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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第13戦 サーファーズ・パラダイス[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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今年で17年目を迎えたサーファーズ・パラダイスでの市街地レース。快晴のもとで行われた初日予選でポール・ポジションを獲得したのは、オリオール・セルビアだった。このオーストラリア戦を前に、所属するフォーサイスから突然解雇されてしまう憂き目にあったセルビアだが、レースウィーク直前、昨年までともに戦っていた古巣PKVに呼び戻され、出場機会を得た。思い返せば、第2戦のロング・ビーチでポール・トレイシーの代役にもかかわらず2位フィニッシュを飾るなど、セルビアはここぞという場面で驚くような底力を発揮してみせる。今回もその例にもれず、最終ラップでの見事な逆転劇で暫定ポール・ポジション獲得。最高の形で解雇されたフォーサイスへのリベンジを果たした。「最高の気分だよ。チームがほんとうに素晴らしい仕事をしたね。チームは変ったけど、昨年一緒に仕事をしたクルーとエンジニアだったから、最初から作業はとてもスムーズだったんだ。ジャスティンの後ろではあったが、マシンの調子も今朝からかなり良かった。僕たちは良いマシンを持っているよ」と大喜びのセルビア。息の合った古巣PKVとともに、この勢いのままポール・ポジションを死守したい。

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2位には地元オーストラリア出身のウィル・パワーが入った。昨年はキャリア初のポール・ポジション獲得からレース序盤をリードし、地元観衆を大いに沸かせたウィル・パワー。今シーズンはここまで2勝を挙げる活躍で、パワーは一回りも二回りも成長してこのサーファーズ・パラダイスに戻ってきた。今日の予選もしっかり2位につけ、最終予選でのポール奪回を虎視眈々と狙っている。「不運にもピットのポジションがとても悪く、僕の前にたくさんのマシンがいたから、待たなくてはいけなかったんだ。最終ラップでもまだ渋滞していたよ。そんななかでオリオールがタイム・アップできたのは驚いたね。僕たちのマシンにはスピードがあるし、また明日ポール・ポジションを狙いに行くよ」と意気込むパワー。ホームタウン・ヒーローの活躍で、地元観衆の期待は高まるばかりだ。

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今朝のプラクティスでトップ・タイムをマークし、前戦オランダを制した勢いが続いていることを示したジャスティン・ウイルソン。タイトル争いに踏みとどまるためにも、なんとか暫定ポール・ポジション獲得のボーナス・ポイントが欲しいところだったが、予選ではなかなかタイムが上がらない。終始地元ヒーローのウィル・パワーにリードされたばかりか、最後はオリオール・セルビアにも逆転され、初日を3位で終えることになった。「今朝はとても調子が良かったね。マシンは良く走っているし、感触もかなり良かった。予選直前のプラクティスでも簡単にタイムが出たから、かなり自信もあったけど、予選で状況がまったく変ってしまった。マシンの感触が悪くなってしまい、リズムに乗ることが出来なかったんだ。ポールを逃したのはがっかりだね」と落胆するウイルソン。ポイント・リーダーのセバスチャン・ブルデイとの差を少しでも縮めるためにも、明日はなんとしてもポール・ポジションが欲しいところだろう。

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ポール・ポジションを獲得したオリオール・セルビアをはじめこのオーストラリアを前に、ドライバーの移籍・交代が数多くあった。コンクエスト・レーシングはヨーロッパで好走を見せたヤン・ヘイレンに替え、昨年のサーファーズ・パラダイス・ウイナーであるネルソン・フィリップが復帰。パシフィック・コースト・モータースポーツはライアン・ディエルから、今シーズン様々なチームの代役として活躍したマリオ・ドミンゲスを起用した。そしてセルビアを解雇したフォーサイスは、昨年のメキシコ・シティで同チームのステアリングを握ったデイビッド・マルチネスを採用している。ドライバーにとっては少ないチャンスをものにし、来シーズンのシート獲得につなげたいところだ。

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前人未到の4年連続チャンピオン獲得を目前に控えているセバスチャン・ブルデイ。ポイント・ランキング2位のウイルソンとの差は、安全マージンといえる58ポイントもあり、無理をする必要はまったくない。ところが、予選開始後14分にあろうことかターン1のシケインでクラッシュしてしまう。幸いブルデイの体にダメージはなかったものの、マシンは走行不能となり、最速ラップは取り消されることとなった。昨年の予選でも同じ場所でクラッシュしているため、ブルデイにとってターン1が鬼門のようだ。「体は大丈夫、問題ないよ。ターン1は僕のコーナーみたいだね。過去5年で3回もクラッシュしているんだ。もうクラッシュに慣れてしまったよ。幸いマシンのダメージを少なく出来たから、最悪と言うわけではない。でもクルーにはほんとうに申し訳ないと思っているよ。マシンはとても良かったから、ただ不運だっただけだね。明日も攻めていくよ」と淡々とした様子で話すブルデイ。明日の最終予選での巻き返しを誓う。