Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第37歩>>地元のためになるのなら

 今回は北海道小樽グランプリの近況を。
 まず、みなさんが一番気にしているだろう、道路使用許可などの行政面についてだが、もう8割がたクリアになったと我々は見ている。これまでに何度も企画されながら、様々な行政当局の壁に阻まれてきた日本での市街地レース。とてつもなく巨大だった壁の向こうが、やっと見えてきたという感じだ。
 やはり内閣府の地域再生計画に認定されているというのはすごいことで、その支援措置のひとつであるプロジェクトチームにおいて、実現に向けて各行政のみなさんが着実に問題をクリアされてきた。その結果、いよいよ残る課題はひとつだけ。それはコースに予定している港湾地域の事業者のみなさんから同意を得ることで、すでに一社ずつ回ってグランプリの主旨や概要などを説明させていただくと同時に、本番ではみなさんの業務内容に応じて細かい調整をし、できるだけ支障のないようなプログラムを組んでいきたいとお話ししている。
 現在までに半分近く回っており、ありがたいことにこれまで反対の意見はなかった。みなさんから「小樽や北海道のためになるのなら協力しますよ」と言っていただき、ほんとうに頼もしい限り。しかしまだ完璧というわけではないし、我々の予想もしていなかったことが、これから起きるかもしれない。決して楽観視せず、最後まで気を抜かないでいきたいと思っている。
 
 行政面での見通しがある程度立った今、次なる課題はやはり資金集めであり、本格的なスポンサー獲得活動も始まっている。7月20日には北海道庁の記者クラブと、札幌市のサッポロファクトリーでこれまでの経緯をメディアの皆さんにご報告し、全道の代理店さん向けにスポンサー・プログラムの説明会を実施。9月末に小樽でチャンプ・カーのデモンストレーション走行を行うことも発表する。
 ここまで来るだけでも、ほんとうに大変だった。次の壁も巨大だが、最初の壁をなんとかクリアできそうだという自信と誇りが、我々に勇気をもたらしてくれている。

筆者近況
ほんとうはメディア懇談会を7月7日に行う予定だったのですが、空母キティホークが小樽に入港するのと、例の北朝鮮のミサイル騒動が勃発。会場にとお願いしていた札幌アメリカ総領事館と連絡が取れなくなり、大きくずれ込んだのでした。結局会場はサッポロファクトリーになったのですが、ここはサッポロビールの前身である開拓使麦酒醸造所が発祥した場所。現代の開拓使を目指す我々にはぴったりかも。
(オートスポーツ誌 2006年7月27日号に掲載)