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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第12戦 オランダ[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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めまぐるしく天候が変わる難しいコンディションの予選を制したのは、ジャスティン・ウイルソンだった。予選開始直前に降り出した小雨が一旦止んだ後、セッション終盤に再び降り出し、終了間際には再度止むなど、トラック・コンディションは終始不安定な状態に見舞われる。多くのドライバーがこの難しい状況に苦慮するなか、こういった天候が多いイギリスの出身であるウイルソンは、的確にちょい濡れ路面を捉えていた。そして、急速に路面が乾きつつあったセッション終了直前にスパートをかけ、1分30秒656の最速タイムを記録。トップに立っていたルーキーのシモン・パジノウから、初日のポール・ポジションを奪い取った。「マシンは最高だったね。チームのみんなには感謝しているよ。彼らは今週末ハードに働いて、ウエットで速いマシンに仕上げてくれた。ドライでも速いかどうかはわからないけど、今週末は僕たちにツキあると思っているよ」と大喜びのウイルソン。明日の予選と日曜日の決勝も不安定な天候が予想されているため、今週末はウイルソンの日となるかもしれない。

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ウイルソンに逆転を許したルーキーのシモン・パジノウ。今シーズン、ルーキーながら安定した速さを見せる昨年のアトランティック・シリーズ・チャンピオンは、雨の中でもそのパフォーマンスを遺憾なく発揮してみせる。トップに立っていたセッション終盤には雨が降り出し、このままポールが確定するかに見えた。しかし無常にも雨は止んでしまい、ウイルソンがパジノウのタイムを上回ることになった。パジノウもタイムをさらに縮めるべくアタックに出ていたが、2周連続で渋滞にはまってしまい、ポールを逃してしまった。「最初から最後まで素晴しいマシンだったよ。でも最後の2周はブロックを受けてしまったんだ。最後の1周をまとめることが出来なかった。チーム・オーストラリアがほんとうに素晴しいマシンを用意してくれたのに、その期待に応えることができなくて少し悔しいね」と残念がるパジノウ。明日の最終予選で再びキャリア初のポール・ポジション獲得に挑む。

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3位にもルーキーのグラハム・レイホールが飛び込み、若手がウイルソンを除くベテラン勢を圧倒した。先週のベルギーで3位表彰台を獲得したレイホールは、今週も好調そのもの。ドライ・コンディションの速さもさることながら、雨の中ではチームメイトで3年連続チャンピオンをセバスチャン・ブルデイを上回る活躍を見せている。だが、グラハム自身はドライを望んでいたようで、この3位のポジションにも浮かない表情をみせていた。「もしドライになっていれば、もっと良い予選セッションになっていたはずだよ。僕たちのマシンは、ドライでとても良いことは確かなんだ。不運にも、雨が降ってきてしまった。雨でも速いことは証明できたけど、ドライになったほうが良かったね」と語るレイホール。明日の予選も天候不順のようだが、天気はグラハムの味方をしてくれるだろうか。

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先週行われたババリア市での市街地デモンストレーションでは、50万人にも及ぶ観衆から、イベントに参加したルノーF1のドライバーを凌駕する声援を受けたドーンボス。このアッセンにも大勢の観客が詰めかけており、サーキットはドーンボス・ファン一色という感じになっている。その期待に応えたいドーンボスだったが、今日はトップ5に入ることが出来なかった。路面が乾き始めたセッション中盤には、スリック・タイヤでアタックするギャンブルに出るが、直後に再び雨が降り出したために失敗。結局その後もタイムを上げることが出来ず、7位で初日を終えた。だがドーンボスの表情は明るく、「明日はポールを獲りに行くよ。地元ファンの前でできる限りのベストを尽くすつもりさ」と、最終予選での巻き返しを誓った。

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ヨーロッパ・ラウンド第2戦の舞台に選ばれたTTアッセン・サーキット。MotoGPのホスト・サーキットとしても有名なアッセンは、現在ポイント・ランキング2位につける活躍を見せている地元ドライバーのロバート・ドーンボスのおかげで、チケット・セールスの好調が伝えられている。今日は、一日中はっきりとしない天候が続いたものの、ホーム・ストレートのグランド・スタンドはドーンボスを応援するファンの熱気に包まれていた。