CHAMP CAR

雨のウイルソンがオランダの暫定ポールを獲得

<Champ Car World Series>
バーバリア・チャンプ・カー・グランプリ・オブ・オランダの第一予選は、真の実力と戦略が試されることになった。トラックがウエットからドライへ変わり、再びウエットとなった後に再度ドライとなるオランダの気候は、今日の予選に大混乱をもたらした。雨は初日の予選が始まる直前のプラクティス・セッション中に降り出し、すべてのチームはブリヂストン・ポテンザ・レイン・タイヤと、セット・アップに若干の変更を加えてドライバーを送り出した。
雨が降るなか、ジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)は最速タイムを記録し、雨の中での巧みなドライビングを再び見せ付けた。ウイルソンは予選セッションのほとんどの時間でフランス人のシモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)とバトルし、パジノウは雨が止んでトラックがドライになり始めたところで、速いタイムをマークすることが出来た。パジノウはチャンプ・カーでの自己ベスト・ポジションを獲得する途中、最速タイムを保持し、セッションが残り10分となったところで再び雨が降り出した。ライバルたちにとって幸いだったのは、この雨が和らいで急速にTTアッセン・サーキットが乾き始めたことで、暫定ポールを獲得する最後のチャンスが全員に与えられた。
暫定ポールを掴んだジャスティン・ウイルソンは、2周立て続けに速いラップを刻んで最速タイムを記録。パジノウはその後に続いた。ウイルソンが雨の中で記録した1分30秒656のタイムは、今月のはじめに2006年のチャンプ・カーでマークされたアッセンのサーキット・レコードに1秒以上及ばなかった。若いアメリカ人のグラハム・レイホール(#2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、3位となった。
3人のドライバーがセッション中にペナルティを受けた。ポール・トレイシー(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、セッション序盤にスピンを喫してレッド・フラッグを出す。一方、ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、トリスタン・ゴメンディ(#22ペイ・バイ・タッチ-メガスピエラ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、セッションの最後にチェッカード・フラッグを無視したことで、最速タイムを取り消された。このペナルティによって、ゴメンディの最終結果は3位から4位に下がり、パワーは7位から10位に転落した。
スペイン人のオリオール・セルビア(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)が5位に入り、シリーズ・ポイント・リーダーのセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、6位に留まった。ブルデイはこのウエット・セッション中に6周しか走らず、明日と日曜日のレースで雨が降ったときのために、タイヤを温存する選択をした。
オランダ人のロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)は、地元ファンの前で7位に入る活躍を見せることが出来た。セッション中盤にあった短いドライの時間に、ドーンボスはスリックのブリヂストン・ポテンザ・タイヤに付け替えるギャンブルに出たものの、再び雨が降り出したために1周でピットへ戻らなくてはならなかった。
カナダ人のアレックス・タグリアーニ(#8ロケットスポーツ・コスワース/DP01/ブリヂストン)とポール・トレイシーは、それぞれ9位と10位となった。
ファノス・ヨーロピアン・チーム・カップのタイトル争いは、ニューマン/ハース/ラニガン・レーシングがレイホールとブルデイの活躍によって、そのリードをさらに0.5ポイント広げた。ウィル・パワーとシモン・パジノウの二人が所属するチーム・オーストラリアは2位を守っている。
バーバリア・ビール・チャンプ・カー・グランプリ・オブ・オランダ・プレゼンテッド・バイ・アウディ、グラン・ハーツ、パイオニア・アンド・ジャンボの最終予選は、土曜日の現地時間午後2時(アメリカ東部時間午前8時)に始まる。9月2日、日曜日の現地時間午後1時(東部時間午前7時)に開始予定のレースは、ヨーロッパではユーロスポーツ2、アメリカではESPNクラシックで視聴可能。また、レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・シリーズの公式ウエブ・サイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターを通じて観ることが出来る。
トップ3インタビュー
ジャスティン・ウイルソン:「#9CDWのマシンは最高だね。チームのみんなには感謝しているよ。彼らは今週末ハードに働いて、ウエットで速いマシンに仕上げてくれた。ドライでも速いかどうかはわからないけど、今週末は僕たちにツキあると感じていた。だから雨が降り出したときには“運が向いてきた”と思ったね」
シモン・パジノウ:「最初から最後まで素晴しいマシンだったよ。でも最後の2周はブロックを受けてしまったんだ。最後の1周をまとめることが出来なかった。チーム・オーストラリアがほんとうに素晴しいマシンを用意してくれたのに、その期待に応えることができなくて少し悔しいね」
グラハム・レイホール:「前の方になることはいつも気分が良いね。もしドライになっていれば、もっと良い予選セッションになっていたはずだよ。僕たちのメディ|ゾーンのマシンは、ドライでとても良いことは確かなんだ。不運にも、雨が降ってきた。雨でも速いことは証明できたけど、ドライになったほうが良かったね」