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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第9戦サンノゼ[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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ブルデイは開幕4連勝を飾ったあと、フォーサイスに移籍したオールメンディンガーが3連勝。前回のエドモントン優勝のウイルソンにも優勝を許してしまったが、このレースではトラブルに巻き込まれることもなくシーズン5勝目をゲットした。これでブルデイ255ポイントに対して2位のウイルソンが31ポイント差の224ポイント。そしてオールメンディンガーの210ポイントと続く。今回5位に入ったドミンゲスが141ポイントでランキング4位に付けているが、実質チャンピオン争いはこのトップ3人で争われることになるだろう。残り5戦でこの差がどのように変わってゆくかが楽しみだ。

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今回はスタートからターン1のヘアピンを過ぎるまで、プッシュ・トゥ・パスの使用を禁止するルールが適用された。普段であれば、グリーン・フラッグを合図に全マシンが一斉に75馬力アップして第1コーナーを目指す。ひとつでもポジションを上げようとコース幅いっぱいに広がるマシンが通例だが、サンノゼはコース幅が狭いこともあり、今回はほぼ並んだ状態でのスタートだった。来シーズンからは先日発表されたニューマシンでスタンディング・スタートの可能性も高いとのことだから、さらに面白いシーンが見られるだろう。実際この前に行われたアトランティックでは以前から何度か試みのあったスタンディング・スタートでグリーン・フラッグ、ならぬグリーン・ライトでのスタートだった。

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予選4位セカンド・ローからスタートしたダ・マッタが今シーズン、ベストフィニッシュとなる2位でレースを終えた。レース序盤から上位をキープしたダ・マッタは、1回目のピットストップで6位まで後退するも、その後確実に追い上げ、見事今シーズン初となる表彰台入賞を飾った。2002年のチャンピオン、ダ・マッタが同チームに移籍後、ウイルソンよりも上でフィニッシュした初めてのレースとなった。コメントでも「プレッシャーから介抱されことができたよ」と、レース後のインタビューで語っていたように、チャンピオンとしての役割をひとつ果たせたようだ。ルースポートももはやトップチームのひとつとして今シーズンを戦っているのは確かだ。

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ルースポートが表彰台の2位と3位に入った。表彰式でダ・マッタは安堵の笑みを浮かべて昨年のポートランド以来のトロフィーを嬉しそうに掲げていた。予選12位と今シーズン最下位の不本意なポジションからのスタートを強いられたウイルソンだったが、決勝ではクレバーな走りで無理をせず徐々にポジションアップを図った。60ラップ目には5位まで浮上、79ラップ目にはトップのセルヴィアと3位のスウォルスマンがピット・インするとここで3位まで躍進。そのままチェッカーを受けてチャンピオンシップ争いに大きなチャンスを残した。昨年は9位スタートでコース上では一台もパスせずに4位フィニッシュを果たしており、今回もレース前には「極力ミスを抑えて冷静な判断でレースを戦うよ」と公言していたが、そのとおりに熱くヒートアップするライバルたちとは対照的にクールな走りで表彰台に上がった。

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レース中盤、ブルデイに迫る走りを見せたクラークだったが、ギアボックストラブルでリタイア。レース中はかなり積極的に先行するマシンをパスして自らの力でポジションを上げてトップのブルデイとの差も徐々に詰めていた。メカニカル・トラブルでコース上にマシンを止めたあと、悔しそうにコックピットから降りる姿が映し出された。チームメイトのフィリップは予選11位スタートから最終的に4位と表彰台まであと一歩だった。次なる課題は予選で好位置を得ることだろう。

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このシーンの直後3位走行中だったトレイシーが自らのミスでコースアウト。少しでもタイムロスをしたくなかったのだろう。スピンターンで向きを変え、フルスピードでコーナーに侵入してくるマシンの前でコースに復帰しようと気がはやり、一瞬の判断でタグリアーニの前に割り込んだが、これがまずかった。十分スピードに乗っていないトレイシーのマシンと、5位を走行していたタグリアーニのマシンが激突。タグリアーニはフロント・エンドを大破してトレイシーもその場でリタイアとなってしまった。歩いてモーターホームに向かう途中のポールを激怒したタグリアーニが掴みかかる。あまりのしつこさにトレイシーは思わず手を出してしまった。ちょうどこのシーンはターン3で撮影中にジャンボスクリーンに映し出されて観客は大歓声をあげていた。「最初は謝ったんだが、何度も掴みかかってきたので『もうオレに触らないでくれ』と言ったがそれでも執拗に胸ぐらをつかむので、仕方なく自己防衛で手をあげたんだ」と語っていた。ヘルメットを被ったままのアレックスを素手で思い切りなぐったのだろうか、腫上がった手と額の傷とが生々しかったとは関係者談。

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ロングビーチで3位入賞とまずまずの出だしでスタートしたタグリアーニの2006年シーズンだったが、それ以来表彰台から遠ざかっているチームとドライバーにとって、今回のクラッシュはあまりにも痛かった。怒りを抑えることのできないアレックスは、トレイシーを見つけるや否や、彼の胸ぐらをつかみ「なんてことをしてくれたんだ! もううちのチームにはスペアマシンがないんだよ! お前のところのマシンを俺にくれるとでも言うのか!」と、血相を変えてポールに掴みかかった。その直後のインタビューでも「本当に残念だ。チームのメカニック達が次のレースまで休まずマシンの修復をしなくてはならないことを思うと、彼らに対して気の毒な気持ちでいっぱいだよ」と涙を抑えながら震える声で語っていた。