CHAMP CAR

オリオール・セルビアがサーファーズ・パラダイスの陽光の元、土曜日の観客動員レコードとなる9万0265の大観衆の前で初のポール・ポジションを獲得

【チャンプ・カー・ワールド・シリーズ:2005年10月22日 オーストラリア】
オリオール・セルビア(#2パシフィケア・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が2.795マイルのサーファーズ・パラダイス市街地コースで行われた土曜日の最終予選で1:32.616(108.642mph)のタイムをマークし自身初のポールポジションを獲得。2005年シーズンのチャンピオンシップ争いの決定を先送りさせた。気温も暖かく快晴に恵まれた予選第2ラウンド。セルビアは昨年のポールタイムをほぼ1秒近くも更新するタイムをたたき出し、ポールウイナーに与えられるチャンピオンシップポイント1点を獲得。チームメイトのセバスチャン・ボウデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)のドライバーズ・タイトル獲得を少なくとももう1日先延ばしさせた。
ボウデイは前日の予選で最速ラップをマークしていたため明日のレースをセルビアに次ぐ2番手からスタートすることになった。ニューマン・ハース・レーシングのフロントロウ独占はこれで3戦連続。セルビアはチャンピオンシップポイント1点を獲得しドライバーズ・タイトル争いでトップのボウデイとの差を67ポイントに縮めた。しかし、ボウデイは明日の決勝レースに出走するだけで2年連続ドライバーズ・タイトルを確定させることになる。
セルビアは土曜日の観客動員レコードとなる9万0265人の大観衆に応え、タイトル争いの可能性を残すために全力を注ぎ、予選セッション前のプラクティス・セッションで週末を通じてのベストタイムをマークしていた。35分間の予選セッションでもグリーン・フラッグが振られるとすぐにタイムアタックを開始し、わずか2周目に最速タイムをマーク、タイム・チャートのトップに名を載せた。このセルビアの走りでその後の抜きつ抜かれつの白熱したアタック合戦の幕が開いた。その後、7台にマシンによってトップタイムが入れ替わることじつに11回という激しいアタック合戦が繰り広げられることになった。
その後、マリオ・ドミンゲス(#7インディック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)とクリスチアーノ・ダ・マッタ(#21ベル・マイクロ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が序盤の支配権を握るべくバトルを展開。一方で、ボウデイはピットに待機し序盤の争いを見つめていた。そして予選開始約15分後、ボウデイがついにコースイン。ちょうどその頃、ポール・トレイシー(#3インディック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)がチームメイトのドミンゲスがマークしていた最速ラップを塗り替えタイム・チャートのトップに浮上。しかし、ボウデイのウォーム・アップ・ラップの間、デブリにより赤旗が提示されることになった。
チャンプ・カー・セーフティ・チームが迅速な処理を見せ、グリーン・フラッグとなった時にはまだ15分もの時間が残されていた。金曜日に複合シケインをショートカットするマシンが続出していていたため、チャンプ・カーのレース・スチュワードは土曜日に、ショートカットをしたマシンは翌周にドライブスルー・ペナルティが課せられる新しいルールを設置。この新ルールは予想通り効果を上げ、金曜日に66回もあったショートカットしたマシンの数が激減することになった。しかし、ボウデイとセルビアはセッションがリスタートされるとまもなくこのペナルティを受けることになる。2台ともドライブ・スルー・ペナルティを実行した後、すぐにまたコースに復帰したが、その間に2002年のこのレースウイナー、ドミンゲスがアタックラップ11周目に最速ラップをたたき出しトップを奪還すると、13周目には1:32.667(108.582mph)までタイムを更新することに成功した。
しかしそのすぐ2分後、セルビアがドミンゲスのタイムを逆転し再びタイム・チャートのトップに踊り出る。セルビアが最速タイムをマークしたちょうどその時、トレイシーがウォールにマシンを軽くヒットさせサスペンションを破損。2003年シリーズチャンピオンはこの時点で予選セッション終了を余儀なくされ1:32.976(108.221mph)のタイムで5位。しかしこのレース10年連続となる予選トップ5を確定させた。
ダ・マッタが1:32.753(108.482mph)で4位をゲットしたとき、ボウデイはセッションが残り3分となっていたもののトラフィックに捕まりタイムアップできない状況となっていた。セルビアはさらにタイム更新を狙うもファイナル・アタック・ラップでガス欠となり、それとほぼ同時にセッション終了を告げるチェッカー・フラッグが振られた。セルビアはクルマをセーフティ・ゾーンに入れ、同時に赤旗も提示され、初のポールポジション獲得が決まったかに見えた。
しかし、チームメイトのボウデイがセッション終了の最後の最後でファイナル・アタックに入っていた。ボウデイは12のターンを持つ市街地コースを果敢に攻め、ついにはセルビアを逆転。前日同様にトップタイムをマークしポールポジションを獲得し、同時に2005年のシリーズタイトルも確定させた、かに見えた。しかし、タイミング・コンピューターにより、スタート&フィニッシュ・ライン通過がチェッカー・フラッグが出された1.6秒後だったことが発覚。ボウデイのファイナル・アタックのタイムは無効となり結局2位となった。
ドミンゲスは今シーズン自己最高となる予選3位を獲得。ダ・マッタはトレイシーのひとつ前となる4位だった。6位にA.J.オールメンディンガー(#10 ウエスタン・ユニオン・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が入りチームメイトのジャスティン・ウイルソン(#9 インテル・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が続いた。ルーキー・オブ・ザ・イヤーをリードするティモ・グロック(#8DHLグローバル・メール・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は1:34.554(106.415mph)でルーキー勢最速の10位から明日の決勝レースに臨むことになった。
“レックスマーク・インディ300”は日曜日の現地時間午後1時15分にスタート。ファンはチャンプ・カー・ワールド・シリーズのオフィシャル・ウェブサイトwww.champcar.ws“レース・ディレクター”サービスからログインすればレースを見ることができる。

