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●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第6戦トロント【2日目】フォト&レポート

<US-RACING>

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午後から快晴となったトロント2日目は、予選時で気温33度まで上昇。昨日に引き続き蒸し暑い一日となった。午前のプラクティスでトップ・タイムを記録した昨年のウイナー、ボウデイは好調を維持して午後の予選でもトップ。2年連続ポール・ポジションを獲得した。ボウデイは予選前に行われる15分間のプラクティス終了間際、ターン8で左リア・タイヤをウォールに接触。タイヤは破損し、ホイールから外れた状態でピットに戻るアクシデントに見舞われていた。引き続き行われる予選タイム・アタックが心配されたものの、チームの懸命な修復作業で予選開始17分後にタイム・アタックを開始する。残り時間が迫っていた中で、走り始めてわずか4周後にはトップ・タイムを記録したボウデイ。結局そのタイムを破るドライバーは現れず、チーム・クルーの活躍に見事応える形でポール・ポジション獲得となった。「またトップに戻ってこられてよかったね。今年は良い時と悪い時があるけど、今日はすべてがうまくいったよ。予選前のプラクティスでミスをしてしまったが、チーム・クルーはタイム・アタックに間に合うように、マシンを直してくれたんだ。本当に良い仕事をしてくれた。明日もこの調子を保てるようにがんばるよ」と、予選後に話したボウデイ。このトロントでダリオ・フランキッティ以来となる2年連続ポール・ポジションとなった。明日のレースでは、2年連続ポール・トゥ・ウインを飾ることが出来るか?

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午前のプラクティスで2位となったウイルソンが、午後の予選でも2番手のタイムを記録。初日の予選でトップだったトレイシーがフロント・ローのポジションに着くため、予選3位からスタートすることになった。ボウデイが記録した予選トップ・タイムとの差はわずか0.002秒と、あと一歩だったウイルソン。明日のレースでトップを走る活躍を期待したい。一方、暫定ポールだったトレイシーは午後の予選で3位のタイムに留まったが、ボウデイとの差は0.042秒とトップ3のタイム差はあまりない。記者会見でトレイシーは、「残り2コーナーの時点でセバスチャン(ボウデイ)より速かったんだけど、前を走るクリスティアーノ(ダ・マッタ)に引っ掛かったよ。そのあとスピードを落としてタイム・アタックをするタイミングを狙っていたんだけど、レッド・フラッグが出て終わってしまったね。でも、マシンは昨日よりいいし、明日は良いレースができる。スタートではターン1を通ってから様子を見ることにするよ」と、レースに対して自信のあるコメントを語った。明日のターン1を最初に通過するのは、ボウデイ、トレイシーのどちらとなるか。スタートは見ものとなりそうだ。

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チャンプ・カーのレース・ウィークエンドに行われるペース・カーへの同乗は、ファンにとって特別な体験となるのは間違いない。このトロントでも、もちろんペース・カー・ライドは行われているが、2日目には昨年と同様チャンプ・カーのツー・シーター・マシンを使用した“バック・シート・ドライバー”が行われた。昨年はトレイシーがハンドルを握ったが、今年はタグリアーニがこのツー・シーター・マシンをドライブ。午後1時10分から40分まで、選ばれた人を後ろの席に乗せ、コースを周回した。チャンプ・カー・ドライバーの運転するマシンに同乗できる機会など滅多にないだけに、マシンを降りた人々はとても喜んでいた。

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今週末のエントリーだが、2人のドライバーが入れ替わっていた。まず、HVMで開幕戦から走行していたデンマーク出身のブレマーに代わり、現在デイル・コイン・レーシングから参戦しているリカルド・スペラフィコ(写真中央)のいとこ、アレックス・スペラフィコ(写真上)がシートを確保。ブラジル出身のアレックスは2003年にデイル・コイン・レーシングで2戦参戦し、昨年はマイ‐ジャック・コンクエスト・レーシングから8戦参戦した経歴を持つ。今年はリカルドがレギュラー・シートを得ていたが、やっと自身もチャンプ・カーに復活を果たした。前戦のクリーブランドでは、デイル・コイン・レーシングからタルソ・マルケスがエントリーしていたが、このトロントではスコットランド出身のライアン・ディエルが参戦する。2003年からアトランティック・シリーズに参戦し、昨年はランキング2位となったディエル。今シーズンは前半にシートを得ることが出来なかったが、今回ステップ・アップを果たし、チャンプ・カーに参戦することになった。昨年のアトランティック・シリーズでランキング1位となったジョン・フォガティは、現在アメリカン・ル・マン・シリーズに参戦。3位のダニカ・パトリックは周知のとおりIRLで大活躍している。また、ランキング4位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)となったアンドリュー・レンジャーは、今年チャンプ・カーのシートを得て2戦目で表彰台と絶好調。ディエルにとってやっとつかんだチャンスとなるだけに、このトロントで結果を残したいところだ。