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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第12戦 シカゴ【プラクティス1】レポート

<US-RACING>
第12戦の“ターゲット・グランプリ”が行なわれる“シカゴ・モータースピードウェイ”はシカゴ・ダウンタウンから車で約15分西南に位置する。コースは1周1.209マイル、最大バンク角9度で、比較的オーソドックスなレイアウトを持つショートオーバルだ。CARTシリーズの開催は昨年に引き続き今回が2度目となる。

チップ・ガナッシがオーナーの一人として名を連ねるこのスピードウエイ。昨年のレースはマックス・パピスが初のポールポジションを獲得し、レースではファン・モントーヤが優勝。ガナッシは自分のスピードウエイの記念すべき第1回目のレースで、見事優勝を果たす事になった。前戦のミシガンに続き、ガナッシの2連勝はなるか。

今回はミモ・ギドリィが前回11戦に引き続き、デラ・ペナ・レーシングからエントリー。また前回の第11戦の予選でクラッシュを喫した黒澤琢弥は、骨折などは無かったもののCARTの専属医らとの相談の上、今回大事を取って休場。代わりにガルター・サレスが、デイル・コインレーシングからエントリーしている。

午前10時15分、最初のプラクティスに先駆け、シルベスタ・スタローン製作の映画“ドライブン”の走行シーンの撮影が行なわれた。今回は、数台のマシンがサイドバイサイドで走行するシーンを車載カメラの使用を含めて行なわれたようだ。午前中のプラクティスは、前回のオーバル戦である“ミシガン500”の予選順位をもとに、二つのグループに分けて行なわれた。曇り空で時々晴れ間がのぞくといった中、気温28度、路面温度は36度というコンディションで、まず午前10時30分に遅い方のグループ1のプラクティスセッションがスタート。スタート後10分が経過した時点でのトップタイムは、以前このシカゴで行われたオープンテストでトップタイムを出しているクリスチアーノ・ダ・マッタ(23.241秒)で、以下エリオ・カストロネベス(23.269秒)、ミシェル・ジョルダインJr.(23.638秒)と続く。その後20分が過ぎ、今度はカストロネベスが23.062秒でトップに立つが、30分経過時点ではまたダ・マッタが22.983秒とタイムを更新してトップとなる。3番手にはオリオール・セルビア(23.259秒)が上がってきた。

11時15分、チェッカーフラッグが降られ、最初のグループのセッションが終了。順位はダ・マッタ(22.983秒)、2番手カストロネベス(23.062秒)、そして3番手がセルビア(23.259秒)というオーダーだ。

11時30分、前回のミシガンの予選で速かった方の第2グループのプラクティスがスタート。ところがその8分後、クリスチャン・フィッティパルディが走行5周目にターン2でスピン、コーナーの出口付近でコンクリートウォールに激突しマシンを大破させしまう。このためセッションは中断、フィッティパルディはCARTレスキュー隊によってマシンから運び出され、そのまま市内の病院へと運ばれる。

11時57分、CARTオフィシャルによりコース上の安全が確保され、ようやくプラクティスが再開。この時点でのグループ2のタイムは、トップが23.007秒のファン・モントーヤで、以下パトリック・カーパンティエ(23.195秒)、マックス・パピス(23.216秒)と続く。セッションスタート後40分が過ぎた時点で、ルーキーのケニー・ブレックが、非公式ながら、17周目に22.626秒のコースレコードタイムをマーク(旧コースレコードは、マックス・パピスが昨年の予選で出した22.788秒)、一躍総合トップとなる。この後チームメイトのパピスが自らのレコードタイムを上回る22.720秒のタイムをマークするが、ブレックのタイムには及ばず、総合2番手。

12時15分、チェッカーフラッグが降られ、1位ブレック(22.626秒)、2位パピス(22.720秒)、3位モントーヤ(23.007秒)のオーダーで最初のプラクティスセッションが終了した。

プラクティス結果をエンジンメーカー別に見ると、チーム・レイホールのフォードがワン・ツーで、トヨタが3位・4位、ホンダはチーム・ペンスキーの2台が5位・6位。メルセデスはトニー・カナーンの13位が最高位となった。

なお、プラクティスセッション中のアクシデントで病院送りとなったフィッティパルディは、容態は安定しているものの、ウォールに激突した衝撃で一瞬意識不明となったことで、CARTのレギュレーションにより、この第12戦のエントリーから外されることとなった。また次回以降のエントリーについても、CART専属医師であるスティーブ・オルベイの診断を受けてからその判断が下されることとなる。