ALMS

ハイクロフト・レーシングがアキュラにALMS総合初優勝をもたらす

<Honda>

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アメリカン・ルマン・シリーズ第5戦ライムロック・パーク
■開催日   : 7月12日(土)
■開催地   : コネチカット州レイクビル
■サーキット : ライムロック・パーク
■コース全長 : 2.464km

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 アメリカン・ルマン・シリーズ第5戦が12日(土)にライムロック・パークで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組が、総合初優勝を飾った。これはアキュラにとって、アメリカン・ルマン・シリーズ参戦2季目での総合初優勝である。

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 パトロン・ハイクロフト・レーシングは、4月のロングビーチでの最終周でブラバムが#7 ペンスキー・ポルシェをかわしての勝利に次ぐ、今季2度目の優勝を果たしたが、レース序盤でシャープが数台のマシンと接触し、決して容易な勝利ではなかった。チームスタッフのリアウィングの素早い交換で、シャープはリードラップを保持した。シャープから残り90分を託されたブラバムは、126周目に4番手から2番手に上がった。残り40周はチェッカードフラッグに向けての全力の走りで、ブラバムとティモ・バーンハード(ペンスキー・ポルシェ)による周回後れのマシンをかわしてのスリリングな競り合いは、最後まで予測不可能だった。ブラバムは2時間45分のレース残り8分、5.5秒差でバーンハードを追っていた。そして、第1コーナーでバーンハードをアウトサイドからパスするアメリカン・ルマン・シリーズ史上に残る素晴らしい走りを見せた。予選でのポールポジション獲得とアキュラにとって初となる総合優勝を飾り、パトロン・ハイクロフト・レーシングにとって夢のような週末となった。

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 #15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組は、燃料節約作戦によって3番手まで順位を上げたものの総合5位、LMP2クラス4位でフィニッシュした。
 #26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を駆るIndyCarシリーズのスター、マルコ・アンドレッティとルマンのベテラン、フランク・モンタギューは、27台のマシンの最後尾からスタート。IndyCarシリーズの土曜日のナッシュビルでのナイトレース前に参戦したアンドレッティは、8番手まで順位を上げてモンタギューにマシンを託し、総合6位でフィニッシュした。

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 #66 パナソニックELSサウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)は、上位ポジションからのスタートだったが、苦しいレースとなった。サイモン・ペジノ/ジル・ド・フェラン組は、電気系のトラブルにより数回のピットストップを余儀なくされ、総合14位、LMP2クラス7位でレースを終えた。

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■ハイクロフト・レーシング:総合優勝

デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「難しいレースだった。砂が路面を舞っていて簡単にミスを起こしやすい状況だったが、勝利できてとても嬉しい。終盤のペンスキーのマシンとの競り合いは難しかった。第1コーナーの外側からティモ(・バーンハード)をパスした動きは、ドライバーにとって夢の展開だ。マシンはとても素晴らしく、残り1、2周でアウトサイドからパスできる確信があった。マシンはグリップがよく、とにかく全力を尽くすだけだった。チームにとってホームレースでの大きな勝利となり、アキュラにとってアメリカン・ルマン・シリーズでの総合初優勝となったことをとても嬉しく思う。アキュラとホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)の全ての関係者が勝利に向けて尽力した。完全に新しいオペレーションでスタートした去年を考えると驚くべき進歩だ。このライムロックでの総合優勝は、我々にとってふさわしいクライマックスとなった。」

スコット・シャープ(Scott Sharp)
「素晴らしい勝利だった。来週のミッドオハイオ同様に相性のよいサーキットだった。1周目の第1コーナーで1台のペンスキー・ポルシェが接近してきた。混戦に巻き込まれたくなかったのだが、マシンはコースからはじかれ、ペンスキーとアウディにかわされた。苛立ちながらも懸命のドライブを続けた。我々は早期にマシンがオーバーステアが強くなると予測していた。レース序盤のアクシデントでペジノに何が起こったのか分からないが、シケインでペジノの接触を受けてスピンした。とにかくトラブルを回避して、終盤にデイビッドに良い状態でマシンを託したかった。作戦も功を奏し、ダンカン(・デイトン)とスタッフが素晴らしい仕事をしてくれた。」

ダンカン・デイトン(Duncan Dayton):チームオーナー
「初めてというのは常に難しいことで、ロングビーチは我々にとって大きな勝利だった。スコットが接触を受けピットストップを余儀なくされたが、シャシースペシャリストのニック・ワースとスタッフのタイムロスのない素早いリアウィングとフロアの交換は見事だった。そして、何よりロングビーチ同様のデイビッドの走りは素晴らしかった。スコットもレース序盤、マシンから空力パーツが落ちながらも頑張ってくれた。アメリカン・ルマン・シリーズのレベルはとても高く、総合優勝はとても名誉なことだ。チーム関係者を誇りに思う。我々はすでに来週のミッドオハイオでのアキュラ・スポーツカー・チャレンジでの勝利に向かっている。」

ロブ・ヒル(Rob Hill):チームマネージャー
「今日のレースでは、燃料面で賭けに出ていた。レース残り2分は祈る気持ちでいた。もし燃料が足りなくなれば、大きな時間のロスとなっていた。終盤のデイビッドはやはりデイビッドだった。デイビッドは必ず期待に応えてくれる素晴らしいドライバーだ。チームにとって貴重な勝利となった。」

エリック・バークマン(Erik Berkman):HPD社長
「アキュラとHPDにとってこれ以上素晴らしい結果はない。フロントローでのアキュラ勢同士のぶつかり合いとなり、激しいレースとなった。我々はレース中盤の接戦に注意した。パトロン・ハイクロフトチームは迅速なピット作業で、リードラップを守った。今日の勝利を実現するために最大限に尽力したロバート・クラークもきっとそうであるように、アキュラチーム関係者を誇りに思う。まだ若いアキュラチームは総合優勝を果たし、新たな歴史を刻んだ。しかし、更に努力を続けていかなければならない。ダンカンと全てのパトロン・ハイクロフト・レーシング関係者を祝福したい。」