FIA基準の安全性とイベントの公益性
小樽は早くも課題をクリアしつつある
この企画がスタートして9回目となる今回、これまでは過去の経緯だけを振り返ってきたが、これからは時折現在の状況もレポートしていきたい。ここでの近況報告や本誌でもニュースとして取り上げていただいているので、だいたいの流れはすでにご存じだと思うが、そのほとんどはotaru-gp.com でもご覧いただけます。
北海道小樽グランプリ推進協議会とチャンプ・カー・ジャパンの共同作業により、すでに二つの“課題”がクリアされようとしている。ひとつ目は、昨年3月に警察庁交通局から各警察などに通達された“カーレースに伴う道路使用許可の取り扱いについて”の中に、“安全性の確保”として「国際自動車連盟(FIA)と日本自動車連盟(JAF)の安全基準に合致していること」とある。
この点に関しては、2度小樽を視察したチャンプ・カーのコース・デザイナーであるマーティン・セイク氏から「FIAの安全基準をクリアできる」というお墨付きをもらっており、一緒にJAFの本部へ行って小樽の説明と、今後のプロセスについても打ち合わせさせていただいた。12月頃、セイク氏のデザインが仕上がり次第、JAFを通してFIAに申請する予定となっている。
ふたつ目の課題は、小泉内閣の地域再生計画に認定されているこのプロジェクトが、いかに公益性が高いかを証明することであり、小樽グランプリが開催された場合の経済効果の試算が、すでに終わっている。チャンプ・カーから提供してもらった各イベントの資料をもとに計算したところ、小樽の場合の直接経済効果は約24億円。これが波及効果となると、日本の場合は3倍で計算するので約72億円にも達するという。
警察庁は、もうひとつクリアすべき重要課題として“地域の理解”を挙げている。この点に関しては、先に挙げた安全性と公益性を地元の皆さんに説明して理解を得るという計画で、12月中に第一回目の説明会を実施する予定だ。説明会はその後数回行うことになっており、できるだけ多くの方に理解していただくよう、丁寧に説明しなければならないと思っている。
筆者近況
メキシコ・シティから帰った翌日、某日本人ドライバーのマネージャーさんとミーティング。金曜日は某投資会社の方に小樽グランプリの資金確保について相談し、スポンサー獲得以外にも様々な方法があることを教えてもらう!! 土曜日から小樽に飛んで定例会に参加し、日曜、月曜とスポンサーの可能性がある企業にご挨拶。午後は小樽出身の北海道議会議員と北海道庁に行って状況を説明し、協力を要請する。
(オートスポーツ誌 2005年12月8日号に掲載)