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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第11戦モントリオール[決勝日(月曜日)]フォト&レポート

<US-RACING>

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ブルデイが今シーズン6度目の優勝を飾った。4年目の参戦となるブルデイだが、意外なことにこのモントリオールでは初めての優勝となった。ブルデイが優勝し、オールメンディンガー、ウイルソンのリタイアにより、ポイントランキング2位のこの2人との差は、62ポイントに広がった。残り3戦を残して2レース分のポイント差を広げることに成功したブルデイだが、「A.Jのリタイアは残念だったよ。正々堂々と戦いたかった」と、レース後に話した。確かにオールメンディンガーのリタイアは残念な結果となったが、その不運は残り3戦で自身にも起こるかもしれない。もちろん油断はまだできないだろう。

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このモントリオールで走行以外では覆面をかぶったり、ケベック州の旗をマントにしたりと、ヒール役に徹したトレイシー。しかし、レースでのトレイシーは、確実に上位をキープし、見事2位を獲得した。表彰台に上がったトレイシーに対して、これまでの行いからファンによるブーイングが起こるのかと思ったのだが、そこはやはりファンにとっても母国となるカナダ出身のドライバーの活躍には歓声と暖かい拍手で迎えられた。トレイシーもトロント以来の表彰台となり、ファンの歓声にとても喜んでいた。今回のようなトレイシーのパフォーマンスには賛否が問われるが、個人的にはとても好きだ。レース内容での大暴れはさすがに良くないが、このようなパフォーマンスなら今後もありか?!

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終盤の再スタートでレースをリードしていたネルソンは、そのままグリーン・フラッグ状態が続くと最後まで燃料が持たない計算だった。レース終盤はちょうどCTEのピット裏にいてクルーと話をしていたのだが、彼らの雰囲気は張り詰めた緊張感というよりも、レースを楽しんでいるといった感じだった。最後のスプラッシュ・アンド・ゴーでピット・ストップしながらも、3位でコースに復帰できたことについてネルソンは、「自分でも信じられなかった」と、コメント。その直後に9度目のフルコース・コーションからタイムレースとなり、グリーン・フラッグとホワイト・フラッグが同時にふられた。「3位でコースに復帰したあとの指示が“最後まで狂気のスピードで走り抜け!”だからね。もう狂ったように走るしかなかったよ」と嬉しそうにロード・コースの初表彰台を喜んでいた。

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日曜日の決勝が悪天候のため延期となってしまい、月曜日の午前10時に7ラップ目から再スタートとなった。この日は平日ということもあってチケットを買った人すべてが観戦できたわけではなかったものの、それでも2万人前後がサーキットに戻ってきた。この日の再スタートでは、ほとんどのマシンがブリヂストンのレッドタイヤをチョイス。リードポジションからダッシュしたオールメンディンガーが前日と同様に序盤ブルデイをリードしながらも、14ラップ目にハーフシャフト破損という不運に見舞われてしまいあっけなくリタイアとなってしまった。ピットでA.J.に声をかけたが、「本当に残念だ」とガックリ肩を落としてトレーラーへと戻っていった。今年で契約が切れるモントリオールだったが、二日間に亘って合計9度ものフルコース・コーションとう波乱のレース展開だった。

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オールメンディンガーと同様にチャンピオンシップ争いではもうあとがないウイルソンだったが、32周目のピットインが運悪くフルコースコーションと重なってしまい、閉鎖中のピットへ入ることを余儀なくされてしまった。ペナルティにより13位まで後退してしまったウイルソンは、その後、怒涛の追い上げを見せ6位までポジションを挙げるも勢い余ってウォールにヒットしてしまった。「残念な結果だ。マシンは絶好調でチーム・クルーの士気も高く、戦略も良かったが唯一、運が味方してくれなかったようだ。(スポンサーの)CDWカナダやクリスチアーノ・ダ・マッタと彼の家族のためにも、ぜひとも好結果を残したかったよ」とコメントするジャスティン。「残りのレースで最大限の結果を引き出すようにしたい」と語っていた。