Roger Yasukawa's

今年のインディ・ジャパンの戦い方

画像さあ、いよいよ今週末はインディ・ジャパン300です。前回のコラムでも書きましたが、この1ヶ月は山あり谷ありの連続で、やっと今はレースに備えて身体のコンディショニングを行っています。
週末の間に追い込みトレーニングをして、今はメンタルの部分のメンテナンスを重視。オーバルのレースは特にメンタル&精神力のレースなので、週末に最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、トレーナーの方に色々とお世話になっています。
今回は今週末レースが行われるインディ・ジャパンについて、今年の戦い方を分析してみたいと思います。もうすでにご存知だと思いますが、もてぎはインディカー・シリーズが転戦するオーバルの中で、一番テクニカルなオーバル・コースだと言っても過言ではないでしょう。

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Rが緩やかなターン1〜2に対して、タイトなターン3〜4(↑写真はターン4)ではダウン・シフトしたり、少しブレーキを踏んだりすることがあります。もてぎのトレードマークと言えるのは、ターン3の進入ポイントにあるバンプ。ハンドルを切り始める位置に存在するのですが、ここをスムーズに乗り越えて、いかに速度を落とさずコーナーへ進入するかがキーとなります。そして、出口の奥が回り込むようにタイトなターン4へ入り、早目にアクセルを踏んでコーナーを脱出することがタイム・アップに繋がります。

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今までは余裕で全開だったターン1〜2(写真↑)の区間にも年々大きくなっているバンプがあり、今年はマシンにどのくらいの影響を施すのか、走ってみないとわかりません。それだけにスタート&リスタート時のターン1〜2区間も、油断は禁物と言えるでしょう。
去年までとは異なる様々な要素が、今年のレース・ウィークエンドの戦略を変えることになると思います。まず最初に、4月開催から9月に日程が移動したことです。おそらく外気温度や、路面温度、そして湿度が例年よりも高いために、今まで以上のダウンフォースが必要だろうと予測しています。
その次に、3デーから2デー・ウィークエンドとなってしまったことです。走行時間が減ってしまったことによって、短い時間にマシンのセットを煮詰めて、レース・セットを仕上げなくてはいけません。ということは、ベース・セットがレースの勝敗を8割がた決めてしまうと言えるでしょう。

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最後にレース時間が1時間繰り上がって、12時スタートとなってしまったことです。レース時間が早くなってしまったために、レース前の挨拶回りや、ミーティング、食事、そしてトイレに行くタイミングなどなど、レースに100%集中できるよう時間を管理することが大変になりそうです。
先週インディ・ジャパンに向けて日本へ出発する前に、エンジニアとミーティングして週末のプログラムを話し合いました。やはり、2デーになってしまっただけに、スポット参戦の僕としては厳しいのですが、少ない時間を無駄無く使えるよう、色々とプランを考えました。
具体的な戦略やセットに関しては、チームとの契約上お話することはできませんが、最初のセッションはチーム3台が同じセットで走り始めることに決まっています。その後は各々のプログラムにそって、色んなセットを試す事になるでしょう。僕は去年のもてぎ以来ピット・ストップの練習をしていないので、セッションの合間を縫ってピット・ストップのプラクティスも行わないといけません。
マシンのセットに関しては、去年のヴィジョン・レーシングのデータに基づいているので、なかなか良いセットだと思います。早くマシンに乗り込んで、走るのが楽しみです! レース・ウィークエンドを通して自分のベストを尽くし、納得のいく結果が出せるように全力でがんばりたいと思います。
そして最後に、ロジャー安川応援ファンドへのご協賛ありがとうございました! なんとかチームとスタート・グリッドに立てるところまでも辿り着けたのは、みなさんのお陰です。心から感謝しております。

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みなさんと一緒に、レースを戦えることを幸せに思います。レース当日はたくさん応援して下さいね。
ガレージでお会いした時は、ぜひ声を掛けて下さい。レース全力でがんばります!!