Motegi Special

▼MOTEGI SUPERSPEEDWAY a la carte データで見るもてぎスーパースピードウエイ!

MOTEGI SUPERSPEEDWAY a la carte データで見るもてぎスーパースピードウエイ!




・もてぎで最も走っているドライバー&日本人ドライバーは?
 1998年の初開催から今日に至るまで、もてぎのイベントには76人ものドライバーがエントリーした。その中の最多出場はトニー・カナーン。1998年のルーキー・イヤーからもてぎの全レースに出場している。続いて、エリオ・カストロネベスとダリオ・フランキッティが8回で続く。カストロネベスはマールボロ・チーム・ペンスキーがIRLに移籍した2002年に出場しておらず、フランキッティは2003年に出場していない。

 最多周回数は出場回数に比例しており、トップはトニー・カナーンの1686周。約4200キロメートルを走破したことになり、これはオーストラリア大陸を横断できてしまう距離に相当する。2位はエリオ・カストロネベスの1439周で、3位はダリオ・フランキッティの1339周となった。トップのカナーンは出場したレースの93.4%を周回しているが、優勝経験はいまだに無い。
 日本人の最多出場は中野信治と高木虎之介の4回。それに続いて今後も活躍が期待される松浦孝亮とロジャー安川が3回で並んでいる。周回数のトップは中野の785周で出場したレースの97.7%を周回している。2位は高木の647周。3位は松浦の598周となっている。


・予選順位の良さは成績につながる?
 決勝のグリッドを決める予選。たった2周の予選アタックにおいて上位グリッドを獲得することは、決勝レースで最良の結果を得るためのセオリーと言われている。しかし、アメリカ特有のオーバル・コースでは、上位陣の接近戦が演じられ、ロード・コースに比べるとポール・ポジションの優位性は薄らいでしまう。また、フルコース・コーションのタイミングやピット戦略の駆け引きによって、時には下位グリッドから奇跡的ともいえる大逆転が起こることがあり、予選順位の良さは必ずしも成績に結びつかないこともある。
 では、ツインリンクもてぎのレースではどうなのか。過去9回行われたイベントでポール・ポジションからスタートして優勝するレースが、2002年のブルーノ・ジュンケイラ、2004年のダン・ウェルドン、そして2006年のエリオ・カストロネベスと3回あった。ポール・ポジションの優勝率は33.3%になる。過去9年間に同じシリーズで行われたオーバルのレースは合計87戦あり、そのうちポールシッターが優勝したレースは18戦。その優勝率が20.6%だということを考えると、33.3%という数字が多い部類に入るといえるだろう。セオリーどおり、もてぎではポール・ポジションを獲得することが重要となる。
 ポール・ポジション以外からスタートした優勝者を時系列に並べると、2位、4位、8位、6位、7位、5位と9位以下からスタートして優勝したものはいない。最も後方でも2000年、マイケル・アンドレッティの8位なのだ。意外にも大逆転優勝というレースは一度もなく、上位グリッドが優勝する条件で、過去の結果からみれば4列目までに入るのが重要といえる。また、ポール・ポジションを獲得して優勝を逃したドライバーも、2003年のスコット・ディクソンを除き、トップ10に食い込んでいるため、もてぎのレースは予選順位が決勝の成績につながるといえるだろう。

 ここ数年の傾向として、偶数年にポール・ポジションが優勝し、奇数年は5位グリッド以下のドライバーが優勝している。このジンクスが続くとすれば、今年のインディ・ジャパンはポール・ポジションではなく5位から8位グリッドのドライバーが優勝するかもしれない。


年   ポール・ウィナー    決勝順位  レース・ウィナー        予選順位
2006 エリオ・カストロネベス  1        エリオ・カストロネベス     PP
2005 サム・ホーニッシュJr . 7        ダン・ウェルドン              5
2004 ダン・ウェルドン      1        ダン・ウェルドン              PP
2003 スコット・ディクソン    15       スコット・シャープ           7
2002 ブルーノ・ジュンケイラ  1        ブルーノ・ジュンケイラ     PP
2001 エリオ・カストロネベス   2        ケニー・ブラック             6
2000 ファン・モントーヤ     7            マイケル・アンドレッティ    8
1999 ジル・ド・フェラン      2           アドリアン・フェルナンデス 4
1998 ジミー・バッサー      7           アドリアン・フェルナンデス 2

  
・もてぎ優勝者の年間ランキングは?
もてぎの優勝者がシリーズ・チャンピオンを獲得したのは2005年の覇者、ダン・ウエルドンの1例しかないことからも、もてぎのレースでシーズンを占うことは難しい。これはもてぎのレースがシーズンの序盤に位置しているためだろう。しかし、シーズンの序盤であるからこそ、もてぎで優勝して早くからシーズンの波に乗れることも確かで、ウイナーは常にランキングの上位に位置している。このことからも、もてぎの覇者はシーズンも盛り上げてくれるドライバーであることは間違いない。


・各年のチャンピオンは、もてぎで何位だった?
 ではシリーズ・チャンピオンがその年もてぎで何位だったのか。CARTが行われていた最初の5年、シリーズ・チャンピオンとなるドライバーのほとんどが下位に沈み、最も良いフィニッシュでも2000年のジル・ド・フェランの9位が最高だ。コース・バリーションが豊富なCARTシリーズ場合、開催地に占めるオーバル・コースの比率が5割を割り込んでいた。
 特に、1998年のザナルディと2002年のダ・マッタは、偶然にもタイトル獲得年にシーズン7勝をあげているのだが、その内6勝がロードコースであり、ロードの強さが圧倒的に目立つ。オーバルでの強さがタイトル獲得には直接結びつかないといえる。
 対して、シリーズがIRLへ移行した2003年以降はこの傾向が変わる。IRLはオーバル・コースが主体のレースであり、もてぎがスケジュールに加わった2003年と翌年の2004年は、シリーズ全戦がオーバルだった。スケジュールにロード・コースが加わったのは2005年なるが、オーバルに対するその比率は圧倒的に少ない。ドライバーにとってオーバルでの弱さはアキレス腱となるのだ。そのため、IRLとなってからはシリーズ・チャンピオンがもてぎの上位につけているのがわかる。2005年には優勝したダン・ウエルドンがそのままチャンピオンにもなっているのだ。2007年は新たなロードコースが増えるが、依然としてオーバルコースでの開催が多いためこの傾向は続くだろう。

もてぎ優勝者のシリーズ・ランキング
2006:エリオ・カストロネベス →2位
2005:ダン・ウェルドン→チャンピオン
2004:ダン・ウェルドン→2位
2003:スコット・シャープ→8位
2002:ブルーノ・ジュンケイラ→2位
2001:ケニー・ブラック→2位
2000:マイケル・アンドレッティ→8位
1999:エイドリアン・フェルナンデス→6位
1998:エイドリアン・フェルナンデス→4位