ALMS

ハイクロフト・レーシングがLMP2クラス初優勝を飾る

<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第3戦ロングビーチ
■開催日   : 4月19日(土)
■開催地   : カリフォルニア州ロングビーチ
■サーキット : ロングビーチ
■コース全長 : 3.186km
 アメリカン・ルマン・シリーズ第3戦ロングビーチが19日(土)に開催され、ハイクロフト・レーシングのデイビッド・ブラバムがストリートコース70周目の第8コーナーでロマン・デュマ(ペンスキー・ポルシェ)をかわして激戦が繰り広げられるLMP2クラスを制した。ハイクロフト・レーシングにとって、アメリカン・ルマン・シリーズ初勝利となり、アキュラにとっては2007年のシリーズ参戦以来、2度目の勝利となった。
 第3戦はロングビーチ湾そばの11のコーナーを配す1.98マイルのコースで開催された。1時間40分のレースは、ラスト10周でブラバムがトップを3秒差で追う、アキュラとポルシェによるバトルとなった。スコット・シャープから46周目に#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを託されたブラバムは、デュマと素晴らしい接近戦を繰り広げ、5番手からトップを奪った。71周で振られたチェッカーフラッグを受けたブラバムは2位に1.06秒の差をつけて勝利を得た。チームにとって、2週間前のセント・ピーターズバーグでの2位を上回る最高位でのフィニッシュとなった。これによりブラバムは、アメリカン・ルマン・シリーズでの13度目の勝利を飾り、同シリーズ10年の歴史上、4クラス全てで勝利を飾った初めてのドライバーとなった。これまでブラバムは、4クラス全てでポールポジションを獲得した初めてのドライバーとしてアメリカン・ルマン・シリーズに記録を残しており、兄ジェフが記録した1981年と82年のフォーミュラ・アトランティックでの勝利に加えて、ブラバム家のロングビーチでの勝利記録を更新した。
 LMP2クラスでブラバムとシャープを猛追していたのは、チーム・ペンスキーのロマン・デュマ/ティモ・バーンハード組、パトリック・ロング/サーシャ・マーセン組と、#26 XMサテライトラジオ・アキュラを駆るブライアン・ハータ/クリスチャン・フィッティパルディ組だった。前回のロングビーチでのオープンホイールレース・ポールウィナーであるハータは、46周でフィッティパルディと交代するまで、2番手につけていた。アンドレッティ・グリーンのスタッフの素晴らしいピットワークで、フィッティパルディは2台のポルシェとアキュラと壮絶なバトルを繰り広げ、4位でフィニッシュした。
 また、18日(金)に、ド・フェラン・モータースポーツが新たなスポンサー契約を結び、サイモン・ペジノをドライバーとして起用したことがチームオーナーのジル・ド・フェランによって発表された。次戦ユタグランプリからアメリカン・ルマン・シリーズLMP2クラスに参戦する。
■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス1位(総合3位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「ロマンに対して、かなり強引な追い抜きだった。ストレートではペンスキーのマシンの方がやや速いが、コーナーでは彼らよりも速いと信じていた。今日は何かがついていると思っていたし、そのチャンスを狙っていた。最初のコーナーでシフトダウンし、次のターンまでにはペンスキーのマシンをとらえることができた。自らのスティント序盤でフロントウィングにダメージを負い、マシンの空力面では良い状態ではなかったが、追撃を続け、追い抜くためのスポットを探し、追い越しに成功した。ブラバムがロングビーチのウィナーズサークルに再び戻ったことは素晴らしく、パトロンのタイトルレースであり、アキュラの本拠地といえる場所で勝利できたことはとても大きい。アメリカン・ルマン・シリーズの4クラスでの勝利はとても嬉しいが、今日のチームの尽力ほど素晴らしいものはない。練習走行の開始された木曜日時点ではマシンの状態は良くなかったが、スタッフはバランス向上に努め、スコットと共にレースに向けて取り組んだ。私とチームにとって、最高の勝利となった。」
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「デイビッドのようなとてもオープンに接してくれるチームメートを得たことをとても幸運に思う。パトロンにウィナーズサークルをプレゼントできたことがとても嬉しい。木曜日にマシンのセットアップがうまくいかず、今週はあまり走れなかった。デイビッドはマシンをよい状態にしてくれた。まだ、最初の5周でのブレーキングポイントを見極められていない。マシンが良い状態になったと感じた後は、安定したラップを刻んだと思う。この勝利にとても満足している。スタッフとレース前に、優勝トロフィーを他のチームに渡したくないと冗談混じりに言っていた。今、トロフィーは我々のスタッフに渡された。最後まで走ることができれば、我々は勝利のチャンスがあると信じていた。」
ダンカン・デイトン(Duncan Dayton):チームオーナー
「今回の勝利を得るためにどれだけ力を注いだか想像できない。ロングビーチでの勝利は、チーム関係者にとって大きな賛辞となった。去年から、我々を支援するために尽力してくれたHPDとアキュラのサポートに心から感謝している。パトロンのタイトルレースに勝利でき、彼らにとっても最高の結末となった。ロングビーチは華やかなモータースポーツの歴史があり、ここで勝利できたことを光栄に思う。木曜日はマシンのセットアップに苦戦し、レースのために議論しなければならなかった。チーム・ペンスキーに代わって表彰台の頂点に上りつめたことは最高の気分だ」
ロブ・ヒル(Rob Hill):チームマネージャー
「パトロン・ハイクロフト・アキュラチームにとって大きな勝利となった。ロングビーチでの勝利は特別だ。ロングビーチは、CARTのガナッシ時代を考えても相性が良い場所だ。チームはまだ模索しているが、デイビッド、スコットと共に、今日の勝利に貢献したチームスタッフをとても誇りに思う。パトロンがメインスポンサーのレースであり、アキュラの本拠地近くで勝利できたことはとても特別なことだ。デイビッドのペンスキー・ポルシェに対する追い越しは素晴らしく、ドライビング能力の高さを証明した」
ジャック・スパーニー(Jack Spurney):HPDジェネラルマネージャー
「この勝利は、努力の積み重ねとHPDと我々アキュラレーシングチームのサポートの結果に他ならない。多くのスタッフの尽力がアキュラを勝利まで導いた。アキュラとHPDの本拠地であるロングビーチの表彰台の頂点に立つことはとても特別なことだ。ダンカン・デイトンとパトロン・ハイクロフト・レーシングアキュラチームに与えられるべき賛辞を送りたい」