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第14戦ボルティモアでハンター-レイが4勝目、佐藤琢磨は燃圧トラブルで連続リタイアに

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佐藤琢磨同様、赤旗で予選第1ラウンド敗退となり、13位に終わったR.ハンター-レイは、他車のペナルティにより10番手からスタート。途中雨が降り出した中で上位勢がレインに交換する中、スリックで順位を上げて今季4勝目、通算9勝目を達成しました。
 

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「どれだけ神経をすり減らしたか、言葉にできない。チャンピオンシップがかかっているのに、市街地コースで雨、しかもスリックだよ」とハンター-レイ。「コーナーに入るたび、信じられないほどの感情に襲われた。生き残らなきゃとか、早く雨が止んでくれってね」
 

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2位のR.ブリスコーは41周目のピットで走りきるギャンブルが、終盤のイエローで成功。プッシュトゥパスは最初から壊れていたそうで、ハンター-レイにパスされた再スタート時は、リーダーの自分が加速する前にグリーンになったからだとか。少し納得できない様子。
 

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ブリスコーと3位のS.パジノウはレインタイヤを装着したので3ストップでした。パジノウは37周目の再スタートで6番手からトップに躍進しましたが、ハンター-レイ同様、加速を始めるポイントが早過ぎるという声も出ています。じゃカナーンはどうなのって?
 

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「この3戦ポールを獲ったのに、ミドオハイオはピット位置、ソノマはイエローのタイミングときて、今回は天気だよ」と落胆するW.パワーは6位。ハンター-レイに17ポイント差まで迫られ、2年連続タイトルを逃した時と同様、オーバルの最終戦を迎えることに。
 

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予選は赤旗でアタックできず、エンジン交換ペナルティで最後列の24番手からスタートした佐藤琢磨は19番手まで順位を上げ、早々と9周目にピットへ。この時にちょうどイエローとなり、オーナーのレイホールは13周目に再び琢磨をピットへと呼び寄せました。
 

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燃料を足した琢磨は、降り出した雨の中で上位勢が次々とレインタイヤに交換する中、スリックで大躍進。24周目の再スタート時にターン1でヒンチクリフをパスし、ついにトップへと浮上した後は難しいコンディションの中で一時2番手に8秒以上の差をつけました。
 

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あと1回のピットで最後まで走りきる作戦だった琢磨。濡れた路面をスリックで走りながら、燃費も抑えていた中、朝のウォームアップで発生していた燃圧のトラブルが再発したのです。「エンジンを切り離して燃料ポンプやラインを交換した直後だったのですが…」
 

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「ソノマの後と昨晩と2回エンジンを交換し、今回もトラブルが発生したのはとても残念です。今日のような天候が味方してくれたレースで、攻めた作戦に出てレースもリードし、トップのままゴールできたと思うので、悔しいですね」とレース後に語った琢磨。
 

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琢磨の言うとおり、今回は勝てるレースだったと思います。上位勢の最後のピットから逆算しても、トップに返り咲く可能性は十分にありました。ショックだったのはロータスを上回る8基目のエンジンだったということで、壊れ続けた94年を彷彿とさせます。
 

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表彰台ではハンター-レイのスポンサー、DHLがトロフィーをウィナーに届ける演出もありました。ステージ周辺には観客が大勢集まり、ハンターレイが高々とアメリカ国旗を広げると、USAコールが巻き起こります。ああ、今日は日の丸だったはずなのに…
本人が一番辛かったと思いますが、気丈にもレース後インタビューに応えていただきました。みなさんと一緒にレースを振り返るUSTREAMボルティモア決勝レポートは、移動の都合もあり、火曜日22時30分頃から始めたいと思います。ぜひご覧ください!
 
●公式リザルト

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