Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第36歩>>絶対欲しい自衛隊ブース

巨大な炎にスレスレの妙技も!
アメリカンレース開催時の“名脇役”
 前回、インディ・ジャパンで栃木や茨城の物産展が良かったと書いたが、他にも思わず「やられたッ!」と声を上げてしまったほどのテントを見つけた。いったいいつ頃からあったんだろう。小樽でも絶対に欲しいと思っていただけに、ちょっと悔しい。よく考えてみれば、毎年ブルーインパルスが来ているだけに、あってもおかしくはなかった。そう、自衛隊のブースがあったのである。
 アメリカではどのイベントでも必ずと言っていいほど、正装した兵士がレース前のセレモニーに登場する。ロング・ビーチ・グランプリではアーミー、ネイビー、エア・フォース、マリーン、コースト・ガードと各部隊がそれぞれ独自に展示ブースを出展。大掛かりなフライト・シミュレーターを持ってきたり、鉄棒を使って現役兵士と懸垂バトルなど、ほのぼのしたものまである。もちろん地元の警察や消防署のテントもあって、それぞれが普段の活動の様子をアピールし、リクルートにも使う。
 オーストラリアはもっとすごい。スタート前に轟音とともに飛来する恒例の戦闘機だが、アメリカはほとんど一度だけなのに対し、オーストラリアは毎日飛ぶ。わざと巨大な炎を出して急上昇したり、高層マンションの上をすれすれに飛行。仮設テントのプレスルーム全体がビリビリと震え、しばらく仕事になどならない。かと思えば兵士を満載したヘリコプターが突然登場し、マンションの間を縫うように飛ぶなど、完全にショーと化している。そのようなアピールもさることながら、軍は医療隊を会場内に設営し、迷彩服を着た兵士が急病人の治療にあたっていたりするのだ。
 まあ、さすがにオーストラリアのようなことは無理としても、自衛隊や警察、消防のみなさんにブースを出していただき、地域住民と触れ合うような機会があってもいいと思う。できれば普段はなかなか見ることができない車両を展示してもらえたら、子供たちも大喜びだ。チャンプ・カーだけでなく、沖には巨大な客船が並んで、約100年前のSLまで走るのが小樽グランプリ。乗り物の一大フェスティバルに、ぜひ参加していただきたい。

筆者近況
もてぎで、個人的にとてもうれしかったこともありました。それは地元の養護学校を招待していたことで、障害を持つ子供やその親、先生たちが一緒になって楽しんだことでしょう。僕の息子も今年から養護学校に通っているので、ひとりの親として、このようなことはほんとうにありがたいと思います。障害を持つ人も同じようにレースを楽しめるというのは、素晴らしいことです。小樽もそうでなければなりません。
(オートスポーツ誌 2006年7月20日号に掲載)