Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第26歩>>1年ぶりのロングビーチへ

「アメリカ最高峰の市街地レース」
そこで出会った温かい“先輩”たち
 今回は現状報告として、北海道小樽グランプリ推進協議会の4度目となるチャンプ・カー視察の様子をレポートしたいと思う。
 今年で32回目を迎えたアメリカ最高峰の市街地レース、ロング・ビーチ・グランプリ。ここ数年チャンプ・カー・ワールド・シリーズ開幕戦の舞台となっており、この週末は3日間で20万人近くも訪れたという。昨年は小樽から14人が視察し、ロング・ビーチ市長や主催者のグランプリ・アソシエーション・オブ・ロング・ビーチ社長、ジム・マイケリアンさんから様々なアドバイスをいただいた。
 このロング・ビーチ・グランプリを見た協議会は、7月にチャンプ・カーの誘致を決定。8月の発表会にはゲストとしてマイケリアンさんに来ていただくなど、とてもお世話になっており、相談相手としてこれほど心強い存在は他にいない。今回訪れたメンバーは9人だったが、一部のスタッフは開催一週間前から受け入れてもらい、実に多くのことを学んだ。設営の仕上げから警備体制や医療体制、チケットの販売方法などなど、彼らはそのノウハウを惜しみ無く教えてくれる。土曜日にはメディアとの懇談会の場も提供していただき、大勢の方々から励ましの言葉をもらった。
 また、昨年から始まったカリフォルニアのもうひとつの市街地レース、サンノゼ・グランプリのプロモーターであるボブ・シングルトンさんともミーティング。どのような過程を経て初開催に漕ぎ着けたのか、行政とのやりとりから資金確保にいたるまで、こちらの質問に対して包み隠さず教えてくれる。ほんとうにありがたい。30年以上の時間をかけて築き上げられたロング・ビーチ・グランプリのノウハウもさることながら、まだ始まったばかりのサンノゼの話も大変貴重だ。
 チャンプカーをはじめ、どのプロモーターも非常に協力的であり、大勢のみなさんから応援していただいている小樽グランプリ。その期待にこたえられるよう、スタッフ全員が心新たに帰国の途に着いた。

筆者近況
今までメディアとしてレースを見てきたわけですが、開催する立場で見ると、新しい発見が実に多い! 裏方ともいうべき警備体制や医療体制など、仮設であるにもかかわらず、実によくできたシステムが構築されています。とても勉強になりましたね。今回、現場にいてカメラを持たなかったのは初めてだったのですが、レースをみるような余裕もほとんど無く、ずっとミーティングの連続でした。
(オートスポーツ誌 2006年4月27日号に掲載)