INDY CAR

最終プラクティスで3番手タイムを叩き出したものの、決勝ではメカニカルトラブルでリタイアを喫す

<DREYER & REINBOLD Racing>
インディカー・シリーズ第12戦AMBER Alert Portal Indy 300決勝レポート:8月14日(日)
IRLインディカー・シリーズ第12戦ケンタッキーは2デー・レースのため、レースウィーク2日目は決勝日となっている。この日も前日同様、夕方から雨の予報だったが、予選が雨でキャンセルされた昨日と違い、朝からレースが終了する夕方まで一日好天に恵まれた。
決勝日の午前中、30分の枠で行なわれたファイナル・プラクティスでは、各チームとも決勝に向けて、トラフィック内でのマシンチェックを行なっていた。ドレイヤー&レインボールド・レーシングも同様にトラフィック内でドラフティングのチェックを行なう。この日の24号車は昨日のセッティングをさらに進めたもので、セッション序盤からトラフィック内で走行を重ね、23台中3番手(ベストタイムは平均時速216.888マイル、トップからコンマ1秒落ち)という好成績でこのセッションを終えた。走行後、ロジャー安川は「昨日よりスピードは上がったものの、このタイムで見られるほどマシンは完璧とは言えない。前車に追いついてはいけるものの、トラフィック内で他車を抜くところまで行かない」とコメント。その成績ほどに楽観視できるマシンでは無く、レースが依然厳しいものであることを述べ、チームに対してもさらに厳しい注文を付けていた。
そして迎えた決勝。午後3時52分にグリーンフラッグが振られ、安川は16番グリッドからスタートした。走り出しはアンダーステアが強く、苦戦を強いられたものの、チームはピットインの度に、空気圧、そしてウイングの調整を続けた。残念ながら、レースを通して前車に寄り過ぎるとアンダーステアが顕著になるという症状は無くならなかったが、それでもピットストップで前に出て順位も上げていくことができ、最終の給油ピットインのタイミングでは10番手にまで順位を上げていた。各所の調整によって、マシンはスピードも出るようになって、最終盤に向けて、勝負を仕掛けられる体勢が整っていた。
しかし、171周目、このレース4度目のイエローコーション下での最終の給油ピットからコースに戻ったところでギヤボックス・トラブルが発生。2速以上にギヤが上がらない状態で、安川はピットに戻ってくる。クルーはマシンを確認、再度マシンをコースに送り出すも、その症状は直ることなく、残念ながら174周で安川はマシンを降り、リタイアとなった。
IRLインディカー・シリーズ次戦は、パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイで行なわれる第13戦Honda Indy 225。1マイルのトライ・オーバルを225周するこのレースは8月21日(日)が決勝となる。
ロジャー安川(ドライバー#24カー)
「レース中盤から、6速から5速へシフトダウンする際に4速に飛んだりして少しずつ症状が出ていました。バンピーでシフト操作が多いコースだったので、ギアに負担がかかっていたのかもしれません。最終的に2足以上にギヤが上げられず、残念ながら走行を断念しました。レースマシンは、前車との車間を取ると安定するんですが、近付き過ぎるとアンダーが出てしまうクルマでした。ただ、離されても追いついていけるだけのマシンにはなっていたので、最終スティントまでセーブして、残り20〜30周で勝負を賭けようという作戦を立てていました。その計画通り、いいところにつけていましたし、調整を重ねていってマシンも速くなり、きちんと勝負ができるところまでに仕上がっていただけに残念です。特に今回は、チーム・クルーががんばってくれて、ピットインでは必ず順位を上げていたくらいで、いいピットワークでした。チームのモチベーションも上がっているだけに、次戦が楽しみです。次戦は、自分が、2年前に6位走行中にリアウイングが外れて残り5周でクラッシュしたコースです。そのリベンジをして自己最高位フィニッシュを果たしたいと思います」