Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第35歩>>もてぎで見た理想的な光景

名産品で異文化コミュニケーション!?
地元のボランティアスタッフも募集中!
 
 今年のインディ・ジャパンを見ていて、すごくいいなぁと思ったことがある。それは地元との関わり方で、この10年の間に両者の関係はかなり近くなったと思う。最近は周辺地域を大きく巻き込んだイベントになっており、地元の栃木県だけでなく、隣の茨城県も参入。もはや、ツインリンクもてぎだけのイベントとは言えなくなったのではないか。
 
 一番驚いたのは東京での発表会の時で、なんと宇都宮市長自ら壇上に立ち、市としての取り組みや、共催イベントを丁寧に紹介していた姿は衝撃的ですらあった。市長が熱心にプレゼンする様子を見て、日本の自治体というものが変わりつつあるということを実感。民間のイベントとはいえ、官も一緒になって盛り上がるというのは、ほんとうに理想的な姿だ。
 
 「昔はどちらかというと、東京から大勢来てもらう事を考えてましたね。今はもっと、地元の人に楽しんでもらおうと思っています」とツインリンクもてぎの清水社長は言っていた。「ここまで来るのに、色々なところへ何度も通いました。こちらの思いが伝わるまで、全員が靴底をすり減らしてきましたよ」
 
 昔はレース関連のお土産しかなかったと思うが、今は栃木や茨城の物産展がある。地元の名産品をアメリカ人が取り囲み、身振り手振りでコミュニケーションをとっているシーンがなんとも微笑ましかった。このような交流がとても大事であり、レースというものを通して、普段できないことが可能となるのがいい。
 ふと思ったのだが、アメリカのイベントにいるようなボランティア・スタッフがいたら、もっといいかもしれない。地元の有志を募集して一緒にイベントを作り上げることができれば、さらに地域へ根ざしたものとなるだろう。観光案内や子供のケアなど、ボランティアにお願いできる事も多いはず。クオリティ云々という話になるだろうが、ボランティアだからいい加減になるかというと、決してそんなことはないと思うのだ。
 小樽はそのあたりもチャレンジしていきたい。

筆者近況
小樽グランプリにはボランティア・チームというのがあり、様々な活動を続けてきました。最近はコース予定地周辺でゴミ拾いのボランティアを行い、52人が集まっています。また、札幌オートサロンや地元のお祭りにチャンプ・カーを展示し、コックピットを体験してもらったり、市街地レースの説明などをみんなでしています。北海道にお住まいの方は、ぜひご参加ください! HPで募集中でーす。
(オートスポーツ誌 2006年7月13日号に掲載)