CHAMP CAR

●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第7戦エドモントン【初日】大観衆を前にオールメンディンガーが大逆転を披露

<US-RACING>
冬季オリンピックの準備のためにカレンダーから外れたバンクーバーの代わりとして、今年から開催されることになったカナダのエドモントン。クリーブランドのエアポート・コースと同様のテンポラリー・ロード・コースに、あいにくの天気にもかかわらず初日から5万5772人もの観客が訪れた。前戦トロントでのチームメイトの初優勝に刺激されたのか、今日の予選トップはオールメンディンガー。それも残り1分のトップ躍進で、僚友ウイルソンを上回ってみせた。
●プラクティス1:2004年チャンピオンのボウデイがトップで幕開け
朝から曇り空となったエドモントンは、時おり小雨がぱらつく天気となった。気温22度とすごしやすいコンディションの中、午前10時15分、初開催となるエドモントンのコースに、チャンプ・カーが初めてコースインを開始する。クリーブランドと同じく、空港の滑走路と誘導路を使用したエドモントン。その最初のセッションでトップ・タイムをマークしたのは、昨年のチャンピオンであるボウデイだった。60.474秒を記録したボウデイに続き、2位はダ・マッタの60.594秒。3位オールメンディンガー、4位はウイルソンとルースポーツも好調だ。
●プラクティス2:オールメンディンガー、ウイルソンのルースポーツがワンツー
金曜日の平日ながら5万5772人もの観客が集まり、グランドスタンドはほぼ満員となっている。予選前の最終調整とも言うべきこのセッションで、トップとなったのはオールメンディンガー。59.458秒を記録したチームメイトに続き、ウイルソンも59.986秒とこのルースポーツの二人だけが1分を切る。3位はトレイシーだが60.525秒と差が大きく、初開催のコースで若手二人が非凡な才能を披露した。
●予選1:オールメンディンガーが残り1分でウイルソンを凌ぐ
10分間のインターバルを置き、注目の予選は午後2時25分にグリーンフラッグ。プラクティス1で大クラッシュを演じたルーキーのレンジャーが真っ先にコースインした。前戦のトロントで念願の初優勝を果たしたウイルソンは今回も好調で、開始から15分後にこれまでの最速となる59.229秒をマークする。この時、僚友のオールメンディンガーは左後ろのタイヤを壁に接触してパンクさせ、ピットに戻って修復を余儀なくされていた。
午後2時44分、2002年のチャンピオンであるダ・マッタも59.779秒を出して2番手に浮上。前回初優勝を逃したセルビアも59秒台に入れて3位に浮上してきた。しかし絶好調のウイルソンは残り7分でついに58秒台へ突入。58.954秒を記録して、後続をいっきに引き離す。勢いがあり、なおかつ安定した走りを見せるウイルソンの暫定ポールを誰もが確信した残り1分、最大のライバルともいうべきチームメイトのオールメンディンガーが58.628秒を叩き出し、トップに躍進してスタンドから大歓声が上がる。
接触というアクシデントをものともせず、最後の大逆転でオールメンディンガーがフロントローと1ポイントを獲得。2位はウイルソンと、ルースポーツのふたりだけが58秒台に入れてきた。3位は同じ空港コースの第5戦クリーブランドで、通算10度目のポール・トゥ・ウインを達成したトレイシーが入ったが、59.497秒。百戦錬磨の2003年チャンピオンも影が薄くなるほど、若手二人の活躍が大いに目立った予選となった。