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アメリカン・ル・マン・シリーズ 最終戦 ラグナ・セカ【予選日】フォト&レポート

<US-RACING>

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2008年の最終戦を迎えたアメリカン・ル・マン・シリーズは、アキュラ勢ハイクロフト・レーシングが総合ポール・ポジションを獲得した。プチ・ル・マンではペンスキーの後塵を拝し、念願のドライバーズ・タイトルを逃してしまったが、このラグナ・セカでは今シーズンの有終の美を飾るべく、デイビッド・ブラバムが奮起。渾身のアタックでコース・レコードを更新する1分10秒103をマークし、見事に今シーズン3回目の総合ポール・ポジションを獲得した。「予選に向けて良い作戦があったんだ。コース上にスペースができるのを待ってから、良いリズムに乗って走れたよ。チームにとって素晴しい結果を出せた。今日の予選には満足しているよ」と喜ぶブラバム。プチ・ル・マンの雪辱を勝利で晴らしたい。

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第10戦プチ・ル・マンでドライバーズ・チャンピオンとチーム・チャンピオンを逃したアキュラ。しかし、シャシー・マニュファクチャラーズとエンジン・マニュファクチャラーズでは、ポルシェから8ポイント差につけ、タイトルの可能性をまだ残している。タイトル確定の最低条件はアキュラが優勝し、ポルシェのマシンが4位以下になること。第9戦デトロイトでは表彰台を独占しているだけに、可能性が十分あるといえる。今日の予選ではハイクロフト・レーシングがポールを獲得し、フェルンデス・レーシングが総合2位に続いてフロント・ローを独占。総合3位はペンスキーに譲ったものの、総合4位と5位にはド・フェラン・モータースポーツとアンドレッティ・グリーン・レーシングが入り、タイトル獲得へ磐石の順位につけている。

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ドライバーズ・タイトルとチーム・タイトルを確定させたペンスキー。残るシャシー・マニュファクチャラーズとエンジン・マニュファクチャラーズの完全制覇に向けて、アキュラ勢のトップ3独占を阻止しなければならず、予選ではドライバーズ・チャンピオンとなった7号車のティモ・バーンハード/ロメイン・デュマス組が3位に割り込んだ。プチ・ル・マンに続いて3台エントリーのペンスキーとアキュラ勢で上位7台までを制圧し、コンマ5秒に1位から7位がひしめき合うことに。接戦を制してタイトルを手に入れるのはどちらか、LMP2クラスの激しい戦いはまだまだ終わらない。

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プチ・ル・マンでクラス優勝を勝ち取ったエリオ・カストロネベスとライアン・ブリスコーのインディカー・ドライバー・コンビが、最終戦にも出場している。カストロネベスにとってはCARTで走りなれたコースだが、今回はアキュラの先行を許し、総合7位に留まった。しかし、トップのハイクロフト・レーシングとの差は0.503秒しかなく、決勝でこの差をどこまで詰めるか、インディカー・ファンの気になるところだろう。また、マニュファクチャラーズ・タイトル獲得に向けて、ペンスキーはホイールの新パーツを全車に投入。BBS製のニュー・ホイールは、空気抵抗を減らす効果があり、開発競争は最終戦まで続いている。

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第9戦プチ・ル・マンでLMP1クラスの実力を遺憾なく見せ付けたアウディR10は、まさかの総合9位に沈んだ。直線区間が長く、グリップが必要な高速コーナーを得意とするR10は、タイト・コーナーが点在するラグナ・セカで本来の力を発揮できない。予想を下回る予選結果に、アウディ陣営も頭を抱えているようだ。「LMP2のマシンはこのようなコースに向いているんだ。僕たちのマシンは長距離のレース用に作られているから、もっと長いレースだと僕たちに有利なんだけどね。スタートではあまり良くないから、全ての点で良いところが見つからないよ。セットアップは基本に戻していて、僕たちが言えることはドライブを楽しんでいるということだけだね」とあきらめモードのエマニエル・ピロ。このままLPM2の独壇場を許してしまうのか、アウディの巻き返しに期待したい

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今シーズン、ヨーロッパのル・マン・シリーズで活躍した野田英樹が最終戦にエントリーした。チームはラジカル・シャシーにアウディ・ベースのAERエンジンを搭載する新興チームのエコ・レーシング。すでにイギリスでシェイクダウンを済ませてきたということだが、アメリカでは使用燃料が違うため、昨日のプラクティスはエンジン・マッピングが合わず、ほとんど走れずに終わってしまう。一夜明けた金曜日はマッピングの調整も終わり、いざ走行を始めると午前はオイル漏れが見つかり、午後はクラッチが破損してわずか2周でストップ。予選までにトラブルを修復することがかなわず、一度もアタックできずに日程終了となった。「久しぶりにラグナ・セカを走れますし、他のチームとはスタンスの違う新しいチャレンジをするチームから、経験のあるドライバーが一人必要だということで、声をかけてもらえたことは嬉しいですね。今シーズンはヨーロッパで1年間実績を積んだことや、過去にもいろんなレースをやってきたことを評価してくれています。いざ走ってみると良いところがなく、トラブルばかりでまともに走れる状況ではないんですけど、オーナーやメカニックもなんとかしようと試みてくれています」と野田。決勝へ出場できるか予断を許さない状況だが、トラブルが修復されることを祈る。

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そんなエコ・レーシングは、その名のとおりエコな試みをしている。例えばこの写真。エンジン部分を覆うカウルは、カーボンではなく麻を原料としている。高価なカーボンに比べてこちらの原価はわずか5ドルで、耐久性もある優れものということ。また、燃料にはバイオ・ディーゼルを50%配合しており、エコな取り組みが満載されていた。初日からトラブルが相次いでいるが、なんとか決勝でエコ技術を披露して欲しい。

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朝から快晴のラグナ・セカ。10月半ばということもあって、昨年は肌寒い記憶があったが、日中は日差しが強いためか日陰を探してしまうような暑さがあった。写真はラグナ・セカ名物のコークスクリュー。起伏にとんだ3.601キロメートルのコースは、ヘアピン・コーナーのターン1を抜けると徐々に丘を登っていき、このコークスクリューでいっきに駆け下りる。くだり区間は最終ターンまでが続き、まさにジェットコースターのようなコースだ。予選はLMP2クラスがLMP1のアウディを圧倒し、上位8台までがP2マシンで占められた。明日の決勝でもP2クラスの独壇場となるか、それともアウディの逆襲があるのか最終戦もチェッカーまで見逃せない戦いになるだろう。