CHAMP CAR

●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第13戦メキシコ・シティ【決勝日】フォト&レポート

<US−RACING>

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ピット以外でトップを譲ることなく、まさに完璧な走りで優勝したウイルソン。今年のトロントで初優勝し、この最終戦でやっと2勝目を挙げたことになる。ウイルソンにとって2度目のポール・スタートとなった今回、前回のポートランドではトップを走りながらメカニカルトラブルに遭遇し、初優勝のチャンスを失っていた。昨年ルーキーオブザイヤーを奪われたライバル、オールメンディンガーが所属するルースポーツに移籍した今シーズン。エースのオールメンディンガーよりも先にチームへ初ポールと初優勝をもたらし、昨年の雪辱を晴らすことに成功する。終わってみればランキングも3位と大活躍のウイルソン。インテルのスポンサーも継続されるといわれており、来年はもっと活躍が期待できそうだ。

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2005年最後のレースは午後2時45分にスタート。全車がきれいにターン1へ進入したが、トレイシーが後続に接触されてタイヤが切れ、緊急ピット・インを強いられる。幸い1周2.786マイル(4.4576キロ)と長いコース・レイアウトだったために、周回遅れになることなくコースへ復帰したトレイシー。だがA.J.オールメンディンガーをブロックしたとして、今度はピット・スルー・ペナルティを科せられてしまう。2003年のチャンピオンはまたも後方からの追い上げを余儀なくされたが、最後は3位表彰台を獲得。最後尾から優勝した2000年のロードアメリカを彷彿させるような、鬼神の走りだった。

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途中ボウデイに迫られてミスを犯し、危うく3番手に後退するところだったオールメンディンガー。相変わらずプレッシャーに弱いところが露呈してしまった。チャンプ・カーにステップアップするまで、次々とチャンピオンを獲得してきたオールメンディンガーは飛びぬけた速さを持っているものの、レースではなかなか結果に結び付けられない。今年はF1出身のウイルソンというチームメイトが存在したことで、昨年までとは異なるシーズンを送ったはず。精神的に、もっとウイルソンから学ぶことが多いのではないか。3年目の来シーズンこそ、初優勝を見たいものだ。

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コース改修でグランドスタンドが使えなかったため、271