Hiroyuki Saito

旧車集合 其の一

なにやらロサンゼルス近郊の山林で大規模な山火事が起きています。毎年発生しているのですが、この時期は“サンタアナ”と呼ばれる強い季節風が吹くので、山火事の規模が広がっているそうです。
先週の始めまでは暑い日が続き“インディアン・サマー”になったとお伝えしましたが、先週末くらいからロサンゼルス近郊は気候ががらっと変わったんです。ある日を境に日中は強い風が吹いて、夜になるともう肌寒くて上着がないと外にはいられないくらいになったんですよ。いきなり秋かと思っていたらその季節風の仕業だったんでね。山火事は拡大するし、勘弁してくださいといった感じです。
そんなサンタアナが秋を連れてきた先週の日曜日、オレンジ・カウティのアーバインという街で開催された“ジャパニーズ・クラシック・カー・ショウ”に行って来ました。チケットには“旧車集合 其の四”って日本語で書いてあり、今年で4回目だそうです。

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休日だっていうのにやること無いんだろう? ってロジャー安川に誘われて残念ながら言い返す言葉もなく連れて行ってもらったのですが、到着すると会場には続々と人々が入場していて結構大きなイベントなんだなと感じつつ僕たちも入場しました。
会場にはいきなり最新の日産GT-Rが停まっていて話が違うなって思いながらもその向こう側には多くの日本を代表する旧車達が見てくれといわんばかりに集まっていました。個人的に日本の60年代から70年代に生産された車、好きです。といっても年式や車種などに詳しいわけでもありません。単純にみな個性があってかわいらしいし、現行の車とはまた違った魅力がありますよね。

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会場には各社、ブランド別に車が並んでいました。ダットサンはアメリカで根強い人気があり、オリジナルを保ったものがかえって少なく、エンジンを載せ換えたりチューニングしているのが多かったです。

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また、日本のナンバープレートを付けるのが流行っているんでしょうね。アメリカでしかも軽自動車の名古屋ナンバープレートを見かけるとは思ってもみませんでしたよ。他の日本のナンバープレートを付けた車を見かけると一瞬、日本のクラシックカー・ショウかと思ってしまいます。

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このダットサンなんかはラジオフライヤーっていう小物を運ぶ可愛い台車(アメリカではよく子供とか乗せていますね)をイメージしたんでしょう。良い仕事しますねぇ。こんな車に乗ってゴルフに行きたいもんです。そしてラジオフライヤーにクラブセットを乗せて歩いてラウンド。それはちょっと厳しいかな…。

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こちらはマツダのブース? というか集合場所です。そこで見かけたこの1964年式のマツダR360。いや、実にかわいらしい。左ハンドルなのでこちらで販売されていたんでしょうね。360ccの車ですよ。今でも走るのでしょうが、ハイウエイは厳しいでしょうね。後ろに展示してあったマツダ6という最新の車とは対極にある車でしたね。

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マツダといえば僕の中でも印象的なのが、このコスモ・スポーツ110sです。世界で初めて実用・量産ロータリーエンジンを搭載した車として有名ですよね。僕が車の免許取立てのとき、自動車整備工場の脇にぽつんと寂びれたこの車があって、それがやけにかっこよかったんですね。当時からでも20年以上前の車ですが、昔の車なのにやけに未来的だなと感じたわけです。

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今ではないこういう味のある内装とでも言うのでしょうか。丸い計器類が並び、レバーをぱちっと上げたり下げたりしていろいろ調整するその車内は、なんかコックピットって感じを醸し出しますね。そしてウッドの細いハンドルにこれまたウッド仕上げのシフトノブ。昔の車なんかいいですねぇって、なんかノスタルジックな気分になってしまいます。

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トヨタもブースらしいところがありました。ロング・ビーチ・グランプリでオフィシャルペースカーを当時のセリカが勤めていたんでしょうね? トヨタの別ブランド、サイオンになるまでセレブレティ・レースではセリカがレース・カーとして使用されていました。

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また、トヨタ2000GTも飾られていましたね。いつだったか約8万ドルで売りに出している広告を近所のスーパーの掲示板で見たことがありましたよ。いまだに貴重価値のある車ですね。
そうこうしていると、なにやら人だかりのできているところに差し掛かりました。1958年式トヨタ・クラウンのオーナーがエンジンをかけているのですが、キーを捻る動作の100倍くらい大変な方法でエンジンをかけていました。フロントグリルの下から鉄の棒を突っ込んで、その棒を勢いよく回すのですね。すると、どろろんって感じでエンジンに火が入るんです。手動スターターですよ。しかもナンバープレートには高速有鉛って書いてあります。

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なんかこれをやると人が集まってくるみたいで、味を占めたオーナーが近くの子供に「もう一回見たいかい?」なんて、頼んでもいないのにしょうがないな〜って感じで疲れるのに3回くらいはエンジンをかけていましたね。なんだか微笑ましい光景でした。
まだまだ紹介したい旧車があるのですが、長くなるので今回はこのくらいにしておきますよ。次回はホンダ車を中心としたまたまたかわいらしい旧車たちをご紹介します。