これまでの4年間、グランプリ・オブ・デンバー・スポンサード・バイ・ブリヂストンは、ニューマン/ハース・レーシングの独壇場だ。このイリノイ州に本拠地を置くチームはデンバーのレースを3度制し、そのうちの2回をブリヂストン・ポール・ポジションから優勝している。
それはマイル・ハイ・シティの曇った土曜日でもなんの変わりもなく、NHRのスターであるセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が、圧倒的なパフォーマンスを見せ付け、デンバーの1.657マイル・ストリート・サーキットのトラック・レコードを更新して今シーズン6度目のブリヂストン・ポール・ポジションを獲得する。ブルデイはポールを取るのにたった3周しか必要とせず、6周目にトップに立つと、彼の最終ラップとなった15周目で59秒096の新サーキット・レコードをマークし、トップ・ポジションを確定させた。
このブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードのポイント・リーダーにとって、今シーズン6度目、キャリア通算24度目のポールとなった。彼にとってはデンバーで2度目、ニューマン/ハース・チームにとっては4年中3度目のポールであり、ブルデイのほかには2003年にブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が獲得している。このポールにより、ブルデイはチャンピオンシップ・ポイントを獲得し、ランキングで2位のジャスティン・ウイルソン(#9CDWフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)との差を、32ポイントに広げている。
ブルデイは第1ラウンドの予選を制したA.J.オールメンディンガー(#7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)とフロント・ローに並び、オールメンディンガーはスタンダード・ブリヂストン・ポテンザで、予選タイムを記録したドライバーのひとりだった。オールメンディンガーはレギュラー・ブリヂストン・タイヤで自己ベスト・タイムをたたき出し、6周目に59秒350のタイムをマーク。彼のフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシング・チームは、最後のセットのレッド‐ウォール・ポテンザに付け替えて第2スティントに送り出すが、このカリフォルニアンはブルデイを捕らえることができずに2位となった。
ウイルソンは3位に終わり、2セット目のタイヤでトップ3圏内に浮上し、この9ターンあるコースで59秒878を記録した。彼は2005年のポールシッターであるポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)と、アレックス・タグリアーニ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の前の3位を獲得し、ここまでが最終予選で1分を切るタイムを記録したドライバーとなる。
トレイシーは第1予選でのアクシデントから立ち直り、59秒903のタイムを記録して4位。このカナダ人スターは土曜日の予選ラウンドのグリーン・フラッグが振られてから最初にコース・インしたドライバーのひとりで、6周目に自己ベストタイムを記録して少しの間暫定ポールの座にいた。しかし、彼がめずらしく与えられた15周の全てを使い切ったにもかかわらず、セカンド・スティントではタイム・アップできなかった。
チーム・オーストラリアのタグリアーニは今シーズン・ベストのスタート・ポジションとなり、59秒919でトップ5の最後に入った。このベテラン・ドライバーは過去に出場したデンバーで7位より上位からスタートしたことがなく、トップ5のグリット・ポジションは2005年のモルソン・グランプリ・オブ・トロント以来、初めてとなる。
ブルデイはポールを取るのに十分なタイムを、6周目ですでに記録していたが、このフランス人はリスクを取る決断をし、リードを確かなものにするためにコース・イン。彼がコース・インした時に、オールメンディンガーも最終スティントに向けてレッド‐ウォール・ポテンザに交換したが、このヤング・アメリカンはタイムを更新することができなかった。ブルデイは渾身のアタックで、さらにタイムを縮めてデンバーのトラック・レコードを樹立した。
セッションの終盤は僅かな間に6番手から10番手のドライバーがすべて入れ替わるエキサイティングな展開になった。2年目のアンドリュー・レンジャー(#27MSRヒューストン・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は6位に入り今シーズンベスト。後退したオリオール・セルビア(#6ガルフストリーム・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)と、マリオ・ドミンゲス(#19サニーズBBQフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)はそれぞれ8位と9位になり、この2人のベテランは最終ラップとなった15周目に自己ベストタイムを記録した。ジュンケイラはレンジャーとセルビアの間に割り込み、7位に浮上。ネルソン・フィリップ(#4CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)がその後に続き、ここまでがトップ10となる。
チャンプ・カーのルーキーたちはトリッキーなデンバーのコースに苦しめられ、2006年のルーキー6人は日曜日のイベントのグリッド後方3列に沈んだ。ロシュフランズ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのポイント・リーダーであるウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、60秒405のタイムを記録し、ルーキー中トップの11位からスタートする。
明日行われる5度目のグランプリ・オブ・デンバー・スポンサード・バイ・ブリヂストンは、95周のレースが現地時間午後1時45分に始まる。その模様をアメリカではスピード・チャンネルの生中継で見ることができる。また、レース・ファンはシリーズの公式ウェブサイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターを通じてこのレースを見ることが可能。レース・ファンは、アメリカ東部時間午後9からスピード・チャンネルで放送される30分番組で、ブリヂストン・ポール・ポジションの第1、第2予選ハイライトを見ることができる。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ: 「レースのスタートには問題ないと思うよ。ターン1はいつも苦労するけどね。今はターン5になっている以前のターン1よりは余裕があるけど、まだとても難しいし、滑りやすい。週末を通してトラックにはラバーが乗っているから、すぐにアウトサイドから誰かをかわそうとするのはとても難しいことだよ。今日はポールがとれてほんとうに満足している」
A.J.オールメンディンガー: 「フォーサイスのマシンは素晴らしい。少しだけ苦労したけど、このチームなら、レースになれば完璧なマシンを用意してくれる。僕にはこの業界一のピット・クルーついているからね。コース上にいて、レースに向けて良いバランスがあれば、たとえ優勝できなくても、表彰台に立つチャンスはあるさ」
ジャスティン・ウイルソン: 「明日のレースのためにしなければいけないことが結構あるね。とりあえず、ピットに戻って何ができるか、もうちょっとグリップをとるかどうかを見てみたい。今日は全体的にグリップが足りなかった。バランスは悪くないけど、少しアンダー・ステア気味だ。もっとがんばるだけだね」
主な注目のポイント
今日、セバスチャン・ブルデイはキャリア通算24回目のポールポジションを獲得し、チャンプ・カー史上単独8位になった。彼は今日のポールでジョニー・ラザフォードを抜き、現在歴代7位のポール・トレイシーにあと1回に迫っている。
ジャスティン・ウイルソンは今週末にヘルメットのデザインを新しくし、ボイズ&ガールズ・クラブ・オブ・デンバーが行ったデザイン・コンテストの優勝デザインを身につけている。このヘルメットはデンバーの地平線と街のトレードマークの一つである夕日をイメージしている。レース後にこのヘルメットはオークションにかけられ、その収益はボイズ&ガールズ・クラブに寄付される。
今日の予選はチャンプ・カーのルーキーには特に厳しいものとなり、最終グリットの最後尾から6ポジションは全て1年目のチャンプ・カー・ドライバーだった。これは今シーズン2回目の出来事で、トロントのストリート以来となる。
最初の6レースでトップ10からのスタートがなかったマイ-ジャック/コンクエスト・レーシングのアンドリュー・レンジャーは、ここまでの4レースで8位もしくは、それ以上のポジションからスタートしている。彼は今シーズン最高のスタート・ポジションの獲得し、明日のレースを6位からスタートする。