フランス旅情 −フレンチなランチ?−

レンタカーは後で日本から到着するスタッフが乗ってくるので、最初は移動する手段がありません。でも、運良くホテルの前にはレストランがありました。そのレストランで済ませてもよかったのですが、夕食をここにしたほうがいいだろうと思い、歩いていける範囲で他のレストランを探しました。時間もあったし、天気もよかったので散歩しながら時差ぼけ解消です。
ちょっと華やいだ方向へ向かうとすぐにレストランを発見しました。そこはフランスらしくオープンカフェ的な空間もあり、雰囲気もよさげなので早速入ってみました。
下手にボンジュールというとフランス語が分かるんだと思われるかもしれないので(そんなことないか)、英語で話しかけます。すると空港の近くということもあってか、英語が通じるウエイトレスがいたので一安心。その人の案内で外の席に向かいました。
メニューを見るとフランス語、ドイツ語、スペイン語、英語といったセクションに分かれて書かれています。内容はどうであれ、なんとも国際色豊かなメニューです。ここはやはりフランスに着いたんだらフランス料理だべ。なんて思って英語のメニュー項目を読んでいたのですが、考えてみたらフランス料理って言うものをあまり知らない自分に気が付きました。
そんな響きのいいお洒落な料理、日本でも食べたことないし、イメージがあまりわかないんですね。思い浮かぶのはなんか料理ではなく、ファアグラとかトリュフとかフランスパンくらいで、料理名はぜんぜんわからないんですね。日本だと寿司、しゃぶしゃぶ、てんぷらと料理名が浮かぶのですが、フランス料理って結局なんだべ? って感じでピンときません。
以前、料理人の友人に聞いた話ではフランス料理の定義はソースにあるとは言っていました。先輩にも元々フランス料理っていうのは、イタリア料理が変化していったものだと聞きました。なにやら大昔に政治的な関係でイタリアの王族系の女性がフランスの王族に嫁いだときに、自分の料理人を大勢連れて行って作らせるようになったのがフランス料理の元になったんだよって。こんな豆知識しか知らず、根本的なフランス料理については知らないんですね。
そこでもう考えるのが面倒になり、担当のウエイトレスにお勧めを聞いたところチキンのグリルがいいんじゃないかというオファーでした。焼き鳥かと。なんかお店が忙しそうだったので、軽く決められた感はぬぐえませんが、止むを得ません。
サイドオーダーを聞かれたのでそこは迷わず、本場のフレンチフライを頼みました。フランスなんでやはりドリンクはワインだべって飲みながら待つこと5分。目の前にチキンが運ばれてきました。
その料理は表面がこんがり焦げたチキンとフレンチフライだけで、メニューどおりのいたってシンプルなものでした。定義となるソースはありません。残念ですがお腹も減っていたので、早速食べてみました。

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さぁ、ボナペティです。フレンチフライはアメリカのレストランよりも揚げ過ぎず、なんかしなっとした感じでまずまずです。メインのチキンですが、焼いただけにしては結構おいしいんですね。肉汁のうまみがそれほど逃げておらず、口に入れるとジューシーな感じがしてチキン自体がおいしいんだということを僕の味覚に伝えてくれます。
シンプル・イズ・ベストって感じでしょうか。日本の焼き鳥でいう手羽先の大きなバージョンですかね。おいしかったので話し相手もいないのにうん、うん、とひとりで相槌しながらぺろっとたいらげましたよ。
まぁ、お店がフランス料理っていうより、アメリカのレストランって感じだったので、料理自体はこんなものなんだろうと思いつつ、フランスで食べたからそれはフランス料理なんだなって自分に言い聞かせながらも、ソースが無かったしなぁ、焼き鳥がフランス料理か? ってなんか納得できない自分がいました。
結局、フランス料理ってなんだべなぁって答えが見つからないままホテルに戻りましたよ。
次回はいよいよル・マン探索です。引っ張りすぎたな……サリュー。