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●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第1戦ロング・ビーチ【決勝日】ボウデイがチャンピオンに相応しい走りでロング・ビーチ初優勝

<US-RACING>
例年以上の観客が訪れた決勝日、快晴の空のもとで午後1時7分にレースがスタート。ポール・ポジションのトレイシーが好スタートを切るも、痛恨のミスでジュンケイラにトップを譲る。その後2スティント目にハイ・グリップタイヤを履いたボウデイが怒涛の追い上げでトップに躍進。終盤にトレイシーもハイグリップタイヤで追い上げるが、周回遅れに阻まれて追いつけず。ボウデイがロング・ビーチでの初優勝を決めた。
●ラップ・バイ・ラップ・レポート
・一周1.968マイル×81周=159.408マイル
・パレードラップの2周を加えると165.31マイル
・プッシュ・トゥ・パス・ボタンの使用は60秒間
・天候は晴れで気温は18度
・トラックレコード(レース)は、2004年にトレイシーが記録した104分12.348秒、平均スピードは91.785マイル
1時07分:グリーン・フラッグで第31回トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチの決勝レースがスタート。
Lap 1:全車クリーン・スタートを切る。トレイシーがリード。
Lap 2:ボウデイがプッシュ・トゥ・パス・ボタンを使用してターン1でウィルソンをパス、4位へポジションアップ。タグリアーニがグロックをかわして6位へ。
Lap 3:トレイシーがピット・スピード・コントロール・ボタンに触れて失速、ジュンケイラがパスして1位に浮上。2位から5位までは、トレイシー、ドミンゲス、ボウデイ、ウィルソンと続く。
Lap 6:ハンター-レイが2つポジションを上げ、スタート以来初めてトップ10に入る。
Lap 7:この時点でのプッシュ・トゥ・パス・ボタンの残りは、ジュンケイラ49秒、トレイシー48秒、ドミンゲス41秒、ボウデイ39秒、ウィルソン50秒。
Lap 8:イエロー・フラッグ。フィリープがインからパスを試みた(チームメイトの)レンジャー押され、ターン1のウォールにコンタクト。今季初のフルコースコーション。フィリープはセーフティクルーの押しがけでマシンを始動、ピットへと向かう。
Lap 9:レンジャー、ヴァッサー、マーシャル、スペラフィコ、フィリープがピット・イン。リーダー達はピット・インせずにコースに留まる。
Lap 11:グリーン・フラッグ。トレイシーがプッシュ・トゥ・パスを使用し、ターン1でジュンケイラをパスしてトップへ。
Lap 14:トレイシーがレース中のファステストラップ(70.189秒)を更新。
Lap 16:マクドナルドチームが無線で「燃費走行モードで、ドミンゲスの後方を維持」とボウデイに指示。「セバスチャン、車はどう?」の質問に、ボウデイが「PRETTY GOOD=すごくいいよ」と応答。
Lap 18:トレイシーが2.352秒のリードを保つ。6番手にポジションアップしていたグロックは、無線で「左リアのタイヤに、なにか起きている。挙動がおかしい」
Note:この時点でフィリープはまだピットレーンにいる。
Lap 20:ダ・マッタは無線で「マシンが良くない、この速さで精一杯だ」と報告。
Lap 22:ピット・インドウがオープン。ここでピット・インすると、ゴールまで残り1回のピット・インで走りきれるとみられる。
Lap 24:トレイシーがジュンケイラを大きく(3.555秒)引き離す。フォーサイス・チームはジュンケイラより速いピット・インを目指している模様。
Lap 25:ジュンケイラはレース・リーダーのトレイシーに遅れる事3.319秒。
