CHAMP CAR

マリオ・ドミンゲスがグランプリ・オブ・ヒューストンでトラック・レコードを記録してキャリア初のポール・ポジションを獲得


マリオ・ドミンゲス(#7オーグロ・デ・メキシコ・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)は、2006年のブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォード開幕戦で、スタート後のターン1のアクシデントに巻き込まれたドライバーの一人だった。彼は今週末のヒューストンでトップという最高の位置につけたことで、前戦のようなアクシデントを避けることができる。
晴れわたった金曜日のヒューストン・リライアント・パークで、ドミンゲスは58秒026という驚愕のラップを記録。キャリア初のブリヂストン・ポール・ポジションと、明日夜のチャンプ・カー・グランプリ・オブ・ヒューストンで、ターン1に向かう最良の位置を獲得した。‘スーパー・マリオ’として知られているこのドライバーは、2番目のベスト・タイムを記録したフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのチームメイト、ポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)を弾き飛ばす走りを見せた。トレイシーはブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)が、木曜日の予選1回目でフロント・ローのスタンディング・ポジションを確保しているため3位となった。
今日の最終予選は序盤からベストタイムの応酬となった。二度のディフェンディング・チャンピオンであるセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)がわずか3周で初日のトップ・タイムを更新。しかし、1.690マイルのレイアウトでブルデイがトップにいたのは序盤にすぎず、セッションの半ばで他の3人のドライバーがトップを奪った。
最初にブルデイを上回ったのは、ルースポートのジャスティン・ウィルソン(#9CDW・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)で、その後すぐにドミンゲスがウィルソンを上回る。ダン・クラーク(#14CTE・レーシング‐HVM・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)が、30分の予選セッション中唯一のレッド・フラッグを出した時点で、トップにいたのはトレイシーだった。木曜日にフロント・ロー獲得を決めていたジュンケイラは、その序盤の争いをピット・レーンから見ていたが、再びグリーン・フラッグが振られるとその争いのなかに加わっていった。
セッションの最初の10分間、ジュンケイラとともにピットにいたPKVレーシングのオリオール・セルビア(#6ガルフストリーム・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)は、この日最初の59秒台をマーク。トレイシーからトップを奪い、そのちょうど2周前にドミンゲスは3番手にいた。しかし、セルビアがポール・ポジションの位置を維持したのは一時的で、彼のタイムはその後のトップ争いを演出するプロローグに過ぎなかった。
スーパー・マリオは12周目にトップに返り咲き、その次のラップでヒューストンのトラック・レコードを記録。彼のキャリア初となるポール・ポジションに大きく近づいた。しかし、残り5分の時点でも、ポール・ポジション争いは接戦が続いていたため、メキシコ人スターのドミンゲスは残された周回も使って、さらにアタックを続けていた。
ブルデイは11周目を過ぎたところで3番手。しかし、次の周にはA.J.オールメンディンガー(#10ルースポート・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)と、トレイシーにその座を奪われ5番手に落ちた。ブルデイは残りの2周を使っても、ドミンゲスを超えることができず、そのまま5位となる58秒627のタイムが精一杯。オールメンディンガーの後塵を拝した。
アレックス・タグリアーニ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)は58秒765の6位で、今シーズン・ベスト。ウィルソンとセルビアは4列目となり、ネルソン・フィリップ(#4ウェルボックス・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)と、ルーキーのウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)がそのあとに続き、トップ10が決まった。パワーは59秒302でこの日6人いるルーキーの中でトップであった。
2005年チャンプ・カー・アトランティック・チャンピオンのチャールズ・ズウォルスマン(#34ゴールデン・パレス・ドット・ネット・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)は、明日のレースをキャリア・ベスト・ポジションとなる11位からスタートする。クラークは序盤のアクシデントから復帰して、自己ベストの12位。チャンプ・カーでのキャリアをスタートしたばかりのキャサリン・レッグ(#20ガルフストリーム・フォード‐コスワース・ローラ・ブリヂストン)は、15番目のタイムを記録した。
昨日は1人しか60秒を切ることができなかったのに対し、17人中13人が60秒を切った。コース上にいるすべてのマシンが平均速度100マイル以上を記録。木曜日にはたったの8人しかとどいていなかった。
明日のレースは現地時間午後8時、アメリカ中部時間午後9時からはじまり、生中継をスピード・チャンネルで見ることができる。レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・ジリーズの公式ホームページ、www.champcar.ws で、レース・ディレクターを通じて生中継で観戦することが可能。それに加えて30分の予選ハイライト番組が、スピード・チャンネルで土曜日の午前12時から始まる。
トップ3インタビュー
マリオ・ドミンゲス: 「最高だよ。冬の間にフォーサイスはすごい努力をしてきたんだ。この週末もとてもがんばった。チームはポール・ポジションを取れる実力があったし、僕自身もそれに値していた。何年も待ち望んでいたから、とてもうれしいし、このポール・ポジションにはほんとうに興奮しているよ」
ブルーノ・ジュンケイラ: 「今週末の目標はレースを完走することだ。1周目の第1コーナーでレースを終えることは許されないからね。2番手スタートだからそのポジションを失いたくはない。レースは長いから1周目を無事にきり抜けることが必要だ」
ポール・トレイシー: 「1日を通して多くの変更を加えた。特に予選前のウォーム・アップの後にいくつか大きな変更をしたんだ。レッド・タイヤに関して、最初の走行はまだ少しつかめていない部分があった。もしかしたら1セット目のタイヤでは、もっといい走りができたかもしれない。2セット目のタイヤで、僕はどんな走り方をすれば良いかわかっていたから、速いラップをきざむことができた。それでもマリオ(ドミンゲス)にはとどなかったけど」
主な注目のポイント
マリオ・ドミンゲスはチャンプ・カー史上169人目のポール・ウィナーとなった。キャリア初のポール・ポジションをあげたドライバーは、昨年のオーストラリアでオリオール・セルビアが獲得して以来、初めてとなる。
セバスチャン・ブルデイは明日のレースを5番手からスタートする。トップ3以外からのスタートは過去8レースで初めてとなる。
ドミンゲスは今日のブリヂストン・ポール・ポジションを確定し、今シーズン24ポイントに加えて、チャンピオンシップ・ポイントを獲得した。これでポイントスタンディングスはアレックス・タグリアーニとならんで3位となった。