Hiroyuki Saito

ま、いっかー!? 第2話

画像僕のマイカーとなったBUICK Road Masterの出会いは、とある塗装修理専門店の車置き場でした。よく行く自動車整備工場があるのですが、そこのオーナーに大きなアメ車が欲しいと話すと、オーナーが所有しているちょうどいいクルマが知り合いの店に置いてあるから見に行こうということになったのです。
到着して見てみると、しばらく動いてなかったようで、ちょっと古ぼけた感じは否めませんでした。オーナーは日本人ですが、アメリカの生活も長く、すっかりアメリカンな感覚の人です。ちょっと心配そうに見ている僕に、「何回か家族とこのクルマで遠出したけど、全然問題なかったよ。エンジンは丈夫だし、まだまだ走るよ」と、進めてくれました。その時点で14万マイルは走っていたと思いますが。
見た目はそれほど悪くありません。ドアのサイド・モールが剥がれていたり、後部ドアのエンブレムは欠けていて、ちょっと凹んでいます。まあ、アメリカでは、フロントやリアのバンパーがなくなっているような状態でも、平気で乗り回している国です。それくらいの傷は気にしないことにしました。

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電気系統で動かない部分もありました。例えば、リアハッチを開けるためにロックを解除するボタンがあるのですが、まったく反応しません。室内灯が各ドアについているのですが、肝心な運転席側が点灯しません。クルーズ・コントロールなんかはもちろん使えません。オイルランプも点灯しっぱなしです。電気系統が結構やられているなと思ったのですが、電動で動かすシートの操作ボタン系はすべて動いたんですね。これにちょっと感動したのは確かです。
当時は特にこれだという欲しいクルマがなかったのし、気にせずに乗り回せるアメ車で大きなクルマという漠然とした希望に当てはまっていたので、気持ちが動いたんですね。悪くないなと。オーナーに値段を聞くと、妥当な値段だと思ったので購入を決意しました。
まあ、エンジンも丈夫? だというし、とりあえず走るので、早速、自動車登録、保険などの手続きを行い、晴れて僕のマイカーとなりました。ちょっと良い気分で運転して帰ったんですが、アクセルを踏むとなんだか「フォーン」という変な音が聞こえてきます。その音はアクセルを踏んでいる間ずっとなってるんですね。
特にスピードがのるハイウエイなどでアクセルを踏むと、その音はさらに高くなります。なんの音だろう思って、オーナーに聞くと、「デフ(ディファレンシャルギア)がちょっと調子悪いんだよ。でも、しばらくは大丈夫じゃない?」と言っていました。
オーナーの言うとおり、意外と大丈夫なもので、その音は今でも運転するたびに鳴り響いています。知り合いが同乗すると、やはり「何の音?」と聞いていくるので、今では「ターボ音」といってごまかしています・・・・。