Note:フィリープがコースに復帰する。この時点でレース・リーダーの18周遅れ。
Lap 26:グロックが今日最初のピット・インに向かう。
Lap 27:54周を残して、この時点でのトップ5はトレイシー、ジュンケイラ、ドミンゲス、ボウデイ、ウィルソンの順。
Lap 28:タグリアーニとダ・マッタがピット・イン。
Lap 29:トップのトレイシーがピット・インしたことで、ドミンゲスがトップにポジションアップ。ジュンケイラ、セルヴィア、マーシャルもピット・イン。
Lap 30:ドミンゲスがピット・インし、ボウデイがトップに立つ。ウィルソン、オールメンディンガー、ハンター-レイ、ヴィルドハイムもピット・イン。
Lap 31:イエロー・フラッグ。デル・モンテがターン8でスピン、コース上にマシンをストールさせてしまう。トップのボウデイがピット・イン。ブレマーもピット・イン。
Lap 32:ヴァッサーがトップに。トレイシー、ボウデイと続く。
Note:コースでストールしたデル・モンテをオフィシャルが再スタートさせようとしたが、トウ・ストラップが右後輪に絡まる。チャンプ・カー・セイフティ・クルーが巻き付いたストラップを解く。
Lap 35:グリーン・フラッグ。トレイシーは、ターン1でヴァッサーをパスして再びトップに立つ。ボウデイも続いてヴァッサーをパスして2位へポジション・アップ。
Lap 36:オルタネート・タイヤを履くボウデイはトップのトレイシー(ノーマル・タイヤ)を追いかけ、0.435秒差に迫る。
Lap 38:ターン1でボウデイがトレイシーをインからパスしてトップへ。
Lap 39:ヴァッサーとレンジャーは2度目のピット・イン。ジュンケイラはドミンゲスをパスして5位へ。
Lap 40:ボウデイは69.811秒のファステスト・ラップをマーク。
Lap 42:現在ルーキーではブレマーがトップ。
Lap 43:スペラフィコがフロント・ストレッチにおいてエンジン・オフの状態でスロー・ダウン、コース上に完全に止まってしまう。スペラフィコは無線でギア・ボックスの故障を報告。
プッシュ・トゥ・パス・ボタンの残りは、ボウデイ24秒、トレイシー21秒 、ジュンケイラ18秒、ドミンゲス7秒、ウィルソン16秒。
Lap 45:イエロー・フラッグ。コース上にマシンを止めたスペラフィコはリタイア。
Lap 46:ピット・オープン。まだ最後のピットストップには速すぎる周回。
Lap 47:グリーン・フラッグ。ボウデイがトップでターン1へ。ジュンケイラがトレイシーにアウトから仕掛けるが、パス出来ず。
Lap 48:トップ5はボウデイ、トレイシー、ジュンケイラ、ドミンゲス、ウィルソンの順。プッシュ・トゥ・パス・ボタンの残りは、ボウデイ24秒、トレイシー8秒、ジュンケイラ18秒、ドミンゲス0秒、ウィルソン16秒。
Lap 49:トップのボウデイが69.777秒のファステスト・ラップをマーク。
Lap 51:トップのボウデイと2位のトレイシーの差は3.612秒。ダマッタが2度目のピット・イン。最終ピットのウィンドウが開く。
Lap 52:ウィルソンが4位のドミンゲスにプレッシャーを掛け始める。
Lap 53:トップのボウデイがタイムアップ、ファステスト・ラップ69.598秒をマーク、2位トレイシーとの差を4.352秒に広げる。
Lap 54:ボウデイはさらに69.441秒のファステスト・ラップをマークし、2位トレイシーとの差を5.096秒差に広げる。
Lap 55:ボウデイが69.383秒のファステスト・ラップをマーク。
Lap 58:タグリアーニがピット・イン。
Lap 59:グロックがピット・イン。
Lap 60:3位のジュンケイラがピット・イン、ボウデイとトレイシーはコースに留まる。マーシャルもピット・イン。
Lap 61:ボウデイ、トレイシー、ドミンゲスが揃ってピット・イン。トレイシーとドミンゲスはオルタネート・タイヤを装着。オールメンディンガー、セルヴィアもピット・イン。ウィルソンがトップに。
