前戦のエドモントンでは決して最速ではなく、予選10位と出遅れていたボウデイが同じ初開催のサンノゼでは初日からトップ・タイムを連続した。プラクティスながら全部で14台が1秒以内と白熱したセッションとなった今回、最初のセッションではトレイシーと競い、2回目のプラクティスでは僚友セルビアを振り切ったことになる。「すごくバンピーなコースだよ。セットアップは決して簡単じゃない。初めて見た時、けっこう狭いコースで、バトルするのは難しいんじゃないかと思った。実際に走ったら休む暇もないぐらいで、ブレーキングの時には簡単にホイールがロックするんだ。問題は線路よりもターン7の後とターン8の前のマンホールに気をつけなきゃいけない。とにかく、お客さんが楽しんでくれれば最高だよ」と初日を振り返るボウデイ。一方、最初のセッションでブレーキトラブルに遭い、1周しかできなかったセルビアは、2回目にいっきにトップへ躍り出た。「ずっとトップにいたからうれしかったね。最後、またチームメイトにやられたけど、まあまあじゃないかな。1秒に14台だって? 明日の予選はもっと激しくなるのは間違いないね」とセルビアが言うように、今回もエキサイティングな展開が期待できそうだ。
2002年のデビュー戦、セント・ピータズバーグでポールポジションを獲得し、堂々とトップを走行していたボウデイ。フランス人ながらポーなどの市街地コースを走りこんでいた成果といえよう。アメリカに来てからも様々なコースを体験してきたボウデイは、初開催のサンノゼのコースを「典型的なストリートコースのひとつ」と語る。「うまくセットアップして、クルマを良くしていこうとするのはどこもおんなじだよ。バンプがあるとか、すべるとか言うけど、これがストリート・コースだからね。路面に関しては誰も文句は言えないはずだ。こういうもんなんだよ。コースに関してがたがた言う前に、まずはこの週末でベストを尽くすことだ。やることをやれば、トップにいけるんだからね」
「今日、予選がなかったのはほんとうに残念だね」とがっかりする3位のグロック。ルーキーオブザイヤーのランキング・トップにいるドイツ人のF1経験者は、「クルマは最初から悪くなくて、すごくいいフォーリングだよ。2回目のセッションの前に少しセットを変更したんだけど、それがとても良かった」と一日を振り返る。「最初にここを見た時は、絶対にチャンプ・カーで線路を越えたくないって思ったけど、それほど悪くはなかったよ。いつも空を飛んでいる感じで、とくにマリオット・ホテルの前はすごくて、かなり高く飛んでいると思う。2〜3周すると、まるでシェイカーの中で運転しているような気分になるよ。非現実的な感じだね」。4位のフィリップ(写真下)はボウデイと同じフランス人で、セルビアはスペイン出身とヨーロッパ勢が上位を席巻した。
上の写真の左部分が路面電車の線路の部分で、驚いたのは、ここをまたぐようにシケインが設置されていたことだ。また、ピットからの出口も重なっていたために大改修が行われることになり、突貫作業が続く。これでスケジュールが大幅に狂ったものの、お客さんから文句が出るようなこともなく、コースサイドは大勢の人で溢れていた。真ん中の写真はターン4で、ここで3車線から2車線となってしまう。ヘアピンの立ち上がりからここまではかなりスピードが乗っていることもあり、一歩間違えば大クラッシュにつながりかねない。下の写真はこのコーナーで第2セッション終了間際にクラッシュしたラヴィン。広角レンズで少し解りづらいが、セーフティ・トラックと停止したマシンの位置を見てのとおり、ほんとうに狭い。ほんとうはもっとタイヤバリアを置きたいところだが・・・・・・。こんなにタフなストリート・コースは、かつてなかったような気がする。