Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第20歩>>小樽GP計画、ラストスパート!

情熱と手弁当で続けてきた小樽GP計画
ついに4月には道路使用許可の申請へ!
 この連載を始めて、今回が20回目となる。企画の段階で編集担当のMさんから、「毎週やるほどのネタはあるんですか?」なんて聞かれ、「たぶん大丈夫」と応えはしたものの、正直自信なかった。当時はそれほど小樽のことを知らなかったわけで、まさか市の財政や歴史まで遡るとは考えてもいなかったのだ。それがいざ取材を始めてみたら興味をそそることばかりで、小樽グランプリに関わる上で知っておくべきことが、実に多かった。
 さて、今回は小樽グランプリの現状を、少し振り返ってみたいと思う。僕が北海道小樽グランプリ推進協議会のサポート役として関わるようになってから、そろそろ10ヶ月。ほんとうにあっという間だ。昨年の7月8日に推進協議会がチャンプ・カー・ワールド・シリーズの誘致を決定したことに伴い、チャンプ・カーとしてみなさんをお手伝いするのが僕の役目だったのだが、ふと気が付いたらもう15回以上も小樽に行っていた。
 ここまでで何が一番大変だったかといえば、やはり市街地レースへの理解を得ることであり、公道を使ってレースをするようなことがなかった国だけに、誰もがピンと来ないのは当然のこと。モナコやマカオを例にするのだが、名前を聞いたことはあっても、そこで市街地レースをやっていることを知るのは、ほとんどがレース・ファンだったりする。「ほんとうにそんなことができるんですか?」と何度も聞かれたし、半信半疑な人はまだまだ多いに違いない。
 そのような中で推進協議会のみなさんは、非常に熱心な活動を繰り広げてきた。休日はチャンプ・カーから貸与されている展示車に乗ってもらおうと市民や観光客に声をかけ、コース周辺の一軒一軒にチラシを撒いて地域説明会へ動員。全員が手弁当であるのは言うまでもなく、彼らの情熱にはほんとうに頭が下がる思いだ。スタッフ全員の努力により、この4月、やっと警察へ道路使用許可の申請をできる見通しが立ったのが、なんともうれしい。まさに今がラスト・スパートであり、全員が一丸となって最後の追い込みに入ったところである。

近況
2月末の地域説明会で行った小樽は、意外にも0度を超える日が続いて少し快適でした。寒くてもマイナス2度で、ほとんどの道路を覆っていた雪はだいぶ溶け、雨が降っていたのは驚き。このまま暖かくなって欲しいところです。明日からは韓国へ行って、チャンプ・カーの首脳陣とミーティング。社長と副社長が来ているので、小樽グランプリの現状報告と今後の進め方について、打ち合わせしてきます。
(オートスポーツ誌 2006年3月16日号に掲載)