CHAMP CAR

ポール・トレイシーが大荒れのチャンプ・カー・グランプリ・オブ・クリーブランドで、キャリア31勝目を飾る

<Champ Car World Series>
バーク・レイクフロント空港で行われたチャンプ・カー・グランプリ・オブ・クリーブランド・プレゼンテッド・バイ・ラサール・バンクの6周目までは、ポール・トレイシー(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)が、レース・クイーンから優勝トロフィーを受け取るよりも、国家運輸安全委員会から調査を受けるのが適当といえた。この2003年チャンピオンは異なる2つのアクシデントに関係し、レース序盤で2回もフロント・ウイング交換をする羽目になった。しかし、抜け目のないこのベテランと彼のフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングは、誰よりも的確な燃料戦略で勝利をつかみ取った。
トレイシーの刺激的なレースは4周目から始まり、まずグラハム・レイホール(# 2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、ターン4で接触してフル・コース・コーションを出した。その後のリスタートでもトレイシーは再びアクシデントを起こし、今度はブルーノ・ジュンケイラ(#19サニーズBBQコスワース/DP01/ブリヂストン)とターン1で接触。このブラジル人をリタイアに追い込むと、トレイシーは3個目のフロント・ウイングを付けるためにピットへ戻ってきた。
このトラブルが後方で起きていた一方で、セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、チーム・オーストラリアの二人組、ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、シモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は集団との差を広げていき、ポディウム獲得が簡単なことのように見せた。ブルデイとパワーは序盤からテイル・トゥ・ノーズで走り、3度のディフェンディング・チャンピオンであるブルデイがピット・インすると、パワーがブルデイより1周多く走ったアドバンテージと素早いピットストップを利用してリードを奪う。パワーは2度目のピット・ストップも他の上位陣より1周多く走ることができ、トップのポジションを守った。
先頭集団がそれぞれのレース戦略を遂行するなか、中段グループはイエロー・コーションのアドバンテージを利用して燃料を満タンにする。レース終盤を迎える67周目にフル・コース・コーションとなり、ダン・クラーク(#4ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)が、ターン7とターン8の間でスピンを喫し、他方ではブルデイがメカニカル・ドラブルによってリタイアを強いられることになった。パワーとパジノウに続いて、Rスポーツのジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)とアレックス・タグリアーニ(#8LXN2コスワース/DP01/ブリヂストン)が、最後のメタノールを補給するためにピットへ向かい、彼らはトップ5のポジションを明け渡した。
リードを引き継いだのはトレイシーで、18歳のレイホールが2位に躍進。父親と同じようにクリーブランドでチャンプ・カーの初勝利をあげることを狙っていたレイホールは、トレイシーを激しく追い詰めるが、パスできないどころか、フィニッシュ直前に燃料を補給せざるを得なくなる。トレイシーとレイホールがバトルする後ろでは、ロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)と、ニール・ヤニ(#レッド・ブル・ガルフストリーム・コスワース/DP01/ブリヂストン)が、フィニッシュするのに十分な燃料を確保できていた。ドーンボスは2位で5戦中4回目の表彰台を獲得し、ヤニはキャリア初めての表彰台を3位で手に入れた。
ジャスティン・ウイルソンは4位に入り、5位でフィニッシュしたシモン・パジノウの前に出た。アレックス・タグリアーニは6位となり、オリオール・セルビア(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)が7位。レイホールは8位でレースを終えた。
チャンプ・カーは真夏の連戦に入り、バンダービルド・カップをめぐる戦いはヒート・アップしている。3度のディフェンディング・シリーズ・チャンピオン、セバスチャン・ブルデイは117ポイントでリードしているが、ルーキーのロバート・ドーンボスは一気にその差を縮めて114ポイントで追いかける。ウィル・パワーは105ポイントの3位につけ、Rスポーツのアレックス・タグリアーニとジャスティン・ウイルソンがその後に続き、ここまでがトップ5となる。
2.65マイルのサーキット・モン・トランブランはチャンプ・カー・ワールド・シリーズの第6戦の開催地となる。この美しいケベック州のコースにチャンプ・カーが戻ってくるのは、シリーズが最後に開催された1968年以来となる。プラクティスは6月29日の金曜日始まり、決勝は7月1日の午後2時に予定されている。チャンプ・カー・ファンはエキサイティングなレースをESPNの生中継か、チャンプ・カー・ワールド・シリーズの公式ウエブサイトwww.champcar.ws のレースディレクターを通じて観ることが出来る。
主な注目のポイント
ロバート・ドーンボスは序盤に受けたブロッキングによるドライブ・スルー・ペナルティを克服。このオランダ人ドライバーは11周目にペナルティを強いられ、ピット・レーンを出たときには16番手だった。それから彼は力走を見せて2位でフィニッシュ。チャンプ・カー5レースで4回目の表彰台を獲得した。
グラハム・レイホールは30周目にリードを奪い、チャンプ・カーのレースを初めてリードする。このオハイオ州コロンバス出身のドライバーは、4周にわたって隊列を従えた。
チャンプ・カー・グランプリ・オブ・クリーブランド・プレゼンテッド・バイ・ラサール・バンクは、3日間の観客動員数が15万1426人と発表した。この3日間の合計は2006年を28%上回った。
トップ3インタビュー
ポール・トレイシー: 「レースがこんな展開になったのが、いまだに信じられないよ。スタートはほんとうにダメで、バトルしていたロバートとグラハムに接触してしまったんだ。二人ともターン3を大回りして、グラハムはほこりっぽいところを走っていた。彼が逆方向へ曲がろうとしたとき、スピンしないようにコーナーの真ん中へ来たんだ。僕はかなりハードに攻めていて、彼がスピードを落とすことがとわかっていても抜けると思っていた。でも結局僕が突っ込んで、二人とも芝生に行ってしまったね。これで1個目のウイングが壊れた。オリオールとブルーノのときも同じようなものだよ。ターン1でブルーノがオリオールをかわしにかかった。僕は完璧に止まれるようなスピードでコーナーの真ん中にいなくちゃいけなかったけど、大丈夫だと思って真直ぐにいったらブルーノの後ろに突っ込んでしまったんだ。そこで2個目のウイングが壊れた。それからコースに戻ったときには最後尾だったよ。他のドライバーは燃料がなかったけど、僕たちはいっぱいだった。6