予選トップ3のコメント
マリオ・ドミンゲス #7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン:
「セッション中にあらゆる変更を加え、そのたびにクルマは速くなっていった。最後はポールを取れたと思ったけど、オリオールが僕らから奪い取っていったんだ。アクシデントの時僕は10位で、最終コーナーでロドルフォとぶつかってしまった。でもクルマのハンドリングには満足しているし、スターティングポジションも悪くないしね。明日僕らはいいレースをできるだろうし、速く走れることを願っているよ」
セバスチャン・ボウデイ #1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン:
「ここはラップタイムがレースをするにはとても速くなる典型的なトラックだね。だから、予選のラップタイムがこれほどのタイムなっても特に驚きはなかったよ。ブリヂストンのアル・スペイヤーが言っていたように、僕らは去年より非常に速くなっている。2003年のポールタイムはたしかシケインのタイヤマットがないにも関わらず1:31.07くらいだったよね。そのタイムに非常に近付いているし、今日のタイムは本当に速かったよ」
オリロール・セルビア(#2パシフィケア・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)
「ガス欠になったのはたしか残り3周のときだったと思う。結果には満足しているけど、でもアタックできるラップがまだ2周あった。たぶんもっとタイムを縮められたと思う。前日の予選セッションでは自分にすごく腹が立ったんだ、だって今までで最悪の予選セッションのひとつだったからね。15周のアタックラップの内、本当に満足できたのは2周だけで、残りはすべて何かしらミスを犯していた、シケインを直進してドライブ・スルー・ペナルティも受けたしね。最悪だった前日に比べれば今日の結果はすごくハッピーだよ」

注目のポイント
・オリオール・セルビアは今シーズン、ポールポジションを獲得した6人目のドライバーで、シリーズ史上168人目のポール獲得となった。セルビアは今回が出走97回目。初ポール獲得者の最多出走回数シリーズ・レコードは1995年インディアナポリス500でのスコット・ブレインの出走148回目。
・明日の決勝レースでチャンプ・カー・デビューを飾るルーキーのウィル・パワー(#25オージー・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、サーファーズ・パラダイスのチャンプ・カーのレースでオーストラリア生まれのオーストラリア人ドライバーによる予選最高順位となる11位を獲得した。
・今日の観客数9万0265人は土曜日のイベント・レコード。この日までの3日間で21万1162人の観客を動員している。サーファーズ・パラダイスのレースでのトータル観客動員数レコードは明日の日曜日に9万8421人以上の観客が入れば破られることになる。