【Champ Car World Series： 2005年8月27日 モントリオール】
日曜日に行われるブリヂストン･プレゼンツ･チャンプ･カー･ワールド･シリーズ･パワード・バイ･フォードの決勝に向けた最終予選で、一人のドライバーがモルソン･インディ･モントリオールの舞台となるノートル･ダム島のジル･ビルヌーヴ･サーキットにおいて、タイム･チャートのトップを仕留めた。今週末のモントリオールで行われたチャンプ･カーの全セッションと同じように、スピード･チャートのトップを走っていたセバスチャン･ボウデイ（#1 マクドナルド フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）は、昨日自身がマークした暫定ポール･タイムを誰かが凌ぐようなことになった場合を想定し、ピット･レーンで待っていた。35分間の予選セッション中、11分が経過した時点で一度だけジャスティン･ウイルソン（#10 CDW フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）がトップに浮上。ボウデイはすぐにマクドナルド･カラーのマシンでアタックを再開し、2.709マイルのロード･コースを4周したところでトップの座を奪回した。
今シーズン4度目のブリヂストン･ポール･アワードを獲得したボウデイは、42戦のチャンプ･カー･イベントで通算17回目のポールとなり、チャンプ･カー史上12番目のポール･ウイナーであるエマーソン･フィッティパルディと並ぶことになった。ボウデイが記録した1分20秒396（121.305mph）は、予選2位のタイムよりも2分の1秒以上速い。
ボウデイのニューマン/ハースのチームメイトであるオリオール･セルビア（#2 パシフィケア･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）は、2003年のモントリオールで初めて記録した自己ベストの予選2位と同じ位置を手に入れた。J.D.ウイルバーがチェッカード･フラッグを振り下ろした時点で1分20秒698を記録し、５つもグリッド･ポジションをアップ。ジャスティン･ウイルソン（#10 CDW フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）はモルソン･インディ･モントリオールで2度もポジションを落とされ、彼の1分20秒932（120.501mph）は3位のスターティング･スポットとなった。
グリーン･フラッグが振り下ろされてすぐにコース･インしたのはポール･トレイシー（#3インデック･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）だけで、彼のブリヂストン･ポテンザ･タイヤはタイム･アタックに十分な温度に上昇。そこに全体の4分の1台が加わり、各マシンがアタックを開始する。ウイルソンが最初にトライしてチャートのトップに踊り出、その後彼のチームメイトであるA.J.オールメンディンガー（#10 ウエスタン･ユニオン･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）がウイルソンを下してトップに浮上した。オールメンディンガーがそのタイムを記録した時、ボウデイはピット･レーンから離れ、4周目にはトップ･スポットの座を獲得。6周目にはさらにタイムを縮め、最終的にこれがポール･タイムとなった。昨日の予選は終盤の赤旗によって短くなったが、今日のセッションはただの一度もレッド･フラッグとなることはなかった。
トレイシーは1分20秒954のベスト･ラップを記録し、タグリアーニは終盤のラップで1分21秒160（120.163mph）をマークして彼の地元の観衆を沸かせた。マリオ･ドミンゲス（#7インデック･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）とクリスチアーノ･ダ･マッタ（#21 ベル･マイクロ･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）は、4列目を獲得。ロシュフランズ･ルーキー･オブ･ザ･イヤー（ROY）を戦う中で、ティモ･グロック（#8 DHLグローバル･メール･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）は最上位となる11位のスポットを手に入れた。ROYタイトルを争う中で彼に最も接近しているロニー･ブレマー（#19 アメリカン･メディカル･レスポンス･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）は17位からのスタートとなる。
ライアン･ハンター‐レイ（#31 レッド･パウ･ロケットスポーツ･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）とリカルド･スペラフィコ（#11 ソニーズ･リアル･ピット･バーベキュー･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）はともに金曜日の予選セッションでタイムを記録できなかった。ハンター‐レイは1分22秒285（118.520mph）の自己ベスト･ラップを今日記録して、13位のスターティング･スポットを獲得。スペラフィコのベスト･ラップは1分22秒917（117.616mph）で16番グリッドを手に入れた。
今年で4戦目となるモルソン･インディ･モントリオールはアメリカ東部時間午後1時45分にスタートする。NBCスポーツで東部時間午後1時30分より、ライブで放映される。
予選トップ3のコメント
セバスチャン･ボウデイ（#1 マクドナルド フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）：「僕が望むすべては、クリーンなレースとなることだけだよ。クルマは十分に勝てるポテンシャルを持っていると、絶対的に信じている。このマクドナルド･カーは、この週末のすべてで速かった。明日のレースに向けて、良くないことはなにもないんだ。天気も良くなって、我々にとって素晴らしいレースとなって欲しいね。どうも今晩は一晩中雨のようで、明日はにわか雨になる可能性もあるんだ。どんなことが起きるか、明日になれば解ると思うけど、我々は雨のコンディションでも決して遅くはない。もし雨になっても、やるだけさ。ドライのほうがクルマの調子がとてもいいのは間違いないけどね」
オリオール･セルビア（#2 パシフィケア･フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）：「残りが1分だけだと解り、クルーが『最後のラップだ』と言ってきた。全部のコーナーの中で、第10コーナーを良くしたかった、第10コーナーだけだ。無事に終わって欲しかったし、赤旗で終わりたくはなかったよ。すべてがうまくいったのは、とてもラッキーだった。確かに、セバスチャンは僕よりコンマ5秒以上速いから、最高というわけではない。でも2位スタートは決して悪くはないよ」
ジャスティン･ウイルソン（#10 CDW フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン）：「とてもいい予選だったね。他のドライバーよりも早めにコースへ出たんだけど、良いタイミングだったし、いいタイムを出せてうれしかった。その後ポジションがじわじわと落ちはじめ、いつもの予選と同じように、みんな終盤に向けてスピードを上げていったんだ。レースはまた違ったものになるよ。スマートに、最初の周をうまく決めたい。とても長くて、タフなレースになるよ。何が起きたって不思議じゃないさ」
注目のポイント
・ニューマン/ハース･レーシングにとって、過去4年間のチャンプ･カーにおける9度目のフロント･ロー独占となる。セバスチャン･ボウデイとオリオール･セルビアのコンビでは、2度目のフロント･ロー独占だ（モントリオール、サンノゼ）。
・ニューマン/ハース･レーシングにとって過去56戦中、27回目のポール･ポジション。明日優勝すれば、過去63戦のチャンプ･カーのレースで29勝目となる。