<US-RACING>
セカンド・ローとなる予選4位からスタートしたフランキッティが、200周中74周のリード・ラップを刻み、今シーズンの初優勝を飾った。昨年のパイクス・ピーク以来となる優勝で、1マイル以上のコースでは初勝利となる。チームメイトの3台が次々とリタイアしていく中でフランキッティだけが生き残り、トップを走るカーパンティエをラスト6周でオーバーテイク、チェッカード・フラッグを真っ先に受けた。ポイント・ランキングでも3位に浮上したフランキッティ。ポイント・リーダーのウエルドンとランキング2位のカナーンがリタイアに終わり、カナーンとの差を5ポイントまで縮めることに成功した。これでシーズンも折り返しとなり、現在9戦中6戦をアンドレッティ・グリーン・レーシングが制している。次戦は昨年フランキッティがIRLで初優勝したミルウォーキーでの開催となるが、この勢いで2戦連続優勝を飾りたいところだ。
今シーズン最後のナイト・レースとなったナッシュビル。午後1時に予定されていたファイナル・プラクティスは、朝まで降っていた雨による路面の乾燥作業のため、15分延長してスタートした。心配されていた天候も、晴れ間が見えるまでに回復し、レースは午後6時に無事スタート。太陽が傾きだした夕方になっても気温は31度と高く、昨日に続き蒸し暑い一日となった。テキサスのポール・トゥ・ウイン以来、トップ5以内でフィニッシュしてきたシェクター。今回ポール・ポジションからスタートしたが、160周目にメカニカル・トラブルでリタイアとなった。また、セカンド・ローからスタートしたラジアは、ベテランらしい確実な走りを見せて9位でフィニッシュ。フロント・ローからスタートしたパトリックは、スタート後徐々に後退するものの、ピット・インのタイミングをずらして123周目にトップに浮上。だがすぐにフランキッティやホーニッシュJrにパスを許し、後退してしまう。さらに最後のピットス・トップで遅れて後退し、7位でフィニッシュ。チームメイトのライスやメイラがリタイアする中、完走を果たした。
27周目、エンゲがターン1でスピンを喫し、セーファー・ウォールに激しく接触した。このクラッシュでエンゲは背骨に2箇所ひびが入るケガを負い、2戦欠場となってしまった。その後、レースは順調に周回を重ねていったが、116周に再びターン1でカナーンとマニングが絡むクラッシュが発生。「デブリー(障害物)がコース上にあって、イエローコーションになったからスローダウンしたたんだけど、その障害物がフロント・サスペンションにぶつかって壊れてしまったんだ。残念だよ・・・・・・」と、レース後に話したカナーン。コントロールを失ったカナーンのマシンはマニングを巻き込み、セーファー・ウォールに激突。トップを走行していただけに、残念な結果となった。
レースも終盤に入り、最後のピット・ストップのタイミングをずらしたチーバー・レーシングの2台が163周目からレースをリード。やがて、それまでトップを走行していたフランキッティとメイラがその2台に追いつき始め、4台によるトップ・グループが形成された。しかし176周目、バロンとメイラがターン4で接触し、激しくセーファー・ウォールに激突。2台は一瞬炎に包まれ、壁沿いにマシンが滑走してやっと止まった。バロンのマシンはピット・レーン入り口のインフィールド側に止まってからも火が消えず、安否が心配されたが、セーフティ・クルーの手によってなんとかマシンから出ることができた。200周のレース中、約4分の1となる52周がイエロー・コーションとなった今回のレース。5回のコーション中、3回は大きなクラッシュとなる波乱に満ちたレースとなった。
予選18位からスタートし、レース後半、10位までポジションを上げてきた松浦だったが、思わぬ落とし穴が待っていた。メイラとバロンのクラッシュでイエロー・コーションとなり、コースの清掃作業のため、すべてのマシンがピット・ロードを走行していた。そのときバロンのマシンに向かってピットに入ってきたセーフティ・ビークルと接触。右フロントウイングを破損し、リタイアを余儀なくされる。「トップ10入りが見えていたところで、このような結果になって残念でなりません。マーシャルカーが突然、目の前を横切るように飛び出してきて、避けることが出来ずに衝突してしまいました。マシンがまだ走っている状況を考え、注意して走行して欲しかったです・・・・・・」と、滅多には起こらないアクシデントに遭遇し、悔しい思いを話す松浦。次戦のミルウォーキーでの活躍を期待したい。
予選21位からスタートした安川は、粘り強い走りで完走を果たし、11位でフィニッシュした。9戦を終えてやっと3戦目の完走となった安川は、セント・ピーターズバーグと同様、今シーズン最高位でのフィニッシュとなった。「レースの途中で無線が聞こえなくってしまい、2回目のピット・インのタイミングは自分で決めて入りました。そうしたらピット・ボードが無くて確認できなかったため、ピット・ロードでスピード・オーバーをしてしまったんですね。でも、それも無線が聞こえないから、わからなくて。コースに戻って黒旗を提示されているのが、僕なのか確信がもてない状況でした。結局ピット・スルー・ペナルティを受けて、2周の周回遅れになりました。マシンはダンパーの調子が悪くて、40周くらいからサスペンションがほとんど無いような状況でした。特にこのコースはバンピーだったので、その症状が早めに出たんでしょう。今後の課題となりました。今回はあまり無理をせず、マシンも壊すことなくレースを終えることができたので、次に向けて良い雰囲気のまま、レースに行くことができます」と、レース後に話した安川。このナッシュビルから3週連戦でレースが開催され、その1戦目を無事完走で終えただけに、この調子を維持していけることを期待したい。