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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第6戦クリーブランド[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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前戦のポートランドで初優勝したオールメンディンガーが、クリーブランドでポール・トゥ・ウインを飾り、2連勝を記録した。ポールからスタートしたオールメンディンガーは、オープニングラップのターン2でスピンをし、一時は14番手まで後退。優勝の可能性はこの時点で厳しい状況となったが、このコーション中に2回ピットに入り、燃料をこまめに給油した。23周に発生したコーションでトップグループが1回目のピットに入ると、給油していたオールメンディンガーはそのままコースに残り、トップに浮上。38周目にタイミングよくコーションが発生し、レースの流れから大半のマシンがピットイン。それまでの燃料差も埋まり、オールメンディンガーはトップ争いに絡むことになった。その後は、常に上位を走行し続け、80周目にトップとなるとレースを最終ラップまでリード。自身2度目の優勝を獲得した。2戦連続優勝と勢いにのるオールメンディンガーは、ランキング2位のウイルソンと5ポイント差にせまった。移籍から調子がいいオールメンディンガーの活躍に今後も期待したい。

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薄い雲が空を覆うものの気温は26度と風もなく絶好のコンディションで午後2時30分にレースはスタートした。ターン1ではレンジャーがスピン、ターン2ではトレイシーとブルデイが絡むクラッシュが発生し、オープニングラップからイエローコーションとなった。しかし、この1回目のコーションは序曲に過ぎず、その後、接触をはじめスピンやコースオフするマシンが続出。トータルで9回のコーションが発生する波乱に満ちたレースとなった。

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オープニングラップのターン2で、トレイシーと接触したブルデイ。このときトレイシーのマシンが弾みで持ち上がり、ブルデイの運転席真上に乗り上げて再びコース路面に着地するアクシデントとなった。「トレイシーのマシンのタイヤがあたったときには、頭の上にマシンの底があったと思う。その瞬間は夢か本当に起こったことかわからなかったから、多分、少し意識を失ったんだと思う。その後、覚えているのは、芝生の上を人が僕の方向かってきていたこと。それから意識を失ったんだと思う。マシンのデザインが僕を助けてくれたんだね。それほど大きなショックを頭に受けなくて済んだよ。画像ウォーム・アップで運転した10年前のナイジェル(マンセル)のマシンだったら、もっと大きな問題になっていただろうね」と、救助後に話したブルデイ。一時は、なかなかマシンから出てこないので、最悪の状況も考えてしまったが、無事でなによりだった。

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予選7位からスタートしたジュンケイラが、今シーズン初の表彰台に乗る2位でフィニッシュした。前戦のポートランドでポールを獲得したものの4位フィニッシュと、表彰台にあと一歩で乗ることができなかったジュンケイラ。このクリーブランドで、前戦の鬱憤を晴らすことになった。ジュンケイラもレースの作戦としては優勝したオールメンディンガーと同様のピットストップを行っている。今回は、フォーサイス、ニューマン/ハースというトップチームのこれまでの経験が、優勝、2位という結果になった。

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今週末、プラクティスから好調だったセルビアは、予選4位セカンドローだったが、スタートで2位にジャンプアップ。ポール・ポジションのオールメンディンガーに並び、ターン1に進入した。ターン2でオールメンディンガーがスピンしてしまい、セルビアが難なくトップに。その後、23周目までレースをリードし、2回目のコーションで1回目のピットストップに入った。コースに残っていたマシンがいたので、5番手でコースに戻ったセルビアだが、2回目のピットストップでエアジャッキが上がらないトラブルが発生。タイムロスを余儀なくされ、順位は後退してしまう。しかし、その後、確実にポジションを上げ、今シーズン初の表彰台となる3位でフィニッシュ。昨年のラスベガス以来となる表彰台となった。

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ブルデイがオープニングラップでリタイアしたため、現在ランキング2位のウイルソンが優勝すればランキング1位のブルデイとの30ポイント差は一気に縮まることになる。優勝しなくても上位で入賞することで、シリーズチャンピオンの可能性も十分あるところまでいけるはずだった。というのも、ターン4でウォールに右フロントを接触。リタイアに終わったからだ。「とても残念だよ。マシンはとてもよかったからね。3回目のピットストップのあと、燃費走行をしていてもうピットに入らなくていいということがわかったんだ。けど、運悪くマシンのフロントの何かが壊れて、ステアリングが動かなくなったんだ。本当に残念だよ。表彰台に乗ることができたのに・・・・・・」と、悔しがるウイルソン。ブルデイもそうだが、ランキング2位のウイルソンに今回のレースは運が悪かった。

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前戦のポートランドで、チームメイトになったオールメンディンガーがいきなり初優勝を飾った。それに即発されたのかトレイシーの今週末の走りは実にアグレッシブだった。レースではオープニングラップでブルデイのマシンの上に乗っかり、オールメンディンガーと同時にピットアウトしたあと、ピット出口からはトレイシーの方が遅かった気がするのだが、先に飛び出ていった。画像単独スピンもするし、そのような行為が今回のレースではアグレッシブというかちょっと空回りしているようにも見えたが。最後にはターン8でウォールに接触し自滅。まだまだ、若いやつには負けないような気迫は伝わってきたが、今回は暴れすぎでは?

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今日のレースで非常に残念な思いをしているドライバーが2人いる。最終ラップで2位を走行していたドミンゲスと3位を走行していたクラークだ。クラークが最終ラップのターン1で前を走行するドミンゲスのパスを試みたのだが、接触してしまったのだ。このため2人はトラック上にスタック。ドミンゲスにとっても移籍後早くも2位表彰台が目前、クラークにとっても初の表彰台入賞がかかっていた最終ラップだった。ルーキー、クラークの欲が出てしまったのだろう。残念な結果となったが、ドミンゲスのチームメイトでルーキーのヘイレンが5位でフィニッシュ。ドミンゲスも6位でフィニッシュしたのでデイル・コイン・レーシングが上位入賞を果たした。