INDY CAR

予選はキャンセルとなり、松浦孝亮はグリッド6番手からインディジャパン決勝に臨む

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2006 IRLインディカー・シリーズ第3戦
「ブリヂストン・インディジャパン300マイル」
日程:4月20〜22日/開催地:栃木県茂木町
コース:ツインリンクもてぎ/距離:1.5マイル(2.414km)
■■■4月21日予選■■■
天候:晴れ 気温:14.5℃
<2日連続の悪天候>
 IRLインディカー・シリーズ唯一のアメリカ国外イベント、ブリヂストン・インディジャパン300マイルが今週末、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎで開催されている。
 走行初日の昨日は午前中に強い雨が降り、2回予定されていたプラクティスは1回のみとなった。そして、走行2日目の予選日でもある今日も茂木地方は不安定な天候に見舞われ、朝9時からスケジュールされていたプラクティス、午後12時30分からの予選はともになかなか始めることができなかった。
<予選はキャンセルされることに>
 午後1時過ぎ、茂木上空を覆っていた雨雲は青空に変わった。時速320キロを越す高速での走行が安全に行えるようコースの乾燥作業が続けられたが、プラクティス2回目、予選、そしてファイナルプラクティスのすべてを今日中に完了させるには時間が足りない状況となった。そこでシリーズの主催者であるIRLは、ドライバーたちが決勝前に充分に走行できることを最優先し、予選のキャンセルを決定。午後2時30分から午後4時までの90分間、全員が同時に走行するファイナルプラクティスが行われた。
<松浦のグリッドは6番手に決定>
 明日のレースのスターティンググリッドは、開幕2戦を終えてのエントラントポイントによって決めることとなり、松浦のグリッドは3列目アウト側の6番手と決定した。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの第2戦を終えた時点のランキングは5位タイ。同点のドライバーがいる場合には、前戦である第2戦Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターすズバーグのフィニッシュ順位が優先されるというルールで、松浦は54点で同点のトニー・カナーンの外側グリッドに並ぶことになった。
<プラクティスでは5番時計をマークし、確かな手応え>
 松浦の走行初日の自己ベストラップは27秒6044だったが、マシンセッティングを変更して臨んだ今日のファイナルプラクティス2回目では、これを27秒2946まで短縮。ドラフティングを幾分利用してのものではあったが、マシンの仕上がり具合はプラクティス時間の短さを考えれば、かなりハイレベルなものとできている。今日72周を走った松浦は、明日の決勝に向けて確かな手応えをつかんだのである。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「今年はかなり乗れているので、明日は面白いレースができると思います」
「マシンは上手く仕上がってきています。過去2年に比べるとかなりハンドリングも良いですね。まだトラフィックでのクルマは本当にベストといえる状態までは仕上げられていなくて、そこが少し上手くいかなかった点ですが、今晩からデータをしっかり解析して、チームメイトとも意見を交換して、決勝に向けたクルマを作っていきます。そうすれば良いマシンで戦うことができると考えています。
 単独ではとても速いタイムが出せていたので、今日予選をやっていたら、2列目ぐらいまで食い込むことができていたと思います。
 今日のファイナルプラクティスでは、スプリングを交換したり、10通りほどのセッティングを試しました。車高の変更もしたし、キャンバーも換えたし、本当に色んなことをやりました。その中の何を今晩ピックアップし、明日のレースに使うのか。それはまだ決めていませんが、多くのデータを取ることができましたし、明日はいいレースができると思います。
 シャシーをダラーラに換えて、今年は自分としてもかなり乗れているとおもいます。すべてを落ち着いてやっていけば、必ずひとつの形になるので、明日も焦らないよう気をつけて走り抜きたいと考えています。
 今回もオーバーテイクは難しそうですね。今日、走ってそう感じました。自分もそうでしたが、誰かの後ろに付くと、みんなかなりのアンダーステアを出していました。周回遅れがきた時など、上手く抜かないと損するばっかりになると思います。タイミングを上手くとりながら走ることが大事になりますね。
 リスタートも今回は大丈夫だと思います。ホームステッド・マイアミ・スピードウェイではリアのスプリングが左右で大きく違っていて、リスタートでオーバーステアになっていたんですが、今回のセットアップではスプリングが左右でほぼ同じになっているので、ホームステッドみたいにリスタートで苦しむことはないはずです。
 明日はギヤ比の設定も重要です。明日になってみないと、コンディションがどうなるかはわからないし、レース中に風向きやその強さが変わることも充分に考えられます。今日使ったギヤレシオから5速、6速も換えるかもしれませんし、ひょっとしたら4速も変更する可能性はあります。3速もそれによって換えるかもしれません。明日は面白いレースができると思います。期待していてください」
<サイモン・ホジソン チームマネージャー>
「良いデータを収集できたし、明日は上位で戦い続けることができるはずだ」
「これまでのところ、天候のせいで誰にとっても難しい週末となっているが、我々は非常に良い成果を挙げることができている。今日の90分間のプラクティスでは5番手のタイムを出すことができた。昨日と今日ではコースコンディションが大きく異なっていたが、その変化にマシンのセッティングをうまく合わせることができているのだ。今日のプラクティスで施したセッティング変更は、どれもポジティブなものばかりだった。
 明日のレースに向け、1セットのタイヤをフルに使い切るテストを存分に行えたチームは少ないだろう。そうした状況下、コウスケはあと10ラップぐらいは充分に走れるというレベルまで1セットのタイヤで今日のプラクティスを走っている。そこまでのマシン、そしてタイヤの状況は非常に良いものだった。明日のレースでは、タイヤのマネジメントが鍵になるだろうから、良いデータ収集を我々は行えたと思う。
 ツインリンクもてぎのレースはトラブルに巻き込まれずに最後まで走り切るのが難しい。今年はダウンシフトの電気的デバイスが使用禁止となっていることから、ギヤチェンジでミスが発生し易い。これがトラブルの引き金となる可能性はある。
 明日のレースを我々は6番手グリッドからスタートする。開幕2戦でまずまずの成績を残してきたことが、良いグリッドからスタートするチャンスを与えてくれた。リーディングドラフトに残り続けることは充分に可能なマシンとできているはずなので、明日は上位で戦い続けることができると期待している。チームメイトのスコット・シャープも非常に調子は良い。2台そろっての上位フィニッシュを狙える。フェルナンデス・レーシングによる1-2フィニッシュでさえ不可能ではない」