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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第3戦 ヒューストン[二日目]フォト&レポート

<US-RACING>

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開幕戦以来のポール・ポジションを獲得したウィル・パワー。57秒405のタイムはこの日2番目のタイムだったが、最速タイムをマークしたブルデイがパワーに対するブロッキングのペナルティを受けたため、ポールの座に繰り上がった。「すごく嬉しいよ。確かにこのような形でポールを獲得するのは、あまりよくないけどね。セバスチャンは最速ラップを記録していて、僕たちもかなり良いラップだったけど、彼にブロックされてしまったんだ。僕も昨日、ジャスティン・ウイルソンをブロックしたと判断されて、ベスト・タイムを失ったから、ルールは守らないといけないね。クルーのみんなが良いマシンに仕上げてくれて感謝している。後はこのレースで優勝するしかないよ」と話すパワー。通算3回目のポールはキープしたものの、週末を通してブルデイとの差はごくわずかしかない。明日のレースも接近戦は必至だ。

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パワーに対するブロッキングのペナルティを取られ、最速タイムを取り消されたブルデイ。昨日の予選でトップ・タイムを記録し、フロント・ローが確定していたため、明日は2位からスタートすることになったが、ブルデイはこの裁定に納得がいっていないようだ。「僕は悪いことをしたとき、ちゃんと認めるタイプだけど、今回は何も間違ったことはしていないし、思い当たる節もないんだ。あのラップで彼らのマシンは速くなかったし、むしろ遅かった」と問題のラップについて振り返るブルデイ。「ウォーカーが抗議した理由で考えられることは、僕たちをポール・ポジションから引き摺り下ろすチャンスだと思ったからだよ。別にわざとブロックしたとしても、結果が変わらなかったことに、彼らは気づいていないようだね。ただの仕返しみたいだ」。今回の予選はニューマン/ハース/ラニガンとチーム・オーストラリアの両陣営に遺恨を残す結果となったが、決勝ではフェアでなバトルを期待したい。

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昨年、チャンピオンシップ・ランキング2位を獲得したジャスティン・ウイルソンが復調してきた。前戦ロング・ビーチのレースでは4位に入り、今日の予選は今シーズン初めてトップ3入りを果たした。「とても早いペースで進歩しているから嬉しいよ。この調子でうまくレースできるといいね。ロング・ビーチでは良いレースができたけど、ただスタートのグリッド位置が悪かった。中断からスタートすると、前に出るのはほんとうに難しいことなんだ。ヒューストンでは前のほうからスタートするから、明日はCDW のために良いレースをして、できれば表彰台、少なくてもトップの近くでフィニッシュしたいね」と喜ぶウイルソン。昨年はスピンを喫して最後尾に落ち、手のまめを潰しながらも5位まで這い上がるレースを見せた。明日のレースも熱いファイトを見せ、フロント・ローの二人を脅かす存在となってくれるはず。

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ルーキー勢のトップはニール・ヤニ。オープン・テストでポテンシャルの高さを示していたヤニは、開幕からこれまでチームメイトのゴメンティや、ドーンボス、パジノウ、レイホールなどの活躍の陰に隠れがちだったが、ここヒューストンで実力を発揮して4位に滑り込んだ。「僕たちは昨日よりかなり進歩したね。そして今日の朝にもっとセット・アップを改善することが出来たんだ。今はこの競争が激しいストリート・コースをどう攻略するかという方向性がわかっている。でもまだ100%ではないよ。明日はきっと良いレースになるね」と自信たっぷりのヤニ。開幕3戦でデビューした8人のルーキー・ドライバーは、いずれも目を見張る活躍を見せ続けている。今年のルーキー・オブ・ザ・イヤー争いは面白い。

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ロング・ビーチで負傷したパシフィック・コーストのアレックス・フィギーの代役に選ばれたのは、“スーパー・サブ”の異名をもつロベルト・モレノ。この2月に48歳を迎えた大ベテランが、4年ぶりの実戦復帰を果たすことになった。1985年にチャンプ・カーのデビューを飾ったモレノは、87年からF1へ参戦。96年に復帰すると、主に代役として数チームを渡り歩き、その都度チームの期待に応えてきた。通算118戦に出場して2勝2ポール・ポジション、チャンピオンシップの最高位は2000年の3位という堂々たる結果を残し、2003年をもって実戦を離れていた。昨年は新シャシーのDP01の開発に貢献。今年からはその長年の経験がかわれ、同チームのドライバー・コーチとエンジニアとの橋渡し役を務めている。そのため、今回フィギーの代役として白羽の矢が立ったようだ。「またDP01に乗れて興奮しているよ。テストから6ヶ月もたっているからね。これは一時的なドライブで、アレックスはすぐに帰ってくる。だからそれまで僕ががんばるんだ。このチームは特別で、多くの成功を成し遂げてきた。その一員であることを誇りに思うね」と実戦復帰に興奮気味のモレノ。テストでは2400km以上このDP01を走らせているとはいえ、久々の実戦には戸惑いも見られ、予選の規定周回を越えてしまい、最速タイムを取り消されるミスもあったが、すでにチームメイトのライアン・デュエルに迫るタイムを記録している。明日のレースで“スーパー・サブ”のモレノがどこまで順位を上げるか注目だ。