Lap 62:ウイルソンがピット・イン、ブレマーがトップに浮上。
Lap 63:オルタネート・タイヤに交換したトレイシーがボウデイとの差を縮め始める。オルタネート・タイヤの温度上昇は速いようだ。ハンター-レイがピット・イン。
Lap 64:ブレマーが最後のピット・ストップに入る。この時点でトップ3はヴァッサー、レンジャー、ボウデイの順。
Lap 70:トップを走っているヴァッサーとレンジャーがそろってピット・イン。
ボウデイがトップに返り咲く。トレイシーが3位から2位にポジション・アップ
Lap 72:イエロー・フラッグ。レンジャーがターン6のタイヤ・ウォールにヒット。
Lap 75:ラップダウンのフィリープ、デル・モンテがピットレーンへ。
Lap 76:グリーン・フラッグ。ボウデイが先頭でターン1へ。ジュンケイラが残りのプッシュ・トゥ・パス・ボタンを使いきってドミンゲスをインからパスし、3位へポジション・アップ。ドミンゲスのプッシュ・トゥ・パス・ボタンは残りがなかった。
Lap 78:フィリープがターン8でオーバーラン、ランオフエリアに。
Lap 79:タグリアーニのマシンから煙が上がる。
Lap 80:ホワイト・フラッグ。ボウデイは3.730秒リード。
Lap 81:チェッカード・フラッグ。ボウデイがロング・ビーチ初優勝、トレイシー、ジュンケイラ、ウィルソン、ドミンゲスと続く。
ボウデイは派手なドーナツ・ターンで11回目の勝利を祝った。
ルーキートップはグロックの6位、次いでブレマーが7位。
ロング・ビーチ・グランプリを終え、チャンプ・カー・ワールドシリーズ第2戦は5月22日のメキシコ・モンテレイとなる。
優勝したボウデイのコメント:
「 正直なところ、今週末の流れからいって『トップスリーに入れれば』と思っていただけに、今日の結果には驚いている。もちろん、レースはやる気満々で勝つつもりで挑んだんだけど、(抜きどころの少ないストリート・コースで)4番手スタートから優勝出来るなんて、予想外だっただけにほんとうに嬉しい。素晴らしいレースになったね。チームクルーも素晴らしい仕事をしてくれた。チームに久しぶりのロングビーチの優勝をもたらす事ができたことも嬉しいよ。今日のブリヂストン・オルタネート・タイヤはとても速く、トップにたってからはリードを維持して、そのまま優勝する事が出来た。素晴らしい一日だった。シーズンのスタートとしても素晴らしいね」
2位トレイシーのコメント:
「今日の結果は嬉しい。ほんとうは『もっと行ける』と思っていたんだけどね。最初のスティントは良かったけど、その後マシンがそれほど良くならなくて、レース全体をとおして同じペースで走る事になったんだ。とにかくボウデイの追い上げは力強かった。彼がトップにたってから、後ろから見ていても実に堂々とした走りで、ぐんぐんアドバンテージを広げていったよ。最後のピットストップで差を縮めようと試みたが、ダメだった。同じ距離を保つだけで精一杯だった。素晴らしいレースだったし、ファンにとっても最高のイベントだったと思う。こういうレースで良い結果が残せたことは嬉しいし、全体的に見れば素晴らしい週末だったね」
3位ジュンケイラのコメント:
「今日はOKというところかな。パシフィケア・カーはとても速くて、素晴らしいスタートを切る事ができた。中盤はトレイシーのすぐ後ろを走って、燃費を稼ごうとしていたんだ。実際、今日はとても燃費が良かったよ。終盤に単独で走った時も、マシンはほんとうに速かった。とはいえ、レース全体を通じて最高の状態とは言えず、苦しい局面もあっただけにドミンゲスを抑えて3位に入れただけでも十分に満足している。良いレースを戦うことができたし、ファンにとっても良いレースだったと思う。来年もまたロング・ビーチに戻ってくるのを楽しみにしているよ」