<US-RACING>
午前に行われた第3プラクティスで2位のタイムを記録したホーニッシュJr.が、午後の予選でポール・ポジションを獲得。ホーニッシュJr.にとって、意外にもキャリア6度目の予選トップとなるが、そのうち3回は今シーズン記録したことになる。総合プラクティスでトップだったカストロネベスは、予選オーダーで最後にタイム・アタックを行ったものの、ホーニッシュJr.にほんのわずか及ばず2位となった。チーム・ペンスキーにとって、リッチモンド以来となる今シーズン2度目のフロントロー独占で、今回もショート・オーバルでの強さを存分に見せつけた。ホーニッシュJr.が記録した21.4567秒は、昨年メイラが記録したコース・レコードを0.1214秒短縮したことになるが、チャンプ・カーの今年の予選タイムに0.3757秒差と近づいている。今シーズンのフェニックスで優勝しているホーニッシュJr.は、ポール・ポジションからスタートしたもてぎ、リッチモンドでは優勝することができなかった。今回こそは、ポール・トゥ・ウインを飾りたいところ。
昨日の晴天とは打って変わり、朝から曇り空となったミルウォーキー。曇ってはいるが、気温26度と昨日より2度ほど高い状況で、午前10時15分からプラクティスがスタートした。30分ずつ二つのグループに分かれてプラクティスが行われた中で、第1グループの走行終了4分前に、ルーキーのブリスコーがターン2でスピン。外側のコンクリート・ウォールに激突した。ブリスコーはセーフティー・チームの助けを借りてマシンから降り、無事を確認。その後、医師のメディカル・チェックを受けて走行可能な状態だと報告されるが、大事をとって予選には出走せず、さらにチームはブリスコーの決勝への出走も中止することを発表した。ルーキーのブリスコーにとって学ぶことが多いショート・オーバルだが、今シーズン、クラッシュが多いのも確か。もう少し安定した走りが出来るようになればいいのだが。
午前のプラクティスで14位のタイムを記録した安川は、午後の予選でさらにポジションアップを果たし、予選10位を獲得した。開幕戦以来となる今シーズンの最高予選順位となったが、そのときとは全く違う厳しい状況の中で、トップ10内からスタートを決めたことになる。毎戦トップ・チームのマシンによってトップ10が決まる中で、現在のチーム力を考えれば、今回の予選10位の意味は大きい。「セッションが始まる前にエンジニアと相談してクルマの方向性を決めたんですけど、それがすごい良い方向性にむかっています。正直、予選にはあまり優れていないセットだと思っていたんですけどね。そういう部分で、予選順位がそんなに悪くないということには、自分もちょっと驚いています。明日はものすごく暑くなると予報されているので、ロングランすればさらに良いセットになると思いますね。最近のショート・オーバルでは苦戦してきたので、やっと元に戻ったかなという感じです。明日は、車によってロングランするとオーバーが強かったり、アンダーが強かったりという感じになり、スティントの最後の方は面白いことになると思います。昨日もそこそこロングランをやって、ずっと安定はしているんで、今回のレースはけっこう良い追い上げができると思います。最近は我慢のレースが続いていたので、明日は久しぶりにアグレッシブに攻めて行きたいですね」と予選直後に語った安川。2002年にトヨタ・アトランティック・シリーズに参戦していた安川は、このミルウォーキーで優勝している。ここでの勝利がインディ・カー参戦の決め手になったといっても過言ではないだけに、記念すべきこの地で、今シーズン最高位のフィニッシュに期待したい。
午前のプラクティスで18位だった松浦は、午後の予選でポジションを上げることができずに20位となった。「今までやった予選の中で、一番最悪でしたね。一番いけなかったのは、1周目の最終コーナーで曲がりきれなくなって、そこでだいぶロスしてしまったことです。2周目のタイムにも影響しましたね。僕だけじゃなくスコット(シャープ)も凄いアンダーステアで、曲がれないみたいです。ちょっと残念ですね。最初ターン・ワン、ツーの方がアンダーだったんですけど、今の予選ではスリー、フォーの方がアンダーになってしまいました。ほんとうに、どういう風に走っていいか分からないくらいですね。気温や風向きによって変わるし、凄い難しかったです。明日は走ってみないと分からないんですけど、とにかくがんばります」と松浦。昨年、このミルウォーキーでプラクティス中にクラッシュした松浦は、「コースに対する怖さとかはだいぶなくなってきたんですけど、今日ブリスコー(ライアン)がクラッシュしたのを見ると、やっぱり少し頭の中に残っていると感じますね。でも、去年はすごく良いレースをしたし、予選と決勝は全然違うものだとも分かっていますので、とにかくがんばります」とコメント。午後のファイナル・プラクティスは、ミルウォーキー周辺にサンダー・ストーム警報が発生したために、決勝日の午前9時から行われることになった。このセッションで最終的なセット・アップをつめ、昨年のような追い上げるレースを期待したい。