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インディ・ジャパンは9月!注目のインディカー2009年スケジュールが発表

画像 先週、IRLから2009年シーズンのスケジュールが発表になりました。例年に比べ大きな変更が見られたニューカレンダーには、オープンホイール統合2年目に前進するインディカー・シリーズの意気込みが感じられます。

 待ちに待った来シーズンのスケジュール発表。例年はシーズン終了後に発表されていたので、シーズン途中、しかもあと4戦も残しての発表にはちょっとびっくりしましたが、取材する側からすれば、1日でも早く公になってくれた方がいろいろと準備もできますし、うれしいことではあるんですけどね。来シーズンのカレンダーについては、パドックでもいろいろと噂が飛び交っていたのですが、発表されたスケジュールを見る限り、まずは噂どおりに落ち着いたのかなぁというのが個人的な感想です。

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 さて、スケジュールを見て行くと、シーズンは4月第一週にセント-ピータースバーグの市街地コースで開幕します。2002年以来開幕戦が行われてきたホームステッドは、何と10月11日の最終戦として行われることに。第2戦にはCART/チャンプカーで行われてきた伝統のロング・ビーチGPが史上初めてIRLで開催されます。西海岸を代表するビッグイベントですし、個人的にも一番好きな市街地レースですから、ここでのインディカー・レースが今からほんとうに楽しみです。そして、今年そのロングビーチGPと同日開催となったツインリンクもてぎでのインディジャパンは、9月19日(土)決勝に日程変更されました。そして、第3戦カンサスを経て第93回インディアナポリス500は5月24日決勝に。その後のスケジュールに大幅な変更はありませんが、シリーズ中盤にはナッシュビルに代わってカナダ・トロントの市街地コースがカレンダーに追加されました。そして、ミドオハイオがケンタッキーの後8月中旬に移動し、シカゴランドとベルアイルの日程が入れ替わったというのが、主な変更点です。また、関係者から不評だった“恐怖”の6週連続開催はなくなり、来年は最長でも第7戦アイオワから第10戦トロントまでの4連戦となりました。シーズン中盤にチームが疲弊してしまっては良いレースが見られませんから、喜ばしい変更です。スケジュールの内訳はオーバル10戦、市街地(仮設コース)レース5戦、そして常設ロードコース3戦。市街地&ロードコースが増え、以前のCARTシリーズ時代のカレンダーに徐々に近づいてきたと言えますね。

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 このスケジュールでの注目点は3つ。まずは、市街地&ロードコース戦が計8戦に拡大されたことです。2005年から始まったロード・コース戦は昨年5戦まで増え、今年はエドモントンを含めて6戦となっていたのですが、来年にはロング・ビーチGPとトロント市街地コースが追加され、一気に8戦まで拡大されました。ドライバーにとっては今まで以上にオーバルとロードコース両面でのスキルが求められ、より総合力が試されるスケジュールになったと言えます。一方で、オーバルで経験不足のチャンプカー勢にとっては喜ばしいスケジュールになったのではないでしょうか。ロングビーチもトロントもチャンプカーで走りなれたコースですし、より白熱した戦いが見られることでしょう。

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 ふたつ目は、“カナダ・ラウンド”が設定されたこと。今年のエドモントンに加え、その2週前にはトロントがカレンダーに加わり、この“カナダ・ラウンド”がシリーズ中盤のカギを握ってきそうです。個人的なことですが、僕はCART時代にはまだレース誌の編集部員だったため、トロントには一度も行ったことがないんです。今年のエドモントンが初めてのカナダでしたが、僕の予想をはるかに上回るイベントの盛り上がりにはほんとうにびっくりしました。特に感じたのは、カナダのファンはとても熱狂的で、特にオープン・ホイール・レースに非常に熱心だということ。トロントはCART時代から毎年レースが行われてきた場所ですから、さらなる盛り上りは必至と言えそうです。ちなみに、トロントのレースはAGRがイベント・オーガナイザーになっていることから、AGR勢としては優勝が絶対条件となってくるでしょうね。また、IRLのカナダ進出は、もちろん新たなスポンサーを掘り起こすことも目的のひとつと言えます。特にエドモントンではイベント限定ながら多くのカナダ企業がスポンサーとして参加していましたし、これが毎年開催となればシーズンを通したスポンサー活動も大きく考えられます。それと共に、カナディアン・ドライバーの出現にも期待したいですね。ポール・トレイシーはもちろんですが、彼に代わる新進気鋭の若手ドライバーの出現は、シリーズ全体にとっても喉から手がでるほど望んでいることに違いありません。

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 最後は、やはりインディ・ジャパンの日程変更です。CART時代を含め1998年から毎年春開催だったインディジャパンが、史上初めて秋開催となりました。4月開催は、ロングビーチGPの日程が動かせない以上継続は難しいと思っていたのですが、その結果が9月開催ということに。しかも最終戦前! 肌寒い4月よりも、暖かい9月開催はファンにとってもよりレースを観戦しやすいでしょうし、何より昔の鈴鹿でのF1GP同様に、日本でタイトル決定という可能性も十分考えられます。日本のファンの皆さんにとっては喜ばしい日程変更になったと言えるのではいでしょうか。10月に開催されるF1日本GPと日程が非常に近いことで心配される声も聞こえますが、インディにはインディの魅力がありますから、僕はさして影響はないと思います。ダニカの歴史的な初優勝に沸いた今年のレース以上のドラマを期待したいですね。

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 そうそう、ひとつ言い忘れたことが。今回の発表と共に、今年のオーストラリア・サーファーズ・パラダイスでのレース開催が正式に決定されました。日程は10月26日。シーズンの最終戦になるのかどうか注目されていましたが、やはりというべきか、ノー・ポイント・レースということでの開催となったようです。最終戦シカゴランドから日程が1カ月以上も開いており、しかも北米最高峰オープン・ホイール・シリーズの最終戦を海外で行うというのは、マーケティング的にもかなり難しいことは明らかで、ノー・ポイント・レースという形で落ち着きましたね。ただ、全戦参加による120万ドルの賞金は恐らくサーファーズ・パラダイスのレースでも適用されるでしょうから、チームにとっては必然的に“絶対出場”となってきそうです。一方で、2009年のカレンダーにはサーファーズ・パラダイスは組み込まれませんでした。噂によると、インディ・ジャパンの前後での開催が予定されていたらしいのですが、9月はオーストラリアで人気ナンバー1のラグビーが国内選手権の真っ最中とのことで、サーファーズ側が日程変更を求めていたとか。カナダ同様に、オーストラリアでのレース開催はスポンサーの面でもどうしても必要というのがIRLのスタンスらしく、サーファーズパラダイスが今後どのようにカレンダーに組み込まれるのか、注目していきたいです。