<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ第18戦サーファーズパラダイスNikon Indy 300>
【日 程】2008年10月24〜26日
【開催地】オーストラリア・クイーンズランド州エルストン
【コース】サーファーズパラダイス特設コース
【距 離】市街地特設コース:2.795マイル(4.497km)
【天 候】25日:晴れ/気温22〜23℃
【時 間】午後1時10分〜(日本時間25日午後0時10分〜)
■■■10月25日予選■■■
<IRLインディカー・シリーズがオーストラリアで初のレース開催>
今回のオーストラリア、サーファーズパラダイスでのレースは選手権ポイントがかからないイベントである。IRLインディカー・シリーズは2008シーズン開幕直前にチャンプカー・ワールドシリーズを併合し、その時にこのイベントの開催が決まった。レースの舞台となるのは、クイーンズランド州の州都ブリスベンから南に約80km下ったサーファーズパラダイスという街だ。
サーファーズパラダイスはゴールドコースト沿いのリゾート地で、目前には太平洋が広がっている。この海岸沿いの美しい市街地に全長2.795マイルのサーキットが設定された。ゴールドコースト、サーファーズパラダイスという名にぴったりの温暖で快適な街で、24台のインディカーが激しい予選を繰り広げた。
<初めて走るサーキットに果敢にチャレンジ>
24日(金)にまずプラクティスが2回行われ、昨年までここでのレース経験を持つ元チャンプカー・シリーズ出場ドライバーたちがペースセッターとなった。武藤は1回目のプラクティスで1分39秒4673の自己ベストをマークし、15番手につけた。
プラクティス2回目、武藤は1分38秒8353を記録し、ポジションをひとつ上げて14番手。ストリートコースとしてはスピード域が高く、シケインなどに備えられた縁石がマシンの挙動を乱す難度の高いコースで、武藤はタイヤがベストコンディションのタイミングで周回をまとめられなかった。しかし、プラクティス2回目にセッティングを向上させることに成功。2回のセッション総合での順位は15番手だったが、トップ10入りを狙えるマシンに仕上げることができた。
<予選を前に突然の雨>
走行2日目の土曜日、3回目のプラクティスが終了した後、短い時間だったが強い雨が降った。予選開始とほぼ同時にもう一度雨が降り、それまでのプラクティスまでとは一転、スターティンググリッドはウエットコンディションで争われることに。武藤のマシンはドライでのパフォーマンスは上がってきていたが、ウエットでの戦闘力は高くはなかった。また、フルコースコーションで寸断された予選では4周しかアタックを行えず、その4周目に自己ベストとなる1分53秒3353をマークしたもののグループ内の8番手に留まり、予選第2ステージに進出することができなかった。
26日(日)の決勝(日本時間午前11時40分〜)で、武藤は8列目アウト側の16番グリッドからローリングスタートを切る。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「チームの中ではマシンの調子も悪くないし、決勝はドライのセッティングでいく」
「サーファーズパラダイスのストリートコースは路面のグリップが低く、コーナーの数も多いので、走行経験が大きく影響していますね。でも、難しくて面白いコースだと感じています。予選は難しいコンディションでの戦いになりました。ウエットコンディションでインディカーを走らせるのは第2戦セント・ピーターズバーグ以来でしたし、今日の予選ではコンディションが変化し続けていました。思っていたよりもレインタイヤの消耗が早く、最後の方は走りがかなり厳しくなっていました。もう少し後のタイミングで走り始めれば良かったのかも……。ドライコンディションだったら、第1ステージのトップ6に食い込むことができていたかもしれません。
僕のマシンはチームの中で最もリアのグリップのないセッティングにしていたのですが、それがウエットでは悪い方に出ていました。トップグループに比べるとスピードが不足していますが、チームの中で比べれば自分のマシンはドライでは悪くはない。ただ、僕らのチームはテストをもっとたくさん行う必要がありますね。明日もセッティングは今日までのものでいきます。順位をひとつずつ着実に上げていき、上位でフィニッシュできるように頑張ります」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「ドライならトップ6に食い込めたはずだったが……」
「今回のレースを我々はある意味でテストセッション的なものと捉えている。今シーズンのヒデキはロードコース、ストリートコースでのテストをほとんどできなかったが、チームにはいくつかトライしたいセッティングのアイデアがあったからだ。レースウイークエンドで試すにはリスクが大きいものもあったので、それらを今回投入してみようと考えた。
今回はデトロイト用のセッティングをベースに、いろいろなセッティングを試している。いくつかは良い結果をもたらし、いくつかは期待どおりではなかった。テストセッションであるという考えからすれば、ここまでのところ僕らは大きな成果を挙げてきているが、タイムはコンペティティブではない。
予選はウエットコンディションになった。テストという観点では良かったが、自分たちのマシンの状態を考えると、ドライの方がチャンスは大きかった。第1ステージでトップ6に食い込むチャンスは十分にあったはず。ウエットは自分たちには不利な状況で、クリアラップを取ることもできなかった。3回目のプラクティスの後に雨が降ったので、このエリアに雨が残っている可能性は考えていたが、路面が乾いていく方向だったのでドライでのセッティングのベースは保ったままとし、ダウンフォースを増やしただけにした。
日曜日のレースではポジションを上げていくことができると思う。ドライでの戦いとなれば、僕らのマシンは決して悪くないはずだ」
■■■予選結果■■■
2.795マイル(4.497km) 出走24台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 8 W.パワー 1’34.9451 105.977(170.553)
2位 9 S.ディクソン 1’35.7672 105.067(169.089)
3位 6 R.ブリスコー 1’35.8007 105.031(169.031)
4位 10 D.フランキッティ 1’35.9336 104.885(168.796)
5位 17 R.ハンターレイ 1’36.4030 104.374(167.974)
16位 27 武藤英紀 1’53.3353 88.781(142